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第68話:神域の激突と駆けつける刃


ドォォォォォォォォンッ!!!!


無数の魔物と死霊兵団が殺し合う大戦争の真ん中。

リンドの黒き爪と、桐原蓮の手から放たれた紫黒の魔導障壁が真っ向から衝突し、周囲の空間そのものを歪めるほどの衝撃波が吹き荒れた。


「無駄だよリンド。僕のスキルは更なる進化を遂げて【超深層化】となった。君とはスキルの強さも、肉体の強度もレベルが違うんだよ....!!」


「くっ……! 【超深層化】だと....!!、確かに以前のアルス=ノヴァの時とは桁違いの出力か……ッ!」


「ふふ、驚いたかい? さらにこの体は【深層】とシュウの【神域】の力によって再構築された完全体だ。君の攻撃は、今の僕には通用しない!」


桐原蓮が笑みを浮かべ、背中から生えた異形の触手を高速で突き繰り出す。

その一撃一撃が地表を抉り、山をも砕くほどの絶対的な破壊力を秘めていた。


「ハァァァァッ!!」


リンドは【神域】と【クロノス】を即座に同調。

局所的な時間停止を駆使して超高速の触手をかいくぐり、桐原の懐へと肉薄する!


(速い……! だが、攻撃の起点さえ見えれば……ッ!)


「無駄だよ、山城!」


ズザッ――――ッ!!


「ぐはっ...!?」


不意にリンドの脇腹が切り裂かれ、鮮血が舞う。

時間停止の領域内であるはずの空間に、桐原の魔力が直接『侵入』してきていたのだ。


「言ったはずだ、僕も『深層の王』だとね。時間の干渉ごとき、僕の【超深層領域】の中では意味をなさない!」


「ちっ……! 時間停止すら相殺してくるか……ッ!」


リンドと桐原、二人の王が激しい超次元の攻防を繰り広げる中、平原の端で激闘を続けていたアイリス、ダイダラ、エルニャの周囲に、徐々に深層魔物の波が押し寄せていた。


「くっ……! 死霊の軍勢がいるとはいえ、魔物の数が多すぎる……! このままじゃジリ貧だ……!」


アイリスが息を乱しながら氷魔法を打ち出すが、次から次へと湧き出る魔物の前に関鎖を強いられる。


その時――。


「オラァァァァァッ!! 邪魔だどけぇぇぇぇッ!!」


ズドォォォォォォォンッ!!


平原の側方から、巨大な斧の一撃が横合いの魔物群を数十頭ごと吹き飛ばした!


「な……なに!?」


「国を賭けた戦いに俺達を呼ばないなんてのは無しだろリンドォォォ!!俺達にも命、懸けさせろやぁぁぁ!!」


煙の中から現れたのは、不敵な笑みを浮かべるサウス、そして大剣を構えたシュミット、扇を優雅に開くカレン、魔法使いナハム。

さらにその中央で、漆黒のマントを豪快に羽ばたかせる男――ライオの姿があった。


「レアリアの冒険者ども、一匹残らず叩き潰せ! 生き残った奴には望み通りの報奨金を出してやるッ!!」


『オォォォォォォォォォッ!!』


ライオの号令と共に、レアリアから駆けつけた大勢の猛者たちが、深層魔物の側撃へと雪崩れ込んでいく。


「ライオ……みんな!? なんで……!?」


驚愕するアイリスへ、ライオは不機嫌そうに鼻を鳴らし、前方のリンドと桐原の死闘を見据えた。


「勘違いするな。アダムスにツケを払わせに来ただけだ。……お前達ィ!!一匹でも多く潰せ!!ボーナスくれてやるよ!!!」


「「「「「おおおおお!!!!」」」」」


かつて道を分かった男・ライオ率いるレアリア軍の乱入により、大平原の戦局が大きく動き始める――!

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