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第98話:神深眼の覚醒と次元破砕


【サングリア領内・大聖堂最深部『神域』】


ズガァァァァァァァンッ―――――ッ!!


黒と金の魔法陣が二重に重なる眼――【神深眼】を開眼させたリンドの拳が、教皇(シアン)の展開する神の障壁を真っ向から打ち砕く!

【神域】の空間そのものが歪み、大聖堂の天井が漆黒の亀裂とともに崩落していく。


『……素晴らしい力だ、まさか【神域】の理を取り込み、眼の能力をそこまで進化させるとは。』


教皇シアンの背後に無数の『神光の槍』が出現し、超音速を越える密度でリンドへ放たれる。

だが、リンドの瞳に宿る【神深眼】が微かに光を増した瞬間、万の槍の軌道、構造、そして「消滅させるための絶対の死線」が完全に見通された。


「言ったはずだ……『全て視える』とな」


スパッ――――ッ!!


リンドが指を一度振るうだけで、降り注ぐすべての神光の槍が空中ですれ違いざまに霧散する。

【深眼】の概念破壊と【神域】の絶対権限が融合した【神深眼】の前では、神の攻撃すら単なる「崩壊すべき現象」に過ぎない。


「あはっ……! あははははッ!! これは凄い、凄いよ山城クン! 僕の想定した『混沌の王』を遥かに超えている! 素晴らしい、実に素晴らしいよッ!!」


片腕を失い、血を撒き散らしながらも興奮で体を震わせるシュウ。

リンドは一瞬でシアンの懐へと潜り込み、その胸元――【第三の神眼】へと黒金に輝く手刀を突き刺す。


『そこを狙うか。想定内。』


「シアン……お前が俺たちを嵌め、傀儡にして弄んだ罪……その命で償え!」


ゴオオオオオオオオオッ―――――ッ!!


【神深眼】から放たれる暗黒と神光の顎が、教皇の神体ごとシアンの肉体を喰らい尽くそうと暴動を起こす。

しかしその攻撃は届かず、シアンは俺の背後に移動する。さらにそれを読んでいた俺はすぐに後ろに向かって亜空間から取り出した剣を振るう。

それを間一髪シールドで防いだシアンが今度は槍を射出する。【深層】の世界で相殺するとそこでできた死角からシアンの蹴りが炸裂する。まともに食らったが、同時に俺が召喚した混沌の槍がシアンの背中を突き刺す。


「ガハッ.....!!」


『.....グッ.....!!』


痛み分け、呼吸をする余裕もない一挙手一投足の戦いはさらに加速していく。


シアンが【神域】を展開する、それに合わせてこちらも【深層】の世界を展開。世界は光と闇で相殺され、世界が歪む。シアンの槍と俺の槍がガキンッと音を立ててぶつかり合う。


(こいつ.....【捕食】無しでこんな量のスキルを.....なんだ?これも転生者を実験した成果なのか....?)


俺は頭の中に疑問が生まれる。それを察知したようにシアンが一瞬ニヤリと笑う。


『私のスキルを知りたいのか?.....いいだろう、私の過去を知ると良い。』


シアンは俺に向かって雲のような魔力の玉を投げつけた。手で振り払おうとするとその玉は破裂し、俺を覆った。


「....!?な、なんだこれ.....!?」


眼を開けると、とある人間の映像が浮かび上がってきた。





現世の西暦で2014年、日本で一人の少年が亡くなった。


死因は交通事故。飲酒による危険運転。即死だった。


少年が次に目を開けると、そこは自分の住んでいた場所とは全く違う家、全く違う親、生活。そして自分の容姿。



「いい子ねシアン、ここが今日から私達の家よ。」



母親と思われる人物に抱かれ、この世界を見た。


少年は性別を変え転生した。シアン・リュウガサキ。父親が転生者で、自分自身も転生者という非常に稀で、特殊な生まれだった。


15になった時、彼女はスキルを得た。そのスキルは-------。




「.....!?そんな...このスキルは....!?」


『私と貴方はこうなる運命だった。スキルが物語っている。』


彼女の得たスキルは【吸収】。俺と同じく、他者からスキルを得る”天害級”のスキルだった。

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