表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/54

第肆拾捌話 足跡

「五曜、そっちの方はどうだ?何か見つけたか?」


「いいえ、私と武曲の足跡はあるけど。直ぐに消えちゃうわね。確かにヒールなら丸い小さな足跡が見えると思うけど、そんな靴を履いてたら目立つだろうし歪だと思うわない?まぁ、特殊な目を再現してるから変な模様があってもおかしくないとは思うけど」


真夜中、朝風から懐中電灯を受け取った2人は自分の担当場所である壱区を巡回していた。

照射した壁には指紋が付き、床には足跡が出来る。

しかし、この条件に当てはまるのは必ず念力を持つ物だ。

一般人はあり得ない。


これを知った2人は同業者に当てはまる人物がいないかどうか?頭の中で考えているようだが、何も引っかからないようだ。


「零央にしては小さすぎるしな。本当に妖精や幽霊なんじゃないか?それか赤ん坊じゃないとあり得ないだろ」


「5歳児以下って、自立出来るギリギリの年齢じゃない。悪趣味な事、言わないでよ。あれっ!?今の隼じゃない?どうしてこんな時間に?何か探し物かしら?」


彼女は純粋に今日中にしなければならない用件があったのだろうと思ったが、目を合わせた隼は自分の夜間能力が知られたと思いすぐさまその場から立ち去った。

余りの速さに五曜は驚愕すると共に心霊現象をこの目で見てしまったのではないか?と困惑した。


「どうした、今の時間に隼がいる訳ないだろう?見間違いじゃないか?折角だ、この時間を使って長いトンネルに行かないか?そこを隠れ家にしてる可能性もあるだろう?」


「はぁ!?よりによってなんで丑三つ時にそんな事するのよ。空気読みなさいよ。でも、宇須岸は見終わったし。陸奥に移動した方が良さそうね」


次に二人が訪れたのは比良坂町で一番長いと呼ばれるトンネルだった。

此処に印を持つ運び屋もいるという噂もあるが、その場所に辿り着く事が出来る存在は稀だと言われている。

ツアーとして依頼人達を初嶺が案内していると言われているが真偽は不明である。


五曜は彼の背に隠れるように、トンネルの暗闇に入るが照射し辺りを見渡した途端に違和感と不気味さを覚えた。


「な、なんで天井に足跡が?これよね、斑点みたいな足跡って。正体はコウモリだとでも言いたいの?」


「なら、逆にいいじゃないか?実体が伴っていれば直ぐに捕まえられる。だが、実際はそうじゃないだろう?おっと、こんな所に隠れてるとは思わなかった。隼、隠れてないで出てこいよ。何か探し物でもしてるのか?」


すると、非常口の扉。その向こう側で様子を伺う彼の姿を見て武曲は笑みを浮かべながら手招きする。


「...俺が真夜中に此処に居る事、皆にはバラさないでください。今、ちょっと頼まれごとをしてて。同じ懐中電灯を持ってるって事は目的も一緒だと思うんですけど」


「じゃあ、隼も殿に無理矢理頼まれて此処に来たのね。可哀想に、無茶振りもいい所だわ。明日も早いでしょ?何か報告出来る事だけでも見つけて引き上げましょう」


どうやら二人は隼が夜間に出歩いて居る事に疑問にも思わないようだ。

この流れであれば、堂々と付いて行った方が良いと考え彼は後ろで列を作りながら見守っていた。


「そう言えば、隼は耳が良いのよね?天井なら変な音とかしなかった?誰かの足音とか」


「いいえ、聞いてないですね。そもそも、会場内もそうだし神楽舞の舞台でもそう言う動作音みたいなのは聞こえなかったって望海達が言ってたので。楽器を使ってたら音も紛れると思いますけど。そうでなければ、考えなくて良いと思います」


「実際、聞き分けるのは難しいだろうしな。その中で目印になるのが謎の斑点って事か。とは言え、俺達も目が良いという訳ではないからな。なんの法則性も見出せないまま終わりそうだ」


例の天井にある模様は出口まで続きそうである。

その途方もない距離に五曜は溜息を吐いた。

静寂の中、その声だけが木霊する。


「とりあえず、これを追いかけてみましょう?夜が明けてしまったら隼にその続きを頼めば良いし。このまま、諦めてしまうのも癪に障るじゃない?でも、これ一体どこまで続いて居るのかしら?不気味だわ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ