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一緒に

明日は切れ目の関係で、朝8時と夜20時の2話公開です

「どうしてタルジュが謝るの?」


 ウリクセス様の話を聞いて、私は落ち着くどころか狼狽していた。

 まさか……まさか私の創作の中のウリクセス様を、このウリクセス様が転生しまくる形で生きてきていたなんて!


 タルジュとの幸せな世界を書いたり描いたりしてきたつもりだった。空想上の世界だけでも二人に幸せになって欲しくて必死だった真白の十年間。それがウリクセス様を数百年も苦しめていただなんて……とりあえず謝ってみたが、これはどう償っていいのか分からない!


「ちょっとタルジュ落ち着いて?何をそんなに狼狽えているの?」


 ウリクセス様は、私のせいでそんな目に遭わされたのよ!と説明すべく、前回ウリクセス様と牢で別れてからの流れを説明する。どうか怒らずに聞いてほしい、そう祈りながら一から十まで説明していく。


「……うん。えーっとつまり、私はタルジュが想像した世界を生きてきたと。私が見てきた魂の違うタルジュは、タルジュが作り出した空想上のタルジュだったと……そういう事だね?そして今生きているこの世界はタルジュが書いた話の中ではないと。」


 十まで説明しなくても六あたりでそう問われる。相変わらず理解が早くて助かる!真っ青になりながら、胸の前で祈るように指を組み合わせコクコクと頷く。


「私の目線で考えると、初めと今が現実で他が物語という事だね。そしてその物語部分に関しては間違いなくタルジュが書いて展開を知っているが、現実部分に関しては展開が読めない、と。読めないけれど今度は皆を助けたかった」


「その通りです……ウリクセス様目線で考えた時の現実に関しては私が作者のはずなのに全く分からなくて。作者として大変お恥ずかしい話なのですけど……」


 こんな分かりにくくややこしい話をすんなりと受け入れてくれるのが有り難い。しかしいくらウリクセス様でも、自分をひたすら苦しめてきた張本人が目の前にいるとなれば怒るだろう!


「あははっ、相変わらずタルジュは面白いことをしてくれるね」


「え?怒らないのですか?」


 絶対怒られると思って身構えていたのに、怒られなかった。何故。


「何を怒るの?……そりゃ、空想上のタルジュにしか会えない生が永久に続くのなら、精神的に辛いけど。また私が愛したタルジュに会えた、それだけでいいよ。むしろ創作の世界で私を幸せにしようなんてよく考えたね、私がタルジュの立場だったら無理だっただろうな……私じゃない私に微笑むタルジュなんて絶対に耐えられない。書いていて発狂する自信があるよ」


 ウリクセス様はそう言いながら笑ってくれていて……安堵感から涙が滲む。


「現実が、展開が読めないのは当たり前の事で、作者なのに分からないと気にしているみたいだけど……むしろそれはちゃんとこの世界の人物としてタルジュが生きている証拠だと思う。私はこの世界の人物として過ごしてきたタルジュを好きになったんだよ。展開なんて知らなくたって、一緒に考えて一緒に悩んで、一緒に幸せになればいい。……タルジュは前より泣き虫になったね?」


「だって……まだ五歳だもん。子供だもん」


 ウリクセス様が、言い訳する私の目尻にそっと口付け、涙を舌で拭い取っていく。


「な!ちょっとウリクセス様!」


「八歳の私から五歳のタルジュに贈る、純粋なキスだよ。変な意味はない。……それとも、散々タルジュじゃないタルジュとさせた、何か別の事でも思い出したのかな?ねぇ、五歳のお子様タルジュ……?」


 ……あ、ごめんなさい。やっぱり少々は根に持っていますね、この笑顔。


「ひぇ……ゴメンなさ……」


「タルジュの書いた物語なのだから、私とああいう風に過ごしたかったという願望の塊のようなものだよね。タルジュが何が好きで、どうして欲しいのか、とてもよく分かったよ。……今回はそれなりの覚悟をしておいてね」


 前よりも余裕感の増した、八歳とは思えない八歳に翻弄されながら……私達は今後どうしていくかを話し合った


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