第二十四話 それでも三人で
マリーの結婚式から一ヶ月。
レンはクロとシロに介抱してもらい、4,5日で健康な状態を取り戻した。
三人はまだ特に職業を決めていないため、冒険者として魔物狩りをして生計を立てている。
レンは若干精神的に落ち着いて、ファルバでしていたようにいつもの役割分担をしてクロとシロとの連携も取れるようになって来た。だが、マリーの結婚式の費用を稼いでいた時の名残が消えないのか、いつもより攻撃的な戦闘スタイルになっている。
一応連携は取れているし、クロもシロも優秀な冒険者としての能力を持っているので二人がダメージを食らうことは少ない。だが、レンはしばしば防御がおろそかになり、いつもより負傷が多かった。
それでもちゃんと自分にもクロにもシロにも治癒魔法をかけて回復しているし、結婚式の費用を稼いでいた時ほどではない。
だが、一際ひどくなるときがあった。それはイクスの町をマリーとキョウヤが手をつないで仲むつまじく幸せそうに歩いている光景を見たときだ。
そんな二人の幸せそうな光景をみた後レンは即座に家に帰り、自分の寝室に閉じこもってクロもシロも寝室に入れようとしなかった。中から鍵がかけられ、レンは沈黙し続けた。
数時間経てば出てくるのだが、その時昼夜問わず、すぐに魔物狩りに出かけてしまう。クロとシロは慌ててついてきてフォローしてくれる。
「レン、待って!」
クロの声が背中に追いつく前に、レンは前へ出た。
受け流せたはずの爪を腕で受け、骨が鳴る。治癒の光が傷口を塞ぐより早く、インヤンクロスで獲物をねじ伏せた。
「レン、危ない!!」
シロの鋭い注意が空を舞う。
枝のような触手が脚に絡む。レンはインヤンクロスで引きちぎって前へ出た。皮膚が裂け、赤が飛ぶ。
レンは以前の凶戦士のような状態に戻ってしまい、連携も防御も無視して自分の体が傷つこうともインヤンクロスで強引に魔物をねじ伏せていた。
魔物狩りで充分に収入も栄養も得られているはずなのに、レンの体にはさらに多くの傷痕が刻まれていった。血色に関しては以前レンがマリーにした対処法、レバーやほうれん草なんかの魔物料理をクロとシロが必死にレベッカから学んでいるため、何とかなっている。
クロとシロがレベッカに必死な顔で料理を学びにきたときに相談すると、ウィリアムとレベッカも一度レンたちの家に来て、レンに注意を促した。
「レン、一体どうしたんだ?以前のお前はこんな傷だらけになるような戦い方はしなかったじゃないか。クロとシロとの連携も無視するときが多いと聞く。お前は二人を守ったり癒やすのが得意だったじゃないか?」
「レン?私たちはそんな危険な戦い方を教えていないわ。クロもシロも必死な顔で料理を学びに来たり、真剣にあなたのことを心配して相談に来てくれたわ。理由はなんとなく察してはいるけれど……」
レベッカにはしっかりと結婚式の最後の瞬間レンがどんな感情を抱いていたのかばれている。
「父さん、母さん、頭では分かっているのですが……僕はいまだに聖霊様による成長を信じられていません……父さん母さんが育ててくれたのに……ううぅ、ぐすっ……」
「そうか、ファルバでトライアード先生やレイクウォーカー先生から、学校の聖書の授業でしっかり学んでいたのと、休みに帰ってきたのお前を実際に見ていてもう信じられるようになっていたかと思っていたんだが、まだ難しいか……やはりマリーの結婚はお前にとって辛いことなのだな……しかし、姉の幸せは喜ばなければな」
ウィリアムもだいぶレンの心情を理解しているらしい。1000万ルンなんて大金をたった一ヶ月で用意してしまえば誰でもわかってしまうかもしれない。
レベッカはじっと静かにクロとシロのほうを見ながら
「レン、しばらく家でおとなしくしていなさい。なるべく私もここにきてお世話はしてあげるから。しばらく狩りをしなくても暮らしていけるだけのお金はあるでしょう?」
「母さん、確かに僕はクロとシロに迷惑かけてますけど……いや、しばらくは暮らしていけるお金もあるんですが」
「いいから言うとおりにしなさい!このままだとクロとシロに迷惑かけるだけじゃなく、レンが死んでしまうわ!そんなふうにして自分の命を捨ててはいけません。それにレンがもし死んだらクロとシロはどうするの!」
「そうだな、マリーとキョウヤくんをみて……狂人のようになってしまっているお前はしばらく家で休んだほうがいいだろう」
「父さんまで……確かに以前姉さんを助けるときにむちゃくちゃなことをして……カレン様に自分を大切にしないと周りの人たちが不幸になるって言われましたけど……わかりました、しばらく家で休みます」
「レン、ちょっとクロとシロを連れて行きたいところがあるの。いいかしら?」
「はい?二人がよければ……大丈夫か、クロ、シロ?」
「はぁ……?レベッカ母さんどこへ行くんですか?」
「レベッカの言うことは正しい。連れて行くところも大丈夫だと思う。私は問題ない」
「ちょっと相談したいことがあってね。知り合いの人のところよ。じゃあ二人は連れて行くわレン。ちゃんと家でおとなしくしてるのよ。パパも先に家に戻っていて頂戴」
「あ、ああ、よくわからんが任せるよ」
「クロ、シロ母さんの言うこときくんだぞ……って僕が言っても説得力ないか。とにかく気をつけてな。母さん、ちゃんと家でおとなしくしています」
「わかったわ。それじゃレン、お大事にね」
「レン、しっかり休んでちゃんと神様との時間を持つんだぞ」
「レベッカ母さんの知り合い?」
「予想は出来る……けどイヤ……でもレンのため……」
そういって四人はレンの家を出て行った。
「母さんどこいくんだろ、クロとシロをつれて……?でも母さんのすることなら心配ないだろうし……まずは父さんに言われたように神様との時間を持つことにしよう」
そういってレンはベッドの脇においてある聖書を手に取り、祈ってから自分の好きな聖書箇所であるヨブ記を読み始めた。しかし地球時代と変わらず、女性の考えには疎いレン。レベッカがクロとシロをつれてどこへ行くのかはまったく分からないようだ。
そんな女性に関して鈍いレンが祈り聖書を読んでいるころ、レベッカは思いつめた表情でクロとシロをつれ、対談所までやってきた。
「レベッカ母さんの知り合いってカレン様なんですか?」
「やはり」
「そうよ。カレン様にも難しい問題だと思うけれど。私があなた達二人が獣人になってからずっと不安に思いつつそれを神様に祈ってきたの……でも、まさかマリーのことでレンがあんな状態になるとは思っていなかったわ。クロ、シロ、レンを助けたい?今のレンを元の優しいレンに戻したい?」
「もちろんですレベッカ母さん!!私がレンを助けられるのなら、昔レンが私にしてくれたようにイエス様が私たちを救ってくれるように……までは出来ないと思うけど、私の何をかけてでもレンを助けたいです!!」
「レベッカ、そういう当たり前のことを質問するところはレンとよく似てる。レベッカも私たちを見てきて絶対そうすると分かっているはず。たとえ命をかけてでも私はレンとクロと共にいる。クロもそうでしょ?」
「当たり前よシロ!!」
「そう、三人一緒なのはやはり変わらないのね……とても深い愛情も伝わってくるわ。でもだからこそクリスチャンになったクロとシロには……辛い決断をしなければならないのよ。本当はレンがするべきことだけど今は無理でしょうから。少し覚悟しておいて」
「「はい」」
二人は元気よく決意に満ちた表情でそう答えるのだが、やはりレベッカの表情は優れない。悲しみ、不安、期待、喜び、いろいろな感情が入り混じったような顔をしている。そうして三人一緒に入れる個室に入ると。
「ごめんなさいレベッカさん、僕の判断ミスだ……マリーさんがキョウヤくんと結婚するためイクスに戻ってくることは分かっていたし、地球でのレンレンを僕はよく知っていたのに……イクスに帰ってゆっくりしなさいなんて考えなしなアドバイスをしてしまった。僕は無力だ……」
三人が個室に入るなりいきなり土下座して謝罪するカレン。
「カレン様がアドバイスに失敗することはよくあると聞いていますし、いくらカレン様がニエフの多くのことを見聞きしていても、人間である以上全知全能の神様に遠く及ばないことは知っています。だからそんなに頭を下げないでください。今回のことはカレン様だけの責任ではないと思います」
レベッカはカレンを責めたりせず、むしろ慰めの言葉をかけている。実に情けない想像主である。クロとシロははじめてみるカレンの絶望に打ちひしがれて謝罪する姿に責めることも慰めることも出来ず、ぽかんとしていた。
「カレン様、私たちの不安が現実となるときがきてしまいました。ずっと祈ってきましたが、まさかマリーの結婚がきっかけでレンがあんなことになるとは……でも、今私たちで出来ることをするしかないと思います。カレン様も男性なので難しい問題だとは思いますが、出来る範囲内で力と知恵を貸していただけませんか?」
「以前ウィリアムさんにも言ったけど、僕は天国に行くまでの間、家族を持つどころか恋人の一人もいたことがなかった。そんな僕がどこまで力になれるか分からないけど……神様からニエフの管理を任されている想像主として出来る限りのことはするよ」
レベッカの慰めと頭を上げろという言葉、レンを助けるため力不足でもアドバイスがほしいといわれ、なんとかカレンは立ち上がるのだが、見えるようになった顔は現在のレンと変わらないひどい表情だった。やはり同一人物である。
「カレン様、レンが今のような状態に陥っている原因はマリーの結婚を祝福できない罪悪感からです」
「そうだね、そしてそれを解決する方法は……」
「はい、レンにもよい伴侶を見つけさせれば、レンは以前のような優しくきちんと周りを守るレンに戻れるでしょう。いや、伴侶を得ればもっとよくなるかもしれません」
「そうだね、それが最善の解決策だろう……そしてレンレンにはちゃんと愛してくれる相手がいる。しかし……今のレンレンには決断するどころかそんなことにも頭が回らない状態だろう。レベッカさん、二人に決めさせるのかい?」
「はい。残酷な解決策ですが、レンは今のままではいずれ死んでしまいます。レンが死ぬよりはそちらを採ります。母親の身勝手な感情ですが、息子を失うよりはいいです」
「いや、僕も男だし、子供いたことないからはっきりレベッカさんの気持ちを分かるわけではないけど……レベッカさんの息子を想う気持ちは間違いじゃないよ」
「ただ息子を失いたくないという母親のわがままです。さて、カレン様、二人に話をしてもいいでしょうか」
「そうだね、僕からよりは同じ女性であるレベッカさんからのほうがいいだろう。愛情の種類は違うけど、三人とも女性としてレンレンを愛していることは間違いないからね。でも……」
珍しくうじうじしているカレン。こんなところもレンそっくりである。そんなカレンを無視してレベッカは告げる。
「クロ、シロ、あなた達がレンを深く愛していることは知っているわ。そしてレンもきちんとあなた達を愛している。でも、あなた達は過度な接触を持たずクリスチャンの独身男女として正しい関係を築いてきたからあまり伴侶の候補としては見られていないわ」
「えーと、レベッカ母さん、よく分からないんですが……つまりその、レンの奥さんになるということですか?それでレンが助かると?」
「それならまったく問題ない。むしろ嬉しい。ふふふふふふ。ようやく結婚できる」
自分がレンの奥さんになればレンが助かると聞いて安堵するクロ。結婚できることをむしろ喜んでいるシロ。しかし。
「ええ、二人のうちどちらか一人だけがレンの奥さんになればね」
そんな冷徹な条件を出すレベッカ。
ニエフでは重婚が珍しくない。そして彼らはクリスチャンだ。
「えっ、一人だけ……?」
「レベッカ、ビーストテイマーが複数の伴侶を持つことは珍しくない。その理由は多くがよくないもの。でも私たち三人はきちんと互いを愛している。私たち二人がレンの奥さんになっても問題ないはず。そうでしょ、クロ」
「え、えぇ……私はレンもシロも愛しているわ」
「はぁ、やっぱりその答えが返ってくるわね。予想してはいたけれど。でもクロもシロも短い間かも知れないけど、ちゃんと聖書を勉強したでしょう?そしてクリスチャンになったでしょう?ならば聖書に書いてある神様からの命令を守らないといけないわ。聖書に男女はどういう風に結婚するべきだと書いてあるか覚えている?」
「た、確かに聖書には男女一人ずつと結婚しなさいと書いてあったような……」
「聖書の中には複数人の女性と結婚したり関係を持ったりした男性は登場する。そういう登場人物はそれでも主に従った生き方をしていた。私たち三人も問題ないはず」
「ふぅ、クロ、神様はアダムとイブのときから明確に男女は一対のペアとなって結婚しなさいと命令しているわ。そしてシロ、あなたはとても賢いのね。でもまだ聖書の理解が足りていないわ。そういう旧約時代の登場人物たちが複数の異性と結婚していたからといって今の私たちクリスチャンがそうしてもいいという原則にはならないの」
「そんな……私とシロどちらかだけなんて……」
「確かにアブラハムやダビデ、ソロモンはそれに当てはまる。しかし……」
「レベッカさん、クロちゃん、シロちゃん、ちょっといいかい?」
女性同士の会話に口を挟めなかったカレンが割り込んできた。
「レベッカさん、あまり良い意見ではないのだけれど……クロちゃんもシロちゃんもちゃんとクリスチャンになって主に従っていると思うよね?」
「え、ええカレン様……二人がレンとイクスに帰ってきてまだ2ヶ月しか経っていませんが、確かに二人はしっかりとしたクリスチャンだと思います。まだまだ成長は必要だとは思いますが、二人ともクリスチャンとして充分レンの弱さを補い助けてくれるはずです」
「うん、僕も見ていたけど、僕は天国に行く前、クリスチャンとしてほめられるような信仰も持っていなかったし、良い生活もしていなかった。でも僕がどんな人生をすごしてきても、僕はこうして神様に完全にされた人間としてニエフを想像した。レベッカさん、人間が罪の性質から救われて死から解放されるためにはどうすればいいと思う?」
「それは……自分が罪人だと認め、その罪を贖ってくれるのが、イエス様の十字架による恵みの救いだと理解することです」
「レベッカさんが絶対知っていること質問してごめんね。じゃあ僕はどうして救われたんだろうか?まったく神様から見たら罪だらけで最悪のクリスチャン生活を送っていた僕が救われた理由はなんだろうか?」
「それは……人が行いによって救われるのではなく、神様からの一方的な恵みで救われているから。しかしカレン様、レンが二人と結婚することはそれに明らかに反してしまう。それは罪であり、自覚しながら罪を犯すのは絶対に良くないことです」
「そこなんだよね……ただ、なぜ僕が救われたのかは確信している。レベッカさんもさっき言ってたでしょ?」
「神様からの一方的な恵みでしょうか……?」
「うん、僕はよいクリスチャンではなかった。今も決してほめられるようなクリスチャンでないのはニエフ中の人たちが知っていると思うけれど……それでもね、レベッカさん、これちょっと秘密なんだけど、僕が天国で救われたとき、神様は僕のことを愛すべき馬鹿息子を見るように完全にしてくれたんだ。僕達がどんなクリスチャンでも、十字架の恵みによる救いは変わらないんだ。神様からの一方的な約束だからね」
「しかしそれでも、罪を自覚して犯すことはクリスチャンには許されないことです……必ず罪の結果の刈り取りが待っているはず」
「うん、僕もそう思う。クロちゃん、シロちゃん、今までの話を聞いてきてどう思う?僕に出来るのは僕の経験則を教えることぐらいだ。ごめんね、情けない想像主で。後は二人の判断に任せるよ。レベッカさん、僕からはこんな良くない意見しか言えない。罪を肯定してしまうような……申し訳ない」
「いえ、カレン様のいうことも間違ってはいないと思います。ですが、私の考えも間違っていないはずです。クロ、シロ、後は二人で決めなさい」
「その、三人で結婚することは罪だと良く分かりました……それでも絶対レンとシロと一緒に居たいです。レンとシロと一緒に、前にレンが言っていたように三人一緒にイエス様を見上げて生きて生きたいです」
「私たち三人一緒に結婚することは罪だと理解した。でも、今のレンを助けるために必要ならクロと一緒に結婚する。三人一緒にイエス様を目指して生きていく」
はっきりと意志をつげるシロ。悩みながらもレンと一緒に居たいと言うクロ。そして二人とも三人一緒にイエス様を目標とすると宣言する。
「はぁ、強い愛情ねぇ……三人一緒に育んでできたものだからなおさらなのかしら。でも二人とも、あなたたちの決断はクリスチャンから望ましいと思われないわ。あなたたちはクリスチャンではないと他人に言われることがあるかもしれない。そういう評判や悪いうわさが流れてもいいのね?」
「ひ、人から悪く思われるのはイヤですけど……でもレンを助けたいです」
「周囲の評判など気にしない。大事なのは私たちが互いに愛し合っていること」
「ふぅ……心配していたとおりの結果になっちゃったねぇ、レベッカさん」
「そうですね……三人が結婚した結果どうなるのかいまだに心配ですが。それよりも三人で結婚する以上教会で結婚式をすることは出来ませんね。カレン様何か良い考えはありますか?」
「レベッカさん、その前にまずレンレンに報告しないと。場所はそうだねぇ……レンレンたちの家ですればいいんじゃないかな。いずれ評判やうわさは流布してしまうだろうけど、なるべく結婚式に人を集めないで、新婚生活ぐらい三人静かに暮らさせてあげればいいんじゃないかな」
「そ、そうですね、まずはレンに報告しないと……できればマリーのときのように祝ってあげたいのですが……クロ、シロ、それでもいい?」
「はい、ファルバがあまり好きじゃなかったので大勢の人たちや豪華な感じはいらないです。ただレンとシロといられれば……」
「同じく。騒がしいのは嫌い。派手なのもあまり好きじゃない。レンとクロがいればそれで充分」
「まったく、二人とも口調とか性格とかいろいろ似てないのに、言ってることは同じなのよねぇ。とにかく、場所と人は決まったわね。後は衣装と料理あたりかしら……料理は多くなくてもいいだろうけど、衣装だけはいいものを用意してあげたいわね。小規模でやるとはいえ結婚式は女性の晴れ舞台だものね」
「なんだいレベッカさん、急にやる気出しちゃって。不安も吹き飛んじゃったかい?」
「い、いやそのカレン様?やはり息子の結婚式ですし、クロとシロも私の娘のような存在ですし……三人で結婚すると決まってしまった以上母親として全力を尽くしているだけです!!もう、カレン様、そういう意地悪なところ良くないと思いますよ?」
「いやいや、僕もそうだけど、不安が解決されて、レベッカさんが以前のように元気になったのが嬉しいだけだよ。っていうか、レンレンが二人の意思をどう受け止めるか確かめないと。断らないとは思うけど」
「そ、そうですね、レンに報告して確認しませんとね……カレン様、ありがとうございました。クロ、シロ、レンのところに戻るわよ」
「いろいろありがとうございましたカレン様。これからもよろしくお願いします」
「いろいろ勉強になった。これからもよろしく」
そういって女性三人は足早に対談所を出て行った。
「あー、やっぱりこういう結果になっちゃうか……神様、願わくば三人の未来が祝福されますように……」
それ以外の結末を、カレンは祈れなかった。
カレンやレベッカたちの心配どおりの結果となった。決してクリスチャンとしてしてはいけないことだし、ほめられたことでもない。しかしクロもシロも幸せそうな顔で対談所を出て行った。三人には明るい未来が待っているのか――。




