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第伍拾参話 調査

野外での不気味な出来事に遭遇した中で圭太の中に様々な疑惑が生まれた。

目の前の望海は何か重要な手がかりを持っているのかもしれない。

しかし、本人でさえも自覚が無い可能性の方が高い。

まずは気になる単語について聞き出す事にしたようだ。


「ねぇ、姉貴。問い詰めるつもりはないんだけど、僕らの目の前に黄色い炎が現れたんだけど何か知らない?どんな些細な事でもいいんだ。そう言う幽霊を見たとか」


すると虚をつかれたのか、目を丸くし。

口をパクパクと動かしながらも言葉を発する事が出来ない彼女の姿があった。

遠くを見つめ、微動だにしないのを見るに過去に何かあったのだろう。


「あ、あの。今は比良坂町にいらっしゃらないんですが。野師屋様が以前、似たような事を言っていまして。私の中に三つの炎があると言われたんです。小さな炎があると」


「それがセカンドに寄生し、今回の事件を引き起こした。だから、これは最初から仕込まれていたと言う事になるな。とは言え、このまま無茶にお前を監禁して身動きを取れなくしても意味はない」


「完全に行動が独立してるからね。姉貴の身動きを封じても意味がない。これからの行動なんだけど、一度家に戻らない?さっき、富士宮さんや斑鳩様に連絡を入れたんだよ。母さん達の事、何か知らないかって」


すると望海は不安気な顔を浮かべながらも、自分の意見を口にした。


「なら、夜に出雲さんに話を聞きに行くのはどうでしょう?父の事も良く知ってるみたいですし。妙案だと思いませんか?」


これからの行動が決まり、三人は一度自宅へ戻る事にした。

死者に関連して仏壇の間を調べて見る事にし、目の前の父親の写真を眺めるが特に物の配置が変わっているようには思えない。

懐中電灯を照射すると不気味な事にそこだけ痕跡が無く、逆に不気味に思えた。

近くの引き出しに何か手がかりが無いか調べていたが、金庫があるだけでそれを開ける事は出来なかった。


「...貴方達、何かをしているの?お供物なら朝した筈だけど」


襖から顔を出す母親の顔を見て、皆動揺しあたふたとしている。


「ちょ、ちょっと探し物をしてて。今夜、出雲さんと会う予定だから。何か話の話題になりそうな物をと思って」


「それなら稽古場にある台本を持って行けばいいでしょう?此処にはあの人の私物以外何も無いわ。失礼の無いようにね」


何とか上手く誤魔化す事は出来たが、謎が謎を呼ぶ展開となってしまった。

あれから家の中も何か手がかりが無いか?と探りを入れたがそれらしき物を見つける事は出来なかった。


「ダメだね。やっぱり、人の噂を頼るしか無いのか。じゃあ、夕食後に吉備の朝日奈家に行こうか?何か助言が得られるかもしれないしね」


その夜、三人の姿は朝日奈家の二階。

出雲の仕事部屋にあった。

事情を説明したものの、彼女は目を合わせず自分の仕事に没頭している。


「なぁ、来たのは良いけどこれで本当に良いのか?話も聞いて無いみたいだし」


「聞いてるわよ。何も言わないだけ、他の人にも母親から直接聞いた方が良いって言われたんでしょう?後は時が過ぎ去るのを待つだけよ」


「そう言わず、私達も歯痒い思いをしているんです。自分の事を知らないなんて可笑しいと思いませんか?嫌なんです、私の知らない所で何かが起きてるのが」


「ふふっ、まるで自分が神様とでも言いたげな口振りね。あり得ないのよ、そんな事。こう言うには色々な因果で繋がっているから貴方達の知らない所で色んな話が飛び交ってるかもしれないわ。それを探せば良いんじゃ無いかしら?」


「じゃあ、他の人にも話を聞けば良いって事ですか?でも、皆さん知らないと...いいえ、その割には皆さん話に付き合ってくださりますね。そう言う小声を集めて繋げると言うことで宜しいでしょうか?」


「えぇ、そう思っていただいて結構よ。まぁ、それがいつ終わるかは私にはわからないから頭の隅にでも入れといて頂戴。私はもう行くわ、じゃあ頑張って頂戴」


出雲から小さな声援を送られ、少しは前に進めただろうか?

この謎は母親から話が聞けるまで、全ての謎が解ける事はやはり無いようだ。

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