第3話
あれから数日後俺はキューさんがいるゲートにまた来ていた、あれから何度かキューさんと話すようになり昔の日本と今のヒノモト、世界の話なんかを聞かせてもらったりしてた。
似ている様で変わった価値観や違う様で似てる価値観などキューさんの話は正直面白い
「おはようございます」
「キューさん、おはようございます」
「今日はどんな話聞かせてもらえるんですか?」
最近の趣味と言っても過言ではないキューさんとの時間で、何か忘れている気がするが
それが何かも思い出せずに思い出そうともしなかった
「そういえば、天君のお友達のハジメさんは最近どうですか?」
キューさんは俺の家に来た後に寿命薬で死んだ男の息子が俺の親友であると知ったらしい
「ハジメも一時期よりは元気になっていってると思いますよ、昔みたいに笑う数がもどってきた感じがします」
「それは良かったですね、人族だけではなく
どんな種族も親であれ子であれ亡くなれば悲しいものと把握しております」
キューさんはAIだから本当の意味で悲しみを知ることは無いんだろう、ただそうであるとしかわからないんだな
「そうですね、誰しもが悲しい事だと思います」
本心で俺もそう思ってる、ただ死への興味は昔より増していってる、これが歪みの影響なんだろうか
「それでも昔の世界では親が子を殺したり逆もまた然りと、そんな事件も珍しくはなかったのですよ、さらに言えば国同士の喧嘩になってしまえば祖国にいる家族の為敵国の人族を殺し合ったり、そう思えば今の世界は幸せですよね?」
すぐに返事はできなかった、どんな悲劇にも、そこへ至る理由があるんだと思っていたからだ、確かに住みやすい世界になったんだと思うけどそれが=幸せと決めつけて良いものか俺には分からなかった
「........平和なのは、確かだと思います」
キューさんは時々、俺の歪みを矯正するみたいに思想へ踏み込んでくる、それが煩わしくもあり優しさなんだとこの時は思っていた。
なんだかんだキューさんとの会話は
11時に着いてから気づけば15時前になっていた
今日は久々にどこか行こうかな、この前のテレポートの話を聞いてから俺は少しテレポートを避けていた、理由はない、ただ何となく
ふと昔ハジメと行ったハリウッドの景色を思い出した
「ハリウッドに行こう」
今回は1人で、あてもないがそんな事も珍しくはないしね
キューさんがこちらに手を振る
「ハリウッドに行かれるんですね、気をつけていってらっしゃいませ」
ゲートを潜る
いつもの感覚だ、身体の感覚が無くなって意識だけになる、少し暖かい、それが気持ち良くもある
「悪性アストラル体不正憑依者1名発見、排除シマスカ」
__誰だ?
「今は良い、放っておけ」
何が起きた?
こんな事初めてだ、ひどいノイズと共に俺はハリウッドに着いた
さっきのは何だ?
悪性ナンタラが不正憑依?
何の話だ、いや、まてよ、頭の中で点と点が線になった気がした
「キューさんが言ってた歪みと関係あるのか?」
しかし何で今なんだ?昔からテレポートは使いまくっていたしこんな事初めてだ
それとも、俺が自覚したからか?
思えばあれからテレポートは使っていなかった、ただ何となく使っていなかったがこれがもし悪性ナンタラが導いていたとしたら誰かにバレるのを避けたかったのか?
考えても意味がわからないが、答えはあるんだろう、そしてやはり未知は少し怖い、人間としての本能だろうか
帰ったらキューさんに話そうか話すまいか考えながら過ごしたハリウッドはいつもより静かだった
俺は帰宅後キューさんに話はせず、いや、何か話してはいけない気がして何もなかったかのように自宅に戻った。
玄関を開けると珍しく両親の靴が並んでいた
「ただいま」
「あら、おかえり、今日もハジメ君とあそんでいたの?」
母さんもあれからハジメの事を昔以上に気にかけていた
「いや、今日は少し知り合いの人と話していたよ」
「まぁ珍しい、テンに知り合いなんてハジメ君ぐらいでしょ?」
母には友達が少ないと思われているらしい、少し惨めだ
「そんなことないって、それより今日2人とも早かったね」
「そうなの、パパもママもいつもより少し早く仕事が終わって一緒に帰ってきたわ」
こんなご時世で仕事しているのは手に職をつけた人か、やりたい事をして給料をもらっているかの2択で天美家は後者だ、2人そろって音楽プロデューサーをしていて業界じゃ名の知れた夫婦なんだって、俺はあんまりわかってないけどね。
そして天美家の夫婦仲は悪くない、むしろ良い方なんじゃないだろうか、ただ2人とも仕事人で昔から俺への関心はうすかったきがする、それが嫌で小さい頃はよくハジメの家に遊びに行ってたな、懐かしい事を思い出した
今は何とも思ってないよ、多分
「晩御飯は食べたの?」
「まだだけど、なにかあるの?」
「カレー作ってあるわよ」
母の手料理は本当に久々だ
お金が支給されることもありいつも自分で作ったり買ったりしていたから少し嬉しかった
「ハジメ呼んでも良い?」
「ええ、ハジメ君とも久しぶりに話したいわ」
一時期は毎日あっていたのにここ数日間は色々あってお互い会わない日が続いていたからか何か妙に懐かしかった。




