第六十五話 主は私の羊飼い
カシウス一家がブラッドレイクに案内された会場のドアを開けると目が潰れそうなほどの毒々しい輝きが五人を襲った。
五人の待機場所として与えられた部屋以上にオリハルコンによる装飾がなされた無数の装飾品や魔石シャンデリア、もはやこれは落書き一歩手前、いや落書きそのものようにありとあらゆる色の宝石や染色で無茶苦茶な装飾が施された会場が五人の目の前に広がっていた。
さすがに参加している軍人達や王族達、貴族達も目をしかめている。
「おお、やっと来たのか!!遅かったな!!」
やけに元気のいいガンジャン・シュウである。
本人だけがこの会場を気に入っているのだろう。
カシウス一家を案内してきたブラッドレイクやレオンハルトもあまりの会場のひどさからか居心地が悪そうだ。
ボーウェンとカーライルの姿が見えないがあまりの惨状にどこかへ姿を消したのだろうか?
「ちゃんとこのおっさんに時間通りつれてきてもらったはずだぞ。遅刻はしてないだろ」
「まあ時間通りだがな。それでも待ちくたびれちまったんだよ、くっくっくっ。全員よく集まってくれた!!そこにいる人間の男、カシウス・レンが俺の剣を防ぎ、俺に一撃を与え、俺よりも強いことを証明した最強の人間だ!!故に俺はアレクセイの助言を得て最強の人間、カシウス・レンの語る正しい政策を実行した!!全員杯を取れ!!この自由軍国の新たなる時代の幕開けとなる祝杯を挙げる!!」
馬鹿でかい声で演説なのか怒鳴り散らしているのかわからないガンジャン・シュウが乾杯の音頭をとろうとしている。一応全員グラスに酒を満たしており、カシウス一家にも酒が配られた。瞬間レンはチェックをかけたが毒も何も入っていない唯の超高級酒だった。
「よし!!カシウス・レンたちにも杯は渡したな?では最強のカシウス・レンに!!新しいこの国に!!乾杯!!」
「「「「「「「「「「「「「乾杯!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」
会場の全員が杯を打ち鳴らしあい酒を飲み干しているがカシウス一家は微動だにしない。
絶対に何か仕掛けられていると五人全員全力で警戒しているため毒が入っていなくとも酔う可能性のある酒を飲めるわけがない。
「よし!!全員大いに飲んで食べて祝え!!この国は生まれ変わった!!」
そこからは宴会騒ぎというかお祭り騒ぎというか、軍人も王族も貴族もさすがにAランク魔物の料理を口にすることは滅多にないのだろう。
酒も超高級酒が世界中から集められているため料理と酒を貪るようにだれかれかまわず戦い奪い合いながらもはや戦争のように戦利品を口へ流し込んでいる。
さすがは自由軍国、軍人はともかく王族や貴族も他の国では後ろ指どころか激昂されそうなマナーで戦利品の酒を飲み料理を食べている。
ガンジャン・シュウもブラッドレイクとレオンハルトと共に専用のテーブルに用意された料理をがつがつとたいらげ浴びるように超高級酒を飲み干している。
「これどのタイミングで完全聖書渡せって言えばいいんだ……?」
「私達がこの着物着た意味もあまりないんじゃないかしら…………?」
「騒がしすぎるし野蛮すぎる…………やはりどこまでも最悪な国…………」
「…………食事とお酒だけでここまで…………いや、僕も食事とお酒は好きですけど…………」
「ニュート、これは妾達がいつも食べておる飲んでおる食事と酒とは別物じゃ…………」
ガンジャン・シュウが演説台から降りて食事を始めてしまったため、もはやカシウス一家からは人で会場が埋め尽くされていて目視できない。
視覚でも怒鳴りあい騒ぎあう大声で聴覚でも酒と食事、争いあっているため血の匂いまで蔓延しているため嗅覚でも誰がどこにいるのかさっぱり分からない。
5人全員あまりの喧騒と戦争のような光景に圧倒されて扉の前から身動きが取れない。
「どうしたカシウス・レン!!もっと中央に来て楽しめよ、ぎゃははははは!!」
ガンジャン・シュウが一体どんな器官で発声しているのか意味不明な馬鹿でかい大声をあげ、ようやく位置を特定したカシウス一家は奪い合いのさなか余裕で前に進み始めた。
その瞬間一つの魔法が唱えられた。
「アブソリュートデススピアァァァァァァ!!」
詠唱と同時にクロ、シロ、ニュート、キリアの胸にそれぞれ一本ずつ毒々しい紫色の絶対刺突が突き刺さった。
「えっ……?」「こ、れは……」「……パパ……」「……ありえん……なぜじゃ……」
四人は呆然としつつ自分の胸に刺さっている魔法特有の魔力光を放つ刺突を見つめながら呟く。
しかしその呟きは四人とガンジャン・シュウを結ぶ直線状にいた全員が刺突に巻き込まれ、狂乱めいた悲鳴と逃げ惑う足音でかき消され生きている人間は全員会場から逃げた。
「クロ!!シロ!!ニュート!!キリア!!くそ!!なんでだ!!!!ホーリーアブソリュートウォールで全身を包んだのに!!『チェック』…………嘘だろ…………なんで心臓も呼吸ももう止まってるんだ…………?『リバース・リザレクション』!!!!『リバース・リザレクション』!!!!『リバース・リザレクション』!!!!『リバース・リザレクション』!!!!『リバース・リザレクション』!!!!『リバース・リザレクション』!!!!『リバース・リザレクション』!!!!…………どうしてだ…………まだ間に合うはずだろ…………なんで蘇生できないんだ…………?」
「くっくっくっ、ようやくお前の慌てふためくところが見れたなぁ…………爽快だ…………クローディアとエルヴィラまで食ったかいがあったってもんだ…………アレクセイも面白い魔法を教えてくれたしな…………くくくくくくく、あはははは、はーはっはっはっはっ!!」
「…………どういう意味だ…………?貴様は魔法を使えないはずだろ…………?あの女将軍2人を食った…………?犯して魔力でも奪ったってのか…………?」
「そういう意味じゃねえよ。ま、そういう意味でも食ってはいたがな。あいつらの体を食ったんだよ。心臓とかマジックコアとかな。まじうまかったぞ?」
「人間を…………食った…………?」
「そうだ、だから、これからは食用の魔族とエルフの牧場でも作ろうとおもってね。お前さんの教えてくれた方法なら、上質の魔族やエルフが量産できてそれを食えば簡単に誰でも強くなれるだろうってアレクセイが教えてくれたんだよ」
「食用の…………人間だと………?」
「そうだ、いい考えだろ?で、とりあえずクローディアとエルヴィラで試したのさ。そうしたら俺も数時間で限界を超えた魔法が使えるようになったぜ。そこにアレクセイのオリジナル魔法デス、死の魔法を組み込んだ。俺の剣術とあわせりゃ斬れないものも殺せないものもなくなったわけだ」
「…………………………」
「ありがとさんよ、カシウス……なんだっけか?まあいいか、死ねよ『アブソリュートデススラッシュ』…………ん?おかしいな?何故斬れん?」
ありえない非人道的としか言えない国民の強化方法を楽しそうに語るガンジャン・シュウ。
魔王はレンに斬りかかるが、レンを深く愛しているキリアのかけてくれた魔法のおかげでレンには傷一つない。
「…………お前は人間じゃない…………死ね『ホーリープロミネンス』」
「おっと、『アブソリュートウォール』っと、なんだ、意外とたいした攻撃でもなかったな。最強の防御魔法使って損しちまったぜ」
怒りで攻撃魔法のイメージを増し、さらに聖属性をも使っているのだがあっさりと防御されてしまう。
「黙れ…………『ホーリーライトニング』『ホーリートルネード』『ホーリーエクスプロージョン』」
もはやレンに正常な判断能力は皆無だ。
最後のエクスプロージョンで会場の全てを吹き飛ばしてしまった。
ブラッドレイクやレオンハルトは瀕死状態になっている。
「おいおい、攻撃はこんなもんだったのかよ?あの時剣を防がれた上一撃食らったショックはなんだったんだ?ま、簡単に殺しゃしねぇよ、女共はちと惜しかったがお前みたいなやつは家族が死んだほうが苦しみそうだからなぁ、ぎゃはははははははは!!!おら、おら、ちったぁ逃げ回りな!!!後で女共の体も食わせてもらうぜ~どんな味がするのかね~獣人と吸血鬼は?」
レンは人間をあっさり殺せる威力の魔法でガンジャン・シュウと戦い続けているのだが、お互い防御力が拮抗しているため決定打に欠けている。
しかも相手は剣を持っており、いつの間に装備したのか全身に鎧を纏っている。
レンはキリアにかけてもらった究極の補助防御魔法と苦手な攻撃魔法しかダメージソースがない。
装備と圧倒的な攻撃力の差が拮抗している防御力を打ち壊していく。
「おら、一本もーらい、ちっ、やっぱ男はまじいな。おらおら次いくぞ~」
一方的に攻撃される戦闘が十数分続き、障壁がついに破られレンは片腕を切り取られた。
キリアの障壁を失ったレンはその後数分足らずで戦闘不能状態にされた。
手足は根元から全て切り取られ全く身動きが取れない。
それでも四人の遺体に聖属性絶対障壁を展開し続けている。
「ちっ、その状態でまだ死体を守ってんのか?まあまだ生きているようだし、お前の見ている前で女共を食わせてもらうとすっか。ちっ、かってぇな…………」
「神様…………どうしてです…………俺はいいから…………クロと…………シロと…………ニュートと……キリアをどうして守ってくれなかったんですか…………?あんな悪魔みたいなやつが…………人間を食らって強くなるやつが正しいんですか…………?」
ガンジャン・シュウはレンの目の前で障壁を破ろうとしているのだが変則的な体表面を覆っていた聖属性絶対障壁と違い完全な障壁を破壊できない。
そんな敵を見ながらレンは主に嘆きの祈りをささげる。
『レンレン!!!!!遅くなってごめん!!!!今神様と話をして力を貸してもらえるようお願いした!!!!僕達の一番好きな聖書箇所を唱えて神様からの力を受け取れるよう信じて!!!!!』
「よお…………カレンか…………やっぱり俺なんかじゃダメだったよ…………すまないな…………」
『いいから早く唱えて!!!!まだみんな間に合うから!!!家族が生き返るよ!!!!!そのためならレンレンはなんだって出来るはずでしょ!!!!!』
「まだ…………間に合うのか…………?四人とも完全に死んで…………」
『僕達の神様に不可能なことは一つもない!!!!早く唱えて!!!!』
「そうか…………そうだったな…………やってみるよ…………神様…………俺に力を下さい…………家族を救う力を…………」
『The Lord is my shepherd; I shall not want』
詩篇23編。レンが最も好きな聖書箇所だ。
『He maketh me to lie down in green pastures: he leadeth me beside the still waters』
レンが詩篇23編を唱え始めると聖書に描写されている光景が周囲に具現化され始めた。
同時にレンの治癒魔法の光が五人全員を覆い始めている。
「な、なんだこりゃ????いきなり風景が…………?????」
ガンジャン・シュウもいきなり目の前が草原と湖に変わったことに驚愕している。
『He restoreth my soul: he leadeth me in the paths of righteousness for his name's sake』
徐々にレンの四肢が完璧に復元され始めている。
「てめぇ!!!!何してやがる!!!!妙なことぶつぶつ呟きやがって!!!!お前がやってんのか?なら先にぶっ殺してやる!!!」
ガンジャン・シュウはレンを攻撃しようとする。
しかし剣がレンの体を素通りする。
まるでそこに何もないかのように。
『Yea, though I walk through the valley of the shadow of death, I will fear no evil: for thou art with me; thy rod and thy staff they comfort me』
ますます治癒魔法の光が強くなり、特に四人の体は淡い緑の光で覆われ見えないほどだ。
「何だってんだちくしょう!!!!今度は真っ暗な谷底だと!?!?!?!?わけ分からん呪文を止めやがれ!!!」
相変わらずガンジャン・シュウはめちゃくちゃにアブソリュートソードを振り回すのだがレンの体に触れることすらできない。
『Thou preparest a table before me in the presence of mine enemies: thou anointest my head with oil; my cup runneth over』
レンと四人の家族の前に、祝福された食卓が現れた。
「くそったれが!!!!『アブソリュートデススピア』ってうお!!なんで反射すんだよ!!!!ありえねぇだろうが!!!」
『Surely goodness and mercy shall follow me all the days of my life: and I will dwell in the house of the Lord for ever』
レンが詩篇23編全てを唱え終わると、不気味だった王城の広間に暖かな光が満ち溢れ、レン、クロ、シロ、ニュート、キリアが並んでガンジャン・シュウの前に立っていた。
「ありえねぇ…………アレクセイから教えてもらった死の魔法は吸血鬼をも完全に殺すはずなんだぞ…………?」
『レンレン、次は神様の武具のイメージでリビングアウトフィットを呼んで!!!!』
「みんな、神様の武具をイメージしてリビングアウトフィットを呼ぶんだ」
クロ、シロ、ニュート、キリアは状況を全て理解しているらしく瞬時に神様の武具のイメージを構築すると、着替えた部屋においてきたはずの装備がすぐに飛んできた。
「うぉ!!!今度はなんだ?剣が三本も……ってうぉっ!!!なんで防具まで飛んでんだよ!?!?!?!?!?」
リビングアウトフィットは本当に生きているかのように五人の体に自動的に装着されていった。
「カレン、神様からの助けを得られるよう尽力してくれたことを本当に感謝する。それでこいつはどうすればいいんだ?」
今や五人とも神様からの祝福と癒し、愛、恵み、平安、力に満たされ、ガンジャン・シュウにとっては恐怖としか感じられない聖なる者、完全に近いクリスチャンとなっている。
ガンジャン・シュウは指一本動かせずにへたり込んでいる。
『レンレン……そいつがレンレンたちの最後の罪の刈り取りだよ……そしてそいつが生きてこの国の王であり続ける以上ボーウェンやカーライルのような犠牲が出続ける……あんな方法で強くなるなんて想像もしていなかった……僕のミスだ……ごめんなさい……またお願いをしてしまう……』
「大丈夫だカレン。カレンは俺の家族を救うため神様にお願いしてくれたんだろ?またどうせ結構な無茶してさ?ならこれぐらい安い等価交換だ。ガンジャン・シュウ、ブラッドレイク・アレクセイ、ニエフの未来のため、神様の僕としてお前を裁く『ホーリーエクスティンクション』さて、これで終わり…………か…………」
レンが聖絶、聖なる消滅をイメージした魔法を唱えるとガンジャン・シュウ、ブラッドレイク・アレクセイの体は不思議な障壁に包まれた。
その障壁は小さくなり続け二人の化け物と共に欠片も残さず完全消滅した。
同時にレンも全魔力を使い果たして気絶した。
神様の力を受け取り罪人の体で行使することは尋常ではない負荷がかかる。
ましてや四人の完全な蘇生と聖絶という聖属性最高レベル魔法、いや、魔法ではなく神様から選ばれたものにしかできない行為は明らかに人間の限界を超えすぎている。
「カレン様、聞こえますか?」「カレン聞える?」「カレンさん?」「助かったのじゃ……世話になった……父上は大丈夫なのかえ?」
『うん、大丈夫だよ。神様の力を直接受け取ったから負荷が大きいだけ。すぐに自由軍国を脱出していつもみたいにレンレンを家族として癒してあげればすぐに目を覚ますよ。完全聖書を届けるのはいつでもいいからジャマングかイクスでゆっくり過ごすといい』
「ありがとうございますカレン様……」「カレン……ありがとう」「カレンさん……ぐすっ」「カレン、もうお主を阿呆などとは二度と呼ばぬ」
『僕に感謝は必要ないよ。がんばったのはレンレンで、力をくれたのは神様だ。みんな、早くこの国から出るんだ。レンレンが会場を吹き飛ばしちゃったから大騒ぎになってる』
「「「「はい!!!」」」」
完全聖書を回収してからクロ、キリアは全力でシロとニュートの力を増幅し、レンを抱えて船まで戻っていった。
その後ジャマングに到着し二日ほどでレンは目を覚ました。とにかく完全聖書は全て集まり、レンがなるべく早く届けたいといったため、数日休んでからマームへと五人は向かった。
「カレン、これが最後だ」
そういってレンがとりだしたのはルツ記、第二列王記、箴言、哀歌、第一テサロニケ、第一テモテ、テトス書、第二ペテロ、第二ヨハネだった。
「うん…………レンレンありがとう…………そしてごめんなさい…………恐らく僕が見えないようにしてクローディアたちはやられたんだろう…………まさかあんな恐ろしい人間とは思えない方法があるなんて思わなかった…………」
「しょうがないだろう。カレンも人間なんだから。でもちゃんと俺達を助けてくれた。立派な想像主だよ。しかしこれからあの国はどうなるんだろうな…………?本当にあの方法を知っていたのはブラッドレイク・アレクセイだけなのか?強さへの執念は恐ろしいな…………」
「多分大丈夫だと思う。魔族やエルフは元々強力な種族だから、動物みたいには扱われないはずだよ。ガンジャン・シュウみたいな化け物ももう生まれないだろう。人間には過ぎた力とあそこまでの禍々しさを併せ持つ人間なんて…………レンレン、封印はいつでもいいよ『コンセプション』『アブソーブ』イクスからはいつでもここにこられるしね。気が向いたら封印に来て」
「いいのか?終末の書は…………?」
「もうそれは書き終わったんだ。各地の教会へ届け終わったよ」
「はぁ?じゃあ何のためにあの化け物と戦ったんだ?」
「レンレン達が今の書を手にした時点で神様から全部教えてもらえたんだ」
「はぁ…………なんかよくわからんが…………これで全部解決なんだな?」
「うん、僕のために5人の時間を使わせてごめんね。そのお礼じゃないけどいい報告があるよ」
「なんだ?まさかまた姉さんが子供産んだのか?」
「子供って部分はあってるよ。世界初の初、最強の竜人系獣人と最強の吸血鬼のハーフが生まれるんだ」
「それって…………まさか…………」
「うん、キリアがニュートくんの子供を妊娠してる。まだ一ヶ月ぐらいだけど、健康ないい子だよ。レンレンはおじいちゃんになるんだ」
「マジか……………………?」
「多分神様からのがんばったご褒美じゃないかな?」
「ニュート…………キリア…………良かったな…………」
「僕がパパになるんですか…………?」
「妾が母親に…………?」
「すごい存在になっちゃうだろうねぇ。ニエフでもニュートくん以上に唯一の存在だよ」
「私おばあちゃんになっちゃうの…………?」
「よかった…………ニュート、キリア、おめでとう」
「じゃあ、子育てのためにもワープするよ。あ、妊娠には影響ないからね。準備オッケー?」
「あ、ああ…………やってくれ」
「はあい、『イクス・ワープ』ふう、お疲れ様レンレン。後は幸せな人生が待ってるよ」
「そうだな……キリアと最終戦前に少し話したがキリアの子供なら寿命も長いだろう……よかったなキリア、家族と長く生きていけるぞ。俺達がいなくなっても大丈夫だ」
「父上……それはそうですが……それでも父上が死ぬのはいやじゃ……いやじゃよ……」
「キリア?もうお母さんになるんだぞ?しっかりしないとな、よしよし、でもキリアはいつまで経っても俺のかわいい娘だよ。いつまででも甘えていい」
「父上…………父上に負けないぐらい子供を愛すると誓うのじゃ…………」
「さーて、久しぶり…………ってほどでもないけどやたらと疲れたなぁ。キリア、三人は俺が担ぐから家に帰ろう。またなカレン、何か用があったら言ってくれ。また借りができたから等価交換しないとな」
「さらばじゃカレン…………人生最高の事実を知らせてくれて感謝する」
キリアと共に三人かついで対談所を去っていくレン。
「レンレン、ごめんね……嘘をついて……隠し事、いや、秘密かな……でも知らないほうが残りの人生を幸せに過ごせるだろう…………神様から三人の罪の刈り取りも終わったと教えてもらった……神様、どうか5人の人生が幸せになりますように……新しく生まれる子供も祝福されますように……強く優しい子に育ちますように……」
これでカレンの目的は全て達成された。
レンは残りの人生を幸せに過ごせるだろう。
しかしカレンの秘密、隠し事とは?
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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よろしければ、もう少しだけエピローグもお付き合いください。




