爵位杖というシステム
爵位杖。
それは、667の地位を確約する杖。
原始的な意志を持つ。
悪魔が爵位に対して魔力量や精神力が負けたときには、ハリガネムシに寄生されたカマキリのように、捕食者の居る水辺ならぬ強者の顎に身を躍らせることになる。
下位で自分より強い悪魔へ杖を譲渡するために、襲いかかる。
ヘラジカの公爵、傲慢なるラオグラフィアは、爵位に対して力量が足りず、知能が低下していた。
そして、なけなしの理性で、こう思った。
「私が私であるうちに、みっともないマネはせずに、散るっ」
自分の意志のように感じているが、がっつりと公爵杖に誘導されている。
母槐が高魔力悪魔を子爵杖以上持ちから検索できるのと同じく、杖は下位で自分の宿主より強い悪魔を探すことが出来る。
弱肉強食。より強い悪魔を生み出すための、ろくでもなきシステム。
というわけで、ざっくりと彼は領地ごと、転移してきた。
毒森の北の方へ。
ついてきたくない、という悪魔は元の辺りに、連結していた伯爵に領地を分離させて、そちらにいかせた。
侯爵時に9000人居た領民は、公爵になってから伸びず、分離した結果、いまや1200人程度。
公爵の親は二人とも存命で、どちらも色欲の子爵である。同爵位ボーナス(子爵同士だと、4人生まれる。+1になるということ。あと、子も優秀者が出やすい)と、色欲の特典で生まれたのが、ラオグラフィアであった。
自分の親兄弟が自決特攻に付き合ってくれるといい、ラオグラフィアは泣いた。
まあだいたいが、長く生きて爵位が重荷になってきた連中と、子を産み終えて最後のご奉仕な年寄りな平悪魔たちが残った。
カイγーンはそんなのを知ったら「迷惑だよ。うちの領地は自殺の名所の崖じゃないんだからっ」と、怒りそうだ。
私「魔王初登場の時に、一緒にいたヘラジカさんが、こんなところに」
無夜「あのとき、すでに知能低下して書類仕事が四苦八苦してましたからね。それでも魔王が側で仕事させていたのは、報酬で白金貨渡すため。上位貨幣を食べれば、魔力が上がる・・・はずなんですが、傲慢な彼は限界値に達していたので、ままならず・・・。角が左右非対称なので、魔力の管理が下手。これが上手くいけば、公爵のままでもいられたんですが」
私「爵位以上の魔力があっても、知能低下したりするし。足踏みさせないシステム」
無夜「領地の住民?が兎一匹なザητΦァーに高位へ陞爵の野心はまったくなかったけれど、魔王なのはそういうことです。このシステムは強者が辺境でスローライフなんてのは許さない」
私「杖、えぐい」




