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第5話

何だか少し怖いが、暖かいのような夢を見た気がする

目を覚ました俺は内容を思い出そうとすると

頭にノイズが響く、まるで大事な何かを触れさせないようにするみたいに


「悪性アストラル体Ω369」


浮かんだ単語で飛び起きた

そうだ、昨日サンチャンと夢の中で会話したんだ、確か、人間を殺す?だっけ、

結局人の敵なのかな?

でも妙に納得できたし、俺自身も死への興味はある、昔は当たり前に人が死んでいたらしいしそんな考えも不思議じゃ無いのかも。

だとすれば逆に何でみんなは気に留めてなかったんだろう、まるで意識をずらされるみたいに死への興味は持ってないように見えていた。

寿命薬が広がった今あの時よりは幾分かマシになったって言えるのか?

何せ1人で考えていても分からないな、

よし、キューさんと話そう

俺は朝ごはんを食べ、身支度を済ませて

テレポートゲートに向かった。


何人もゲートへ向かっていく皆を迎えにキューさんは立っていた、見送りしているんだろう

「キューさん、おはようございます」

するとじっとこちらを見つめたキューさんは

「テン君、おはようございます、ところで

何か変わったことは御座いませんか?」

向こうから聞いてきた事に多少驚きつつも

「夢の中でアストラル体なる者と会話しまして、、、」

突拍子のない話だ、まず普通の人にこんな話をすればそれこそクスリ使ったのか疑われるような、ただキューさんは少しがっかりと、はたまた寂しそうな顔で

「あぁ、そうですか

お怪我はありませんでしたか?」

と聞き返された。

やっぱり、キューさんはアストラル体について何か知っているんだ

「はい、怪我とかは特に無いです、どちらかと言うと精神的に疲れはしたんですが」

微笑みながらそう言う俺はちゃんと笑えていただろうか、少なからずキューさんと話すこの時間は俺の中で特別なものになりつつあるんだろう

「それでアストラル体とは何なのか、キューさんなら知ってるんじゃ無いかって思って話聞きにきたんです」

「そうですね、少しお茶でも飲みながらお話ししましょうか」

歩き出したキューさんはいつにも増して真剣、いや無表情に見えた

気づけばテレポートゲートの裏側に

位置する空間に連れてきてもらえたみたいだ

基本的に真っ暗で何も見えないが

人がゲートを通れ度

光を放ち綺麗な幾何学模様が浮かぶ

どこかで見たような、

あ、瞼の裏に出てきた模様だ、しかしあの時のような吸い込まれる感覚はない

淀みは一切なく淡いオレンジ色のような光を出しては線香花火のように散って

それが止めどなく繰り返されている

そんな空間の中に不自然に用意された2隻の椅子とテーブルがあった

「ここでお茶しましょう」

「あれが何かもうお分かりですよね?」

俺に問いかける

「あれが人間の魂ですか?」

「そうですね、もっとよく言えば良性アストラル体ともいいます」

良性?サンチャンは確か悪性って言ってたような、

「良性ですか、それは良い魂って事ですか?」

「今の人族の尺度での話ですがね」

ってことはサンちゃんは今の人間にとっては悪性なのかな?

「テン君が夢の中で出会ったアストラル体は

良性でしたか?」

言葉に詰まる、良いも悪いも判断できない中で正直に言って良いんだろうか

「どうなんでしょう」

濁して答えた

するとキューさんは

「ふふ、意地悪しました、悪性であることは歪みを検知した時点で分かっています」

本当に読めない人だ

「そうですね、悪性アストラル体と夢の中で名乗っていました」

「初めて貴方とお会いした時歪みはまだ模様の中に見え隠れするぐらいだったのが

今日の貴方を見て、歪みが深さを増したように見えます、少なからず会話をして魂の中にいるアストラル体を認知したんですね」

「はい」

全部筒抜けのようだ

「夢の中では悪性アストラル体Ω369と名乗っていました」

「そうですか、369ですか、、」

少しの間沈黙が流れ考えるようなキューさんの表情を見て何かまずい事でもあるのかな

と、まぁ言っちゃった事はしょうがないね

俺は俺だ

なんてことを考えていると

「悪性アストラル体とはどんな会話をしましたか?」

キューさんから問いが飛んでくる

「全部は思い出せないんですが、今のままではダメだと、強く思っているようでした

それにまた会おうとも」

「であれば今後接触を控えるのがこの地球にとって良性であると私は思います」

難しい話だ、まだ何も分かってはいないし

少なくともあんまり悪い奴には思えなかったんだよなぁサンちゃん

「それは、しないとは断言できません」

またキューさんは淋しそうな顔をする

「そうですよね、貴方はそういう思考回路だと記憶しています」

どこか申し訳なくなったのは妙に人間臭い表情のせいなのだろうか

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