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第111話:虹色の観測者と真なる最終決戦


【約束の泉・神殿最深部】


「あいつ……女神を喰らいやがったのか……!?」


神殿全体を揺るがす圧倒的な歪んだ威圧感に、ライオが大剣を握り締めながら歯を食いしばる。

女神を取り込み、虹色の魔法陣を目に宿したシュウの全身から放たれる魔力は、もはや世界の理そのものを書き換えてしまうほどの密度を誇っていた。


「ハハハッ! 女神サマは世界を維持するための『システム』に過ぎなかったのさ! でもこれで僕と女神サマは一つ……! この世界の全ての法則をねじ曲げる『絶対的な悪』の完成だッ!!」


シュウが異形の水晶腕を天空へと掲げる。

その瞬間、神殿の天井が激しく砕け散り、サングリアでリンドが喰らったはずの【神壊の触手】や、無数の天害級スキルの概念が虹色の極光となって全方位から降り注いだ!


「全員下がってろ! こいつの魔力は桁が違う……ッ!!」


リンドは【捕食】した天害級スキル【吸収】の概念を全開に叩きつけ、仲間たちの頭上へ巨大な深層の防壁を展開する。

虹色の極光と黒金の防壁が激しく衝突し、神殿の太い柱が何本も一瞬で粉微塵に吹き飛んだ!


「アイリス! 仲間たちを連れて後方から魔法で援護しろ! シュウの相手は……俺が直接やるッ!!」


「リンド……! 待ちなさい、あいつの目は『世界そのもの』を観測して攻撃を書き換えているわ! 単発の突撃じゃ――」


「観測されようが、書き換えられようが……それを上回る『速度と暴力』でブチ抜くだけだァァァッ!!」


音速を超越する【深層加速】。

爆音とともに床を粉砕したリンドが、疾風のごとき踏み込みでシュウの至近距離へと肉薄する。


「【神深眼】....【星砕き】――――ッ!!」


黒金のオーラを纏った剣が、毎秒数百回におよぶ連続突刺となってシュウの肉体を刻まんと迫る。

だが――シュウの右目に宿る虹色の魔法陣が、怪しく不気味に回転した。


『【観測改変】――未来確定。』


ピシィィィィィンッ―――――ッ!!


「……なにっ!?」


リンドの剣がシュウの皮膚に届く直前、まるで空間そのものが「書き換えられた」かのように、リンドの攻撃が全て虚空を穿ち、不自然に逸らされた。

シュウの観測スキルは、女神を取り込んだことで「相手の攻撃が外れる未来」を確定させる神域の概念改変へと進化していたのだ!


「アハハハッ! 無駄だよ山城クン! 君がどれだけ速く、強く叩き込もうと、僕のこの【森羅万象眼】で『当たらない未来』を観測し続ければ君の攻撃は未来永劫届かないッ!!」


ドガンッ―――――ッ!!


シュウの水晶腕から放たれた虹色の衝撃波が、隙だらけになったリンドの胸部を正面から穿つ!

衝撃で吹き飛ばされ、神殿の壁を何重にも突き破りながら叩きつけられるリンド。


「ぐはっ……ガハッ……! 攻撃が……逸らされるだと……!?」


「リンドッ!!」


倒れ込むリンドの前にアイリスが飛び出し、両手を掲げて高密度な全属性魔法陣を三重に展開する。


「未来を確定させるなら……未来ごと焼き尽くすまでよッ!! 【擬似深層・全概念焼却】――――ッ!!」


「いいねぇアイリスちゃん! 君たちのその絶望に抗う姿……最高に輝いているよッ!!」


絶望的な神の理を手に入れたシュウと、それに対峙するリンドとアイリス。

世界の運命を賭けた、本当の最終決戦が今、激化していく。

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