第三十話 暴虐の水魔王
レンたち三人が異常な勢いで魔石車購入のため魔物狩りをして冒険者ギルドを悩ませ続けてから数ヵ月後。三人は無事ファルバでカレンの指示通りの魔石車を購入し、イクスよりもさらに南方の海沿いの町サノティアへとやってきた。
カレンが最初に選んだAランク魔物はギガントスクイッド。伝説上の魔物クラーケンなどを除けばイカ系最強の魔物である。大きさが10メートル以上あり、柔軟でかつ強靭な肉体のため武器での直接攻撃が通りにくく、船上という限定された空間で闘わなければならない。
また、太く長い触手を数本同時に攻撃に使えること、なにより厄介なのは水属性のギガントスクイッドは周囲の海水を自在に操れるためレベッカとマリーにも劣らない攻撃をしてくることである。
このような理由でギガントスクイッドは比較的弱くとも厄介な魔物であることからAランクに分類されているのだ。高レベル冒険者パーティも巨体でしかも船上で倒さなければいけないことから持ち帰れる部分に限界があり、報酬がリスクに見合わないことから狩りの対象に選ばない。
たまに酔狂な高レベル冒険者がギガントスクイッドを倒して持ち帰るとサノティアの町中でイカバーベキューが始まり、お祭り騒ぎとなるのだが、ここ数十年そういうことはおきていない。またサノティアは港町でもあることから、安全な漁や航海のためにギガントスクイッドを倒してくれる冒険者を歓迎しており、必要な大型魔石船も格安で貸してくれる。
船上で戦う必要があるのだが、他人を巻き込むわけにはいかないのでレンたち三人はサノティアの航海ギルドから借りた船の操縦について優秀な船頭からしっかりと指導を受けた。
「うぇー……やっぱり何度乗ってもダメだわ……船って車より、うっぷ、酔いやすいのね……」
「ん、やはり海風も悪くない。クロ、大丈夫?」
「大丈夫かクロ?『メンタルヒール』どうだ?もう気分悪くないか?あとこれ噛んどけ」
「うん、大分楽になったわ……毎回かけてもらってるけど聞いたこと無い治癒魔法ね?もぐもぐ……うん、これも相変わらず苦いけどすごいさわやか味、なにこれ?」
「前に姉さんが運転したときクロの車酔いがひどかったからな。もうそんな状態にクロをしないよう地球の知識をフル活用して新しい魔法を開発したんだ。その丸い粒も前世で車酔いとか船酔いとかに結構効果があって、なんとか再現してみた」
「へー、レンの出身世界はすごいのねぇ。」
「むぅ、クロばっかりずるい。私も」
「シロ、別においしいものじゃないぞ?食べたいならやるけどさ。クロ、その代わり魔法とかニエフほどの剣術はなかったからなぁ。あちらを立てればこちらがたたずってところかな。まあ両方知ってる俺はずるしてるみたいなもんだけどな」
「別にずるじゃないと思うわ。その、わ、私たちを夫として守ってくれてる証拠よ……愛してるわ、レン、ありがとう」
「うげー……まずい……でも確かにすーっとする。レン、自分の知識で愛するものを守るのは当然。ずるなんかじゃない。むしろもっと守って愛して?」
甘ったるい会話をしながらもレンは冒険者ギルドから教えてもらったギガントスクイッドの生息海域へ余裕の操縦をしていた。初めての船の操縦でしかも大型の魔石船だったため最初はちょっと戸惑っていたが、帆船で航海するような高度な技術は魔石船には必要ない。
基本的には地球にあるモーターボートと同じ感覚で操縦できるため、地球で車やバイクの運転が出来ていたレンは比較的簡単に操縦を覚えられたのだ。船だとクロは操縦してもより酔いやすくなってしまい、シロはあまりスピードがでないことから操縦はレンに任せている。
「さて、そろそろポイントに着いたかな。たぶんこの辺だと思うんだけど。カレンの話や冒険者ギルドの話では夜行性らしいから、しばらく待機だな。クロ、シロ、適度に警戒しつつ休もう。クロも船が止まってれば船酔いも多少なりにくくなるかもしれないしな、よっと」
恐ろしく巨大な錨を海中に沈めるレン。今の剣術の階位はウィリアムと一緒なのだが、クロのパワーで補われているため普通の冒険者と比べると尋常ではない膂力がある。
「そうねぇ、シロ、どうしようかしら?適度に警戒って言われたけど」
「無論実行する。ギガントスクイッドは日中めったに現われない。他の魔物なら装備なしでもクロのパワーと私の魔法で撃退できる」
そういって二人は船内へと入っていった。
「二人ともなにかするつもりなのか?」
レンが疑問に思っていると、15分ほどして二人が現われた。
「な、ななななな!?!?なんで水着!?!?」
「せ、せっかく海に来たし…………ダメ?」
「いつものようにレンに拒否権は無い。存分に堪能して?」
クロもシロもおそろいのビキニを着ている。クロはちょっと恥ずかしいのかパレオのようなものを巻いているが、シロは堂々と見せつけている。色はやはりクロが黒、シロは白である。レンは地球で若い女性の水着姿などグラビアぐらいでしか見ておらず、ニエフに来てからもイクスもファルバも内陸だったためそういう機会は無かった。
「い、いや……その……一応ギガントスクイッド討伐の前だし……そういうことは、その……」
先ほど見せていた頼りがいのある夫の姿は幻影のように消えてしまった。
「レンはえっちねぇ。私は水着で一緒に遊ぼうと思ってるだけよ?ふふ、やっぱりレンかわいい」
「ふふふ…………クロ、とりあえずレンも着替えさせる。運んで」
「はいはーい、レンくんお着替えしましょうねー。ふふふ」
「や、やめっ、自分で行くかっ、うわっ、やめてーー!!!」
軽々とレンをお姫様抱っこするクロ。強姦に襲われる女性のような悲鳴を上げるレン。
5分後、すべての装備を剥ぎ取られ半ズボンタイプの水着に着替えさせられたレン。
「もうお嫁にいけない…………」
体育すわりで遠くの海を眺めるレン。
「レン、元気出して、船下りるところから海に入れるから。これもとっちゃうわ。ほら、連れてってあげるから」
そういってパレオをとりレンを立ち上がらせるクロ。
「レン嬉しくない?私たちの水着そんなに変?」
「いや、そりゃ二人の水着姿は魅力的だけど…………心の準備が…………」
「いまさらねぇ。何度も互いに見てるじゃない」
「ん、魅力的に見えているなら問題ない。クロ、一緒に運ぶ」
「はいシロ。ほら、レン、行くわよ」
「はーい…………」
しばらくぼーっとしていたレンだったが、次第に状況に慣れてきたのか三人で海中にダイブしてきれいなさんご礁や色とりどりの魚の群れを眺めたり、久しぶりの海を体験して地球で行ったことのある南の島を思い出していた。そして夕方前。
「ふー、久しぶりの海気持ちよかったなぁ。さんご礁とか久しぶりだ。」
「あれさんご礁って言うの?レン見たことあったの?」
「きれいだった。水の中はちょっと動きにくいけど」
「さんご礁も地球でみたことあるんだ。でもニエフのほうが自然環境いいからかよりきれいだったな。クロ、シロ、みっともないところ見せて悪かったな。でもありがとう。さて、日が暮れたらギガントスクイッドと戦うから、装備を整えて本気の警戒態勢に入ろう」
「戦闘は俺が岩魔法と金属魔法で複合障壁作って防御する。クロは電気魔法をメインにしてくれ。水棲系魔物ならなおさら効果的だろう。シロは上空から俯瞰して俺たちに指示や注意をしつつ風魔法と光魔法で滅多切りにしてやれ」
「はぁー、レンちゃんと考えてるのねぇ。私馬鹿だからそこまでしっかりは作戦立てられないわ。了解よ」
「ん、しっかりと上空から三人を見守る。全力の魔法で行かせてもらう」
「いや、だいたいいつもどおりじゃないか。母さんにも強敵にはなるべくいつもの戦闘スタイルがいいって言われたからそのとおりにしてるだけだよ。さて、着替えてからちょっと休憩しつつ軽く何か食べよう。泳いでたとき魚の魔物少し狩ったしな。久しぶりの刺身楽しみだ」
「そういえばお魚って食べたこと無いわね。どんな味かしら。刺身って何レン?」
「私は1回ファルバで食べたけど、高いうえにあまりおいしくなかった。レン、刺身とは?」
「また地球の話なんだが、日本では新鮮な魚はそのまま生の切り身にして食べるんだ。ファルバに高くてまずい魚が多いのは魔石冷蔵庫や魔石車使っても内陸まで運ぶのにどうしても時間がかかるからだな」
「へー、どんな味かしら。楽しみ」
「ふむ、あれよりおいしいなら期待できる」
とてもAランク討伐前の状況とは思えない和やかな時間をすごす三人。
それでも装備を整えて魚の魔物を切るだけなので日が暮れる前には食事となった。
「へぇー、魚ってこんな味なのね、さっぱりしてるし全然生臭くないわ。塩にも良く合うし」
「ほう、ファルバで食べたものとはまったく違う。のど越しも歯ごたえも抜群」
「うん、やっぱりうまいな。でもやっぱり刺身には醤油がほしいなぁ」
「「醤油も日本のもの?」」
「ああ、豆の一種を発酵させて作るソースなんだ。しょっぱいんだけど、独特の風味があって結構なんにでも合うんだ。でも別の大陸に行かないと手に入らないらしい。まあ後のお楽しみだ。どーせカレンの目的に向かうことになれば世界中めぐるんだろうし」
「世界中かぁ……楽しみね」
「ふむ、見識を広めるのも悪くない」
「さて、皿片付けて本格的に警戒態勢に入るか」
「了解!!」
「承った」
世界中を旅することに夢を抱きつつ警戒態勢に入る三人。夢のあるような旅になればいいのだが。
すっかり日も落ち、あたりが真っ暗になったころ、レンは冒険者ギルドで教えられたとおり巨大な魔石ライトを海中に向け、大量のありとあらゆる魔物の食材を撒き餌として放り込んでいった。
ギガントスクイッドはかなりの悪食で、食欲が非常に強く光を照らすと獲物の体の光と勘違いして襲ってくるのだ。イカにそっくりである。船を襲って人を食べたりするところは全然違うのだが。
航海中や漁をしている人たちは絶対夜に光をつけないし、自分たちの食べ残しを海に捨てることは絶対しない。それでも腹をすかせたギガントスクイッドに襲われることが1年に2,3回ほどあるので、サノティアの人たちには死活問題なのだが、なかなか冒険者はやりたがらない。そういう意味でもカレンはギガントスクイッドを選んだのかもしれない。
撒き餌をし、光を照らして数時間経つのだが、いまだにギガントスクイッドは現われない。
「なかなかこないな……どうでもいい魔物は来るんだが。これも撒き餌にしちまうか」
「そうねぇ、Cランクがいっぱい来てたまにBランクが来るぐらいだものね」
「ん、でも強い魔物はその分数が少ない。生態系のバランスの問題」
そんなことを言いつつ、レンは大量に積んである獲物をそのまま海に放り込んだ。
その瞬間海が爆ぜた。
ドバッシャーーーーーーーーン!!!!
「おー、ようやくおでましか、ってうお!!」
レンが爆ぜた海を視認したと同時に、数本の極太の鞭が3人を襲った。
「アイスランサーみたいな様子見なしかよ、さすが悪食。しかしでかいな、10メートルどころじゃないぞ、こいつ」
「ほっ、先制攻撃されちゃったわね」
「レン、補助魔法かけて、上空から攻撃する」
三人とも余裕で同時に振り回される数本の触手を回避。
「リインフォース」「ハードニング」
クロとシロに筋力強化魔法リインフォースと身体硬化魔法ハードニングをかけるレン。
「よっし、力がわいてくるわ!!レン、今なら蹴り飛ばしても切り裂いてもいいんでしょ?」
「ん、より体が軽い。上空に移行して魔法で滅多打ち」
「今なら大丈夫なはずだクロ、電撃も忘れるなよ。シロ、よろしく頼む」
相変わらず数本の触手をかわしながら余裕の会話をする三人。
「うおりゃああああ!!」
「ハリケーン」「ペネトレーションライト」
クロが全力のキックを電気魔法を纏って放ち、二本の触手を切断。電撃が触手から体に伝わり全体がこげている。
シロがギガントスクイッド全体に風魔法と光魔法で表面を切り刻み体を穴だらけにする。
「ありゃー、俺やることあるかな。回復勇者にすらなれない」
余裕なんだか残念なんだかぶつぶつ言いながらインヤンクロスで触手を切断するレン。
「くおおおおおーーーーーーん!!」
ギガントスクイッドが奇妙な声をあげ、周囲の海水を操り超高水圧のウォーターカッターのような攻撃を雨のごとく降らし始めた。触手での攻撃は様子見だったのか、それとも追い詰められての精一杯の攻撃なのか。
「シロ、クロ、こっちに来てくれ、いいじゃん、ちょっとは役に立てるってもんよ『ロックメタルウォール』これでどうだ!!」
ウォーターカッターなら岩だろうと鉄だろうと切り裂きそうなものだが、攻撃を受けている正面に展開された障壁をギガントスクイッドは突破できない。分厚さが三メートル近くある上にレンのかなりの魔力量と防御魔法2位というニエフでも数百人ほどしかいない実力が障壁を強めている。
幸いレンたちに攻撃されてギガントスクイッドの怒りが三人に集中しているため、船の損傷は少ない。
十分ほど攻撃は続いたのだが、怒りに任せて攻撃しすぎたせいか、ギガントスクイッドの魔力が切れ、ウォーターカッターは止まった。
「よし、障壁解くぞ、油断するなよ二人とも」
「大丈夫よ、あのぐらい余裕余裕」
「何の問題も無い」
魔力が尽きたため相変わらず縦横無尽に触手を繰り出すギガントスクイッドに二人は悠然と立ち向かった。
「『ライトニング』おっしゃー!!どおりゃー!!」
「トルネード」「プラズマ」
クロはギガントスクイッドに向かってジャンプし、ライトニングを纏って直接ビーストクローで殴りつけ、同時にすさまじい蹴りを入れて反動で船まで戻ってくる。
シロは上空からハリケーンをより局地的にして攻撃範囲を狭め、切断力の上がる上位風魔法トルネードとレンから科学的説明を受けクロと共有している炎魔法から作り出したオリジナル複合魔法プラズマでギガントスクイッドにでかい穴を開けている。
強烈な衝撃と斬撃を2発くらい、電撃を体に直接流され体中焼け焦げ、さらに深い裂傷を負い、体に大きな貫通痕を刻まれたギガントスクイッド。
「きゅうぅぅぅぅぅ……」
巨大な魔物は哀れな小さい悲鳴をあげて海中に沈んでいく。
「わー、まて、沈むな!!シロ、俺も手伝うから風魔法で持ち上げて船の近くまで引っ張ってくれ、クロ、そしたら俺と一緒に引っ張りあげるんだ!!」
「「了解」」
なんとかシロと共に船の近くまで寄せ、クロと共に引っ張りあげるレン。
「ふう、こんなもんか。しかしやっぱり二人は強いな。俺何にもしてないぞ。一番得意な治癒魔法の出番すらなかった」
「レンが障壁で守ってくれたからよ。ちょっとだけ食らっちゃったし。補助魔法もすごい効果だったし、ハードニングにあんな使い方あったのねぇ」
「ん、私もレンの元に戻るまで少々負傷した。レンの防御魔法が無かったら危なかった。補助魔法のおかげでそこまでの負傷ではないけど」
「何!?どこだ!!見せろ!!リジェネレイトかけるから!!」
絶叫しながら二人を丸裸にするレン。
「ふふ、レン大胆ねぇ。大丈夫よ、ちょっとだから。ふふふ」
「私の闘志に火をつけた。レン、覚悟する」
「うるさい、黙れ…………『ギガヒール』『リジェネレイト』ふぅ、なんとか大丈夫だな……元の二人のきれいな体だ。さて、疲れたってわけでもないけど、寝るか。帰るのは明日の朝でもいいだろ。二人とも船室に行くぞ。何呆けてんだ?」
「ちょっと強引なレンもいいかも……やっぱり優しいし……」
「これがギャップ萌えというもの……すごい……どきどきする」
「ああ、ごめんな、ちょっと言葉遣い荒かったか?強引に裸にしたのもすまん。寒くないか?」
「全然寒くないわ……むしろ体も心も熱いぐらい……レン、これも治して?」
「同じく……あっ……」
「クロ、何言ってんだ。こんなとこでしたらカレンに見られちまうかもしれないぞ。シロも何鼻血出るほど想像してるんだよ『クイックエイド』俺と同じでスケベだな」
「ここでダメなら船室のベッドでしましょう……このままじゃ眠れないわ……」
「レン、お願い、私たちを慰めて?」
「んー、借り物の船でするのは気が引けるんだが……町の宿まで待てないか?」
珍しく二人の裸を見ていても賢者状態のレン。愛する二人に傷ついてほしくないという気持ちが性欲を上回っているのだろう。
「大丈夫……シーツも洗濯するし、部屋もきれいに片付けるから、お願い」
「全力できれいにする。このままの気持ちでは死んでしまう。私たちをまた助けて?」
「あー、分かった分かった、二人とも落ち着け。ちゃんときれいにして返せば問題ないか。んじゃ行くぞ二人とも」
「「はい、あなた、乱暴でもいいわ」」
「なんか二人とも変だな……」
裸のままぴたっとレンに体を寄せるクロとシロ。そのまま船室へと入っていく三人。その後激しい音が船室から響いてきたり、すさまじい嬌声があがったり大変だった。その様子を聞いているギガントスクイッドの死体がなんとも哀れであった。
翌日、クロとシロはなかなか目覚めなかった。そのためレンが二人をそっともうひとつのベッドに移し、水魔法で海水から真水を抽出してシーツを洗濯し、部屋を掃除をしてから眠った二人をそのままにしてサノティアの町へと戻っていった。
サノティアの町に到着するころにはようやく二人が目を覚まし、クロはいつもどおりもじもじしているのだが、珍しくシロもきょどきょどしている。しかしそんな二人にサノティアの人たちはまったく気づかなかった。レンがギガントスクイッドを見せ、ウォーターカッターのような攻撃をしたと説明すると、どうやらアイスランサーのような大物だったらしく、この周辺で一番被害を与えている固体だったらしい。
体長約25メートル。通り名は暴虐の水魔王、アクアセイバーなどがあるらしい。サノティアの住人は狂喜乱舞し、過去に見ないようなお祭り騒ぎとなり、レンたちも700万ルンという大金を得た。
激しいお祭り騒ぎを堪能するレン。クロとシロはいまだに様子がおかしい。
「はー、祭りってのも久しぶりだなー。ファルバでも大物を狩ってくる人がいると宴会とかあったけど、町中で祝ってるってのは久しぶりに見るなぁ。クロ、シロ、どうだ?楽しいか?」
「え、ええ、あなた、た、楽しいですわ。に、にぎやかで、い、いいことですわ」
「え、ええ、あなた、ちょ、ちょっと騒がしいけど、い、いいと思いますわ」
「なんか変だぞ二人とも?ちょっとやりすぎたか?あといくらカレンシュタインの国外でクリスチャンが少ないサノティアとはいえ、町中であなたとかいったらばれちまうぞ?」
「そ、そうね、気をつけるわ……でもあれよかった。いつものレンもいいけど、ギャップ萌えってすごいわ……」
「あうぅ、注意する。でもまたやってほしい……いつものもいいけど、たまには違う味付けもいい……」
「あんまり乱暴なのは好きじゃないんだが、まあ俺も気持ちよくなかったわけじゃないし……たまにな」
「「是非」」
ちなみにその後他のギガントスクイッドも退治してくれないかと頼まれ、サノティア周辺の海域に生息するギガントスクイッドはほぼ全滅し、サノティアの町は毎日お祭り騒ぎとなり、安全な漁や航海が出来るようになってレン、クロ、シロは救世主のように扱われてしまった。
初めてのAランク魔物討伐は順調なようだ。クロとシロがちょっとおかしくなったが。




