表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
寝取られジョーンのヒモ生活  作者: 無夜
ジョーンは王侯貴族の夫である 下
PR
58/59

 領地内 戦争中



 シルヴァーは殴る方(肉弾戦)の銀の狼に転換していた。魔法も使えるが、カイγーンの通貨を魔力過多になるまで食して、食して、塗り変わった。

 前方に出た、公爵の母(色欲の子爵)を体当たり(頭突き)して押し倒し、でかい前脚でばしっとはたく。

「いたっ」

 ばしっ。

「ちょ」

 隣では金の虎ボルタが大孔雀(人型)を押さえ込んでいた。ボルタの場合、全身が魔法解除特性なので、魔法特化な大孔雀を腹の下に敷き込めば勝ちである。重量があるので、死にはしないが抜け出せない。

 暴れてはいるが、ボルタはたまに鼻がむずっとしてくしゃみをしながら、目を閉じたり開けたりして、周囲をみた。

 敵味方全員、くしゃみしたり、泣いたりしながら、掴み合って殴り合う。涙で遠くが見えないし、目を開けるのが辛いから。ひっつくほどの近接戦だと、武器は邪魔になる。ナイフならともかく、短刀・短剣・短槍は、そこそこ長い。

 泥沼混戦である。

 さらには、ラッパ花の花粉が刺すように痛い上に、毒蛾が上空を舞い飛んで、麻痺の粉を撒いていく。そして、仕事は終わった、と去っていった。

 毛の上はいいけれど、皮膚に触れるとぴりぴりする、だけですむのは毒の森生まれ育ちだからで、安全な土地で生まれ育った連中はしびれ始めていた。

 リュカが一度、駝鳥と共に離脱していたが、帰ってきた。

 一番槍特攻したあと、機動力があるので伝令+遊撃もやるのだ。

 本隊がカイγーンたち、左翼が鹿、右翼オオアリクイで、出入り口にモグラが配置されているので、一応連携がいる。

 遊撃といっても、リュカの真上を飛翔できる鳥の悪魔達がついていき、リュカが攻撃したところに、追撃する感じである。

 鳥たちは敵陣に錐揉み落下していき、人型になると長剣をぐるんっと振り回して無差別に斬りつけ、即離脱(刃物をしまって鳥化)する。この場合、服を着るとかせずに。

混戦の中にはいると、みんな目が痛くて見えないので、このやり方が安全である。

 公爵の兵は肉体が頑強なので、刃物がぶつかっても、なかなか死なない。でも消耗はする。


 公爵の兄弟である色欲の伯爵は花粉爆弾投下直後に、これはまずいなと、退路の確保をしようと下がっていた。

 谷、のようなところに掛けた橋(丸太)がなくなっていた。

 こんなこともあろうかと、収納アイテムに橋に出来そうな丸太は入れてあった。

 格好良い終わりにならなさそうなので、仕切直したほうがいいだろうと、彼は思った。

 そして、自分を守る部下が、悲鳴を上げたので前線を振り返る。

 リュカと駝鳥含む邀撃隊がなんでかこっちに来ていた。

 みんなが視力がまともでないので、一番槍っと特攻きめたあと、そのまま陣を突き抜けてきたわけだ。

「ああ、くそ」

 と、リュカに向き直った伯爵は直後に、背後から副支配人のモグラに麻痺毒を浴びせられ、マットな黒布にくるんとまかれ、谷の底に引きずり込まれていった。


リュカ「よしっ。目的の色欲、ゲット」

モグラ「背後もちゃんと気を配ろうねー。あ、リュカと遊撃のみんな、陣貫通してきて消耗しただろうから、蜜酒飲んで少し休んでけよー」

 退路確保に来た部隊はみんな谷底の檻に収められていった。

モグラ「あの檻ってどんだけ持つの?」

リュカ「ほっといたら十日、魔力継ぎ足して使うと三ヶ月。百日いくらしいけれど、安全考えて九十日を目安にって旦那様が」

 と、雑談して、二十分休んで、リュカは戻ったわけだ。



 ボルタとシルヴァーが№2であろう、公爵の親二人を押さえた。

 これによって、公爵が倒れて、指揮権を即継ぐものは消えた。

 子爵同士のボーナスによる子は四人。公爵・伯爵各一人、憤怒の熊はこの時、ティリクムと出会う前だが、離れているので指揮権は継げない。

 あと一人は、勝ってしまったときに、戻る領地が襲われているとまずいので、留守番しているようにと言われしぶしぶ領地に残した。親兄弟心、というべきか。

 娘(姉妹)、だったからだ。

 そんなことは、カイγーン勢は知らないが、目星をつけた連中は刈り取った。


 そしてカイγーンは眷属達が開いた道を駆け抜け、塞がってきた連中は跳ねとばし、最奥で立っているラオグラフィアの喉に食いついた。


 爵位杖の与える思考の濁りの中にずいぶん長くあったラオグラフィアは痛烈な痛みに、覚醒した。

 日常生活はなんとか送れたが、常に重たく厚いヴェール越しに世界が見えていた気がする。

 それなりに強者で知者な親の元に生まれ、自身も強者となったラオグラフィアにはここまでの痛みは初めてだった。


 喉に食いつき、うなり声を上げる大きな黒豹。まるで、奈落の底から這い出た影、死そのもの。

 だがそれは、さっきまでラオグラフィアを満たしていた諦観を吹き飛ばした。


 死にたくない


 それは本能。

 杖の呪縛を引きちぎるほどの。


 ラオグラフィアは呻き、喉を押さえられても絶叫した。

 自分が頼りにしていた魔法は使えない。

 ここで通用するのは、純粋な体力・腕力・脚力のみ。


 それはラオグラフィアにとって、およそ500年ぶりの、獣性化。


 巨大な平たい枝分かれした角は、さらに大きくなり、黄金に近い褐色の長毛に覆われた巨躯。

 1.6トンのヘラジカである。



 そして彼はカイγーンに喉に食いつかれたまま、はね回った。この死を振り落とすために。



無夜「普通のヘラジカの体重は800㎏ぐらい。1トンもあるらしいけれど。さすが森の王」

ミソサザイ「呼んだ?」

無夜「森の王で鳥の王で、特攻隊長の君は呼んでない。昔話へお帰り(森の王いっぱいいるっ)」

私「なんか、混線した? ラオグラフィアは1.6トン。普通自動車っていうか、ミニバンとかの重さ・・・に、食いついているカイγーン780㎏、がはね回る。踏まれたら死ねるね、悪魔でも」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ