表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/54

第参拾仇話 開会式

開会式が迫り、聖火を運ぶ為のランナーが島を周回する中。運び屋達は苦労に追われていた。


終わらない途方もない依頼数、それと同時に選手の護衛も任され安全確保に努めていた。

望海に同行していた光莉は過去の事を思い出し疲れた表情をしていた。


「こう言う時ってテロとか誘拐が起こりやすいって有名だしね。セキュリティは万全なんだろうけど、選手達を外に出す時点で危険と隣り合わせだし。実際、人質に取られた事件もあるみたいだよ」


「確かに、身代金の要求とかあってもおかしくないですしね。神楽舞だけでなく会場の警備もさせられるなんて、これじゃあ運び屋じゃなくて万屋(よろずや)じゃないですか」


しかし、これまでの行動や功績から言っても運び屋以上に護衛能力に長けた者達もいないだろう。

異能力者にして、警察が機能しない時代から要人の護衛を行ってきたのも確かだった。

良く言えば、万能。悪く言えば、器用貧乏なのだろう。

そんな中で、無線が入る。相手は青葉からだった。


「此方、青葉。望海ちゃん聞こえる?今、選手団の滞在する宿舎の前にいるんだけど発砲音が聞こえて。要請をお願いしたいの。貴方の能力なら潜入も可能でしょう?」


「テロって事ですか?とりあえず、周囲の安全確保をお願いします。それと旭さん達も同時に呼んでください【毘沙門天】があれば銃撃にも対応が可能なので。ふぅ、忙しくなりそうですね」


「相手の目的はなんだろうね?メリットがあるからそうするんだろうけどさ。とりあえず、現場に行かないと通信先は長倉(ながくらか。浅間か白鷹にお願いするのが一番良いだろうね」


人手が欲しいと、皆をかき集め現場へと向かった望海だが緊張状態が続いていた。

中に馬術競技の選手達がおり、テロリストによって人質になっている様子がメディアに報道されていた。

これに嫌悪感を抱いたのが朱鷺田だった。


「これじゃあ、犯人を刺激してるようなものじゃないか。とりあえず、裏口は見つけてあるから最悪其処から潜入して人質を救出する事は出来るはずだ。ただ、銃を持ってる人数が分からない以上突入は難しいだろうな」


青葉の鶺鴒が周囲を取り囲み、偵察を開始している。

彼女は目を瞑り、自身に伝って来る映像の整理をしているようだ。何かボソボソと呟く声が聞こえる」


「...アサルトライフルと手榴弾かしら?それを、5?いや、8人持ってるわね。ダメだわ、異国の言葉で何を言っているのか分からない」


「意思疎通が出来ないと交渉の術もありませんからね。開会式の隙を付いてこんな事をするなんて。いや、今なら警備が手薄なのを考えての事でしょうね。これで選手が揃わないなんて事になれば大会は中止ですよ」


「既にトッキーの親父さんからはその案が出てるからな。安全が保障されないんじゃ、開催も不可能だし。俺たち運び屋だけじゃない。警察、警備に至るまで人手が足りな過ぎる。史上最悪の大祭になるのは勘弁して欲しいけどな」


「それならそれで仕事がサボれるから良いけどね!まぁ、まずは目の前の事に集中しようよ。そしたら解決案も見えて来ると思うしさ。まずは情報収集をして、状況分析をしないと」


確かに谷川の言う事も最もだと思い、周囲は頷く。

まずは偵察で情報収集をと言いたい所なのだが、逆に鶺鴒がいると発砲音が鳴り止まず相手を威嚇させてしまう。

浅間は【牛蒡種】を提案したがそもそも建物中では瞳を合わせる事も不可能に近い。


やはり、最適解はもう既に出ているようだ。

しかし、望海にも弱点があり。実際に見た人物でなければ変化は難しい。現場に足を運ぶ必要があるのは確かだった。


「...仕方ない。【毘沙門天】を使用するか。さっきも言った通り、この宿舎の裏口から入ることになる。絶対に幕の外から出ないでくれ。出られたら安全の保障は出来ないからな」


朱鷺田の険しい顔を久しぶりに見たなと望海は思いながら、素直に彼らの指示にしたがい侵入を開始する。しかし、無人という訳でなく銃を携帯した黒い覆面の人物が待機しているのが事情だった。


忍び歩きで裏口から離れた隙を見て侵入を試みる。

中からは選手達の悲鳴と鳴き声が響いていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ