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第69話:破滅の王と神威の開花


「ライオたち……来てくれたのか...!」


俺は戦場に現れた男たちを見て声を漏らす。レアリア軍の怒涛の進撃により、後方の魔物群が一気に押し戻される。アイリスは安堵の息を漏らし、再び前方の戦場へ意識を向けた。


「みんな! 後方はライオたちに任せて、私たちはアダムスとシュウの動きを警戒するよ!」


「おうよッ! リンド様に余計な邪魔は入れさせん!!」


援軍の登場で勢いづく仲間たち。だが、大戦場の中心に立つ桐原蓮は、群がる軍勢など一瞥もせず、嘲笑を浮かべていた。


「 雑魚が何人集まろうと、僕と君の差は埋まらない!! 【超深層】の真髄を見ろッ!!」


ドゴォォォォォンッ!!


桐原の体から解き放たれた紫黒の衝撃波が、一瞬で周囲の死霊兵団を破砕し、大地を激しく爆砕する。

時間を止め、空間を抉るリンドの猛攻すら、桐原の【超深層領域】がもたらす無効化と超回復の前に届かない。


「くっ……!俺の持つスキルが全て領域で相殺されるだと……!?」


膝をつき、血を吐き捨てるリンド。

シュウの【神域】を組み込んで完成された桐原の【超深層化】は、まさにこの世界のあらゆる理を拒絶する完璧な「魔王」の肉体だった。


「どうした【偽りの王】!!この程度か!その程度じゃこれで終わりだよ、リンド! 君のすべてを僕の糧としてやるッ!」


桐原の背から伸びた巨大な異形の爪が、リンドの胸元を穿つべく音速を超えて振り下ろされる――!


(……ダメだ。既存のスキルを個別に叩きつけるだけじゃ、今のコイツの領域は破れない……ならば!)


「....【深層化】!!!!」


俺は奥義を発動する。この男から引き継いだ最強形態へと至るスキルだ。今は消耗とか、そういうことを考えている暇はない。俺はさらにスキルを発動させる。


「【獣王モード】、同時発動....!!」


俺の体はさらに一回り大きく、赤く脈打つ紋様がはち切れんばかりの筋肉量へと変化していく。


「僕の【深層化】....なるほど、君は倒した物のスキルを何らかの方法で使えるんだね、いいスキルだ....でもね!!その程度の能力じゃ僕には届かない!!!」


何千倍以上も能力が上がったリンドを見て、一瞬身構える桐原。しかし構える前に俺の拳が桐原を捉える。


「....!?は、速....!?」


ドォォォォォォォォォォン!!!


桐原は拳を受け止めきれず、地面に思い切り叩き落された。地面は割れ、大陸を揺るがすほどの衝撃が戦場に響く。


「な.....なんだこの衝撃は...!?」


ライオが声を上げる。


「....!?上だ!!あれは....リンド....なのか!?」


上を見たサウスが驚愕する。そこにいるのは全身を漆黒の毛で覆った、裕に2Mを超える巨体の怪物。【深層の王】の力と【獣の王】の力を宿したリンドの姿だった。


「すごい...!!本来は絶対に共存できないはずのスキルを無理やり兼ねることでなれる姿....!!醜くも美しい、これぞ本当の【暴力の化身】ッ!!アハハハハハ!!」


その姿を見たシュウがおもちゃを見つめる赤子が如く目を輝かせ、不気味に笑う。


「.....戻って来いよ桐原。まだ終わってないだろう?」


俺はドスの効いた声で抉れた地面を見つめる。


シュパァァァン!!


突如背後からの気配。後ろにいたのは【冥王の凶剣】を手に襲い掛かる桐原。俺は亜空間から同じ剣を取り出し、攻撃をいなす。


「いい一撃だったと思ったんだけどな。ほとんどノーダメージか。」


「....いいね、最後の敵にピッタリだ!!」


それでもなお笑っている桐原。第二ラウンドの幕が開ける。

この巨体に変化する展開が好きです

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