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第70話:絶望の応酬と獣の咆哮


ズガガガガガガガッ――――ッ!!


大平原の空中で激突する、二振りの【冥王の凶剣】。

黒銀の刃が交差するたび、空間が悲息を上げ、生じた余波だけで地表の岩盤が幾層も削り飛んでいく。


「アハハハハッ! いいぞ、いいぞ山城ッ! 過去の遺物(バンド)のチートまで喰らい尽くして己の血肉にしていたかッ!!」


桐原蓮が歓喜の叫びを上げながら、背の異形触手を一斉に解き放つ。

音速を超えて襲いかかる無数の触手。しかし、2Mを超える【暴力の化身】と化したリンドの巨躯は、そのすべてを肉体そのもので受け止め、強引に引きちぎった!


ブチブチブチッ――――ッ!!


「ぐっ……!? 触手を……素手で千切り取っただと……!?」


「ガアァァァァァッ!!」


獣の咆哮。

【深層化】と【獣王モード】の二重負荷に肉体が悲鳴を上げるのを無視し、リンドは至近距離から桐原の顔面へと重厚な拳を叩き込む!


ドゴォォォォォンッ!!


「ガハッ……! 全ての理を力任せに押し潰すだけの……『暴力』かッ!!」


鮮血を撒き散らしながら大平原を吹き飛ぶ桐原。だが、着地と同時に彼の傷口は【超深層領域】の驚異的な再生力によって一瞬で塞がっていく。


「だが、甘いよリンドッ!! 【超深層・空間崩壊(ディープ・エンド)】――ッ!!」


桐原が不敵に笑い、背後に展開された極大魔導陣から紫黒の破壊光線を解き放つ。

リンドはすかさず【クロノス】を起動し、コンマ数秒の停止時間の中で光線をすれすれで回避、そのまま桐原の懐へと肉薄した。


「【獣王一閃・神威断ち】――ッ!!」


ズザザザザザザザザッ――――――――ッ!!!!


時が動き出した瞬間、リンドの解き放った黒炎の断空波が桐原の胸元を深く切り裂く。

しかし――桐原は吐血しながらも狂気的な笑みを崩さず、その切り裂かれた胸元から直接伸ばした「超深層の魔力爪」でリンドの肩を深く抉り返した!


「ぐあっ……! 傷を深手と知りながら、相打ちを狙ってきただと……!?」


「ハハハッ!こんなにも渡り合えるなんてさすがだ!だが僕の再生速度なら、この程度の傷は数秒で埋まる! 互角の殴り合いなら、最後には僕が勝つッ!!」


互いに血を撒き散らし、傷を負いながらも即座に体勢を立て直し、再び激しく刃を交え直す二人。

【暴力の化身】と【超深層の魔王】。拮抗する二つの絶大な圧力が大平原を揺らし続ける中、その死闘を離れた高台から見下ろす影があった。


「アハハハハ!素晴らしい、素晴らしいよ……! お互いの【深層】が激しく削り合い、高め合っている……さぁ、どっちが【王様】にふさわしいのか...この目に見せてくれ!」


戦況が完璧な互角で推移する様を見つめ、シュウが満足そうに笑う。


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