↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/122

第75話:断罪の雨と残された道


ドズゥゥゥゥォォォォォンッ―――――……!!!!


神の怒りの如き光と闇の槍が、天地を幾重にも貫き通す。

大平原を覆い尽くしていた深層化魔物の軍勢も、アダムスが呼び出した10体のボス魔物も、叫び声を上げる隙すら与えられず、一瞬で分子レベルで砕け散り消滅した。


世界が激しい光と闇の渦から解放され、静寂が訪れる。


煙立つ大地の真ん中に立つリンド。

【混沌の王】の姿が静かに解け、純白と漆黒のオーラが体内に収束していく。


その視線の先――下半身を止められ、全身に幾本もの光槍を打ち込まれた桐原蓮が、血の海の中で倒れていた。


「...ハ...ハハ....そうか....これが彼の言ってた...。」


胸を大きく波打たせ、桐原が自嘲気味に笑う。

【超深層】の驚異的な再生力すら、【グングニル・カオス】の概念破壊の前には一切機能していなかった。


「僕が目指した『真の王』は……最初から君だったというわけだ……」


「……桐原。教えろ。何故蘇った?どうしてシュウと行動していた?」


「フフ……ああ。彼が...シュウが魂を現世に呼び戻してくれたのさ。「君はまだ死んではいけない、まだできることがあるだろう」ってさ。」


「....そうか。あいつの目的は一体何なんだ....?」


「リンド、それはね....。」


桐原はシュウの本当の目的を話し始めようとした。その時だった。


ザシュッッッッ!!


どこからか黄金の剣が飛んできて、桐原を正確に突き刺した。


「!?な....なんだ!?おい!!桐原!!」


「口封じか....リンド、シュウに....【聖教国・サングリア】には気を付けるんだ....」


そう言い残して桐原は完全に動かなくなった。


(なんだ....【聖教国】?どういうことだ....?これで終わったんじゃないのか...?)


俺は桐原の体を捕食する。


『【超深層】の【捕食】を感知--。スキル進化条件を達成、【捕食の王】となります。以降捕食した魔物のスキルを増幅した状態で手に入れられる他、【神域種】の魔物のスキルも問題なく得られるようになりました。』


脳内に響き渡る意味不明のアナウンス。聞きなれない言葉の応酬に困惑する。まだ得体の知れない何かがあるのか。戦いの疲労で思考が追い付かず、一旦保留しその場を飛び立つ。


そして――。


「....言い残すことはあるか、アダムス。」


「ひ、ひぃぃぃっ……!待ってくれ...!この国は操られておる!【聖教国】...あやつらが真の黒幕じゃ!!わしは教皇様にバレぬように【深層】の力を増幅させる実験を市とったのだ!!」


崩れ落ちた岩陰で、槍の余波を受けて片腕を失い、惨めに這い回る男――国王アダムス・ユングベリ。


リンドは静かに歩み寄り、冷徹な瞳で見下ろした。


「どういうことだ。お前は【深層】の力で世界を統治するのが目的じゃないのか。」


「それは表向きの話じゃ....!!本当に世界を支配しているのは【聖教国・サングリア】...転生者を世界に呼び込み、【神域】の力を利用して神殺しを計画しているのだ!!!」


そういうことか。【神域】の力、そしてそれに唯一対抗できる【深層】の力。聖教国の野望を超えようとしていたのか。


「その話はわかった。だが……俺の仲間達が受けた痛み、カガヤの命、エノキダの母の無念、そして踏みにじってきた全ての民の報いを受けろ。」


「や、やめろ……頼む、やめてくれぇぇぇッ――!!」


ヒュンッ。


【流星龍の煌帝剣】が一閃。

哀れな悲鳴は途切れ、ウルド王国を闇で支配し続けた惨めな王の首が、大地へと転がり落ちた。


「.....終わったな。.....はっ、今まで食ってきた中で群を抜いて不味いな。」


転がった首を【捕食】し、あまりの不味さについ笑ってしまう。


「リンドーーーッ!!」


遠方から駆け寄ってくるアイリス、ダイダラ、エルニャ、そしてライオたちレアリア軍。


「ご無事でしたか、リンド様!!」


「ん……勝った……!」


ボロボロになりながらも、笑顔で駆け寄る仲間たち。

リンドは静かに剣を納め、遥か遠く――どこかへ姿を消した黒幕・シュウの去った空を見上げた。


「……ああ。俺達の...勝ち....だ....」


「リンド...?リンドォォォォォォ!!」


気を失い倒れるリンドをアイリスが急いで抱く。


「....安心しろ、激闘の疲労で気を失ってるだけだ。死んじゃいねぇよ。」


後ろからライオが声をかける。


「....その英雄を担いで帰るぞ。前代未聞の宴の準備だ....!!」


「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」


その場にいた全員で、勝利を雄たけびを上げる。こうしてウルドを中心とした闇は消え去ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。