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第77話:女神の啓示

第2幕開幕です!よろしくお願いします!


【要塞都市エル・ストラード・大宴会場】


「【聖教国・サングリア】だと……? すまんが、俺もそこまであの国に詳しいわけじゃない」


酒杯を傾けながら、ライオが申し訳なさそうに首を振る。


「サングリアは徹底された秘密主義の超大国だ。……だが、俺の配下にサングリア出身の奴が一人生きていてな。明日にでもそいつを引き合わせてやる。話を聞くのはそれからでも遅くはないはずだ」


「……そうか。分かった、助かる」


リンドは短く頷き、激戦の疲労を残す身体を休めるため、一足先に自室のベッドへと横たわった。


【深遠なる精神世界】


『……聞こえますか、【捕食の王】リンド……』


深い闇の底。鈴の鳴るような神秘的な声と共に、溢れんばかりの神聖な光を纏った謎の女神――【クラーシャ】がリンドの眼前に姿を現した。


「ここは....?あんたは……誰だ?」


『私はこの世界の均衡を司る女神、クラーシャ。……時間がありません、リンド。聖教国サングリアの狂信者たちは、神をも殺し、世界の理を書き換えるために暴走を始めています』


女神クラーシャの表情には、悲壮な色が浮かんでいた。


「....どういうことだ?」


『あやつらは神を屠るための力として【深層】の力に着目しました。……あなたと桐原蓮。二人の『深層の王』の死闘すら、サングリアが神殺しの兵器を完成させるための実験データに過ぎなかったのです』


「……俺と桐原が……実験台だと……!?」


リンドの胸の奥で、ドス黒い激情が燃え上がる。

あの命を削るような泥沼の死闘すら、サングリアの狂信者どもにとっては「データの採取」でしかなかったというのか。だがこれで合点がいった。なぜシュウが桐原蓮を生き返らせたのか。なぜ国王の側近のような立場でありながら俺を見逃したのか。あいつは【聖教国】の人間だったわけだ。


『神を殺す試みを阻止し、世界の崩壊を防ぐには……さらなる【深層】の力と【神域】を統合したあなたの力が必要です。どうか……あやつらの野望を打ち砕いてください……』


女神は今にも消えかかりそうな声で語りかけてくる。にわかには信じ難いことだが、その表情は嘘を言っているようには見えなかった。

俺は聞きたいことを聞こうとしたが、俺が口を開く前に女神の体が透け始める。


「おい....!待て.....!?」


『必ずや辿り着いて下さい....この世界の真実に....』







【早朝・要塞都市エル・ストラード外縁】


「……ハッ……!!」


ベッドの上で跳ね起きるように目を覚ますリンド。

全身から溢れ出るのは、抑えきれない怒りと、渇望。


(サングリアの奴ら……俺と桐原を……手の上で踊らせていたのか……ッ!)


怒りでミシミシと拳を握りしめる。

仲間たちに余計な危険を冒させるわけにはいかない。サングリアの狂信者どもを一人残らず喰らい尽くすために、今の自分にはさらに圧倒的な『力』が必要だ。


(あの夢の女神が本当の事を言ってる確証は無い....。だが桐原やアダムスの発言とも重なる。ならば俺のやることは.....。まだ【捕食】していないダンジョンボスがウルド近辺に眠っているはずだ……。【ランカーズ】に会うかもしれないが....そいつらを全て喰らい尽くし、さらに進化を果たす……!)


リンドは眠りにつくアイリスや仲間たちを起こさぬよう、静かに置手紙を残すと、ただ一人で未知の凶悪なボスが潜む深層ダンジョンへと姿を消した――。

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