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◇好奇心は道を開くか

 

 

 

超お待たせ致しましたー…申し訳なし!

 

ちょこっと戦闘シーン入りますが、残酷表現には程遠いのであえて警告入れません。

むしろ、今回の主人公は裏方…。

 

 

 


 

 

 

「……マジかよ」

「2上がってるとか……」

「私は1ですけど、でも……」

「まぁ、大体予想通りかな」

 あの方法はかなり有効だったようで、レイス討伐の参加確認でギルドに寄った時に確認したら三人とも見事にレベルアップしてましたよ!レベルアップおめでとう、やったね!

 まあ、ゼンとカリナが+2、ロズが+1という具合だから私的に上昇度に不満はあるものの…結果は出たから、とりあえず今回はこれで良しと言うことで。

「今回の件が一段落付いたら、また訓練する?」

「嫌!」

「流石に……」

「勘弁してくれよぉ」

 全員が拒否とか酷くない?

「私は参加したいですっ!」

 まぁ、不参加で一人だけレベルの上がらなかったからね、フィーリーは。

「フィーリーは却下だ!下手に怪我しようものなら、俺がフィーリーの親父さんに殺されるっ…!」

「ヒーラーなのに、少しの怪我くらい自分で治せますっ!」

 フィーリーのブーイングにそれでも「却下!」の一点張りのゼン…って言うかフィーリーのお父さんとやらってどんだけ過保護よ…。

 

「とにかく…ん?んんー?…ひょっとして、リーンなら…むしろ問題無い、か?良く考えれば、実力は確実にあの親父さん以上…婿的にこれ以上の好条件は……」

「……ゼンー?何か言ったー?」

「ぅおっ!笑顔怖えぇ!」

 …ゼン、何勝手に婿フラグ立てようとしてくれちゃってるの?

 ブツブツ言ってるの丸聞こえだから!!

 まぁ、つまり、フィーリーに何かあればそのお父さんとやらが「娘を傷物にした責任を取れ!」と来るワケね?…オーケー、フィーリーの父親は親馬鹿過保護と理解しました…!

 理解したからには今後フラグなぞ立てないからねっ!むしろへし折るから、バッキバキにね!絶対!

「まぁ、大丈夫。フィーリーの場合はどっちにしろ攻撃の範囲外で色々とやって貰うから」

「はいっ!頑張ります!」

 だってヒーラーって前線向きじゃないし、経験稼ぎは魔力回復薬でドーピングしながら回復魔法撃ちまくりがセオリーでしょ。

「うぉい!まさか、二回目確定なのかぁ!?」

 確定ですよー。

 …あ、因みに回復役が居るから攻撃厳しくする予定だよ!頑張ってね!

 

 

 

「あ、ガレンさんににゃんこちゃん。身体の具合はもう良いの?」

「ああ、情け無い所を見せたからな…汚名返上だ」

「ちゃん付けるな!にゃんこ言うなー!!」

 揃って集合場所の墓地前に行けば、既に集まり始めている参加者の中に目立つアニマルヘッドの二人が。

「いいじゃないの、親愛の情の表れなのにー」

「良くないっ!あっ、まさか名前忘れたとか言わないよな!?」

「ふふふ、ノールさんだよね」

 ホント、突っつきがいのあるにゃんこだわ…可愛い反応するのよね。

 先日酒場にて鉢合わせ歳を聞き、これは同年代の弟を持つお姉さまとして可愛がってあげねばと内心でロックオン。この可愛い可愛い生意気にゃんこめ…いつかモフる、絶対モフる。

「まあ、冗談はさておき…二人ともレイス斬れる?」

「参加しておいて今更だが、実は厳しい」

「オレは斬れなくもないけどさー」

 腰のダガーに手を伸ばしたノールさんの視線を追うと…腰にあったのは、懐かしのミスリルダガー。

 ゲームだと、純ミスリルシリーズは序盤の目標装備みたいなもの…いや、懐かしい。

「それ、ミスリルのダガーだよね」

「へぇ、わかるのか」

 ドワーフの工房で買ったと自慢そうに胸を張るノールさん…確かにミスリルも銀の系列だけど、単に銀やミスリルと言うだけだと対不死用としては微妙。多分、微量な蓄積ダメージ頼みで倒せるまでひたすら斬るなんて効率の悪い事するつもりなのよね?

「レイスって攻撃の瞬間に実体化するんだけど、知ってる?」

「ほう…だとしたら、カウンターなら行けるか」

 時々一撃で倒せていたのはそれか…って、もう少し早く気付いて欲しい所だけど…。

「ソウルは!?」

「あ、アレは無理」

 ガクッと盛大に脱力するノールさん…気持ちはわかるよ。

 ソウルにウロウロされると邪魔よね、攻撃目標の間に割り込みとかされると特に…ゲーム内だとあえて狩る旨みも無かったから無視してたけど、今回の依頼内容的に狩らないと言う選択肢は無いからねー。

 ただ、ここに集まってる魔法使い組にゼンとカリナだけじゃ戦力は不足は否めない感じ。銀の剣で斬りまくるだけの冒険者陣は論外だし…となると、二人にも頑張ってもらうに越した事は無いから……。

 この二人にも即席で出来そうな対策、何かあったかなぁ?

 

「んー…むー…、何か持ってたかなぁ…?」

 二人を見比べながらアイテムボックスウィンドウをごそごそ…中空で指動かしてる不審者かもだけど、気にしないでねっ!

「…何やってるんだ?」

「まあ、ちょっと」

 んんーんー…うん?

 …あらま、良く見たら二人ともLv70越え…この中ではダントツじゃないの。これなら、確か使えるのが……。

「はいコレ、貸してあげるから使って」

「腕輪だな…護符か?」

「『光石のアミュレット』って言ってね、発動は運だけど発動すれば攻撃に3%の光属性が付与されるの。何も無いよりマシかなって」

 見た目は道端で売ってそうな白い石の編み込まれたヘンプの腕輪だけど、運次第とは言え攻撃全てに属性が乗るから凡庸性は高め。…まあ、レベル制限も65と効果の割に高めだけどね。

「へぇ…そんなスゴいのがあるのかぁ」

「良いのか?名前からして光石を使っているのだろうから…高価な物なんだろう?」

「そんな大した物じゃ無いから。そもそもウチのパーティーだと装備出来る人が居ないから、使って?」

「そういうなら、ありがたく使わせてもらおう」

「やった、これでソウルの野郎が斬れる!」

 嬉々として腕に嵌める二人…後で発動率とか聞いておこう、ゲーム内だと実感で三割程度だったけど同じとは限らないし。

 これで少しは一人あたりの負担が減ってくれるといいんだけどねー。

 

 

 

「ヤっ!」

「はぁっ!」

「余裕、余裕っ」

「てぇい、散れぇっ!」

 手こずっている前衛の冒険者陣を後目に、絶好調で次々にレイスを斬り飛ばしていくノール、ガレン、カリナ、ゼンの四人。

 対して、私はヒーラー二人と後方の安全圏にて待機中なう…えー?

 …確かに周りの様子見つつボチボチ行こうとは思ってたよ?思っていたけどね?何か違うでしょ、流石にコレは…!

 何より、超暇なんですがー?

「……暇。前線出ちゃ駄目?」

「アンタは魔力温存。解呪出来るの、アンタしか居ないんだから」

「すみません、私が解呪習得出来れば良かったんですけどぉ……」

 私達が訓練してる間に教会の書庫に通ってたらしいフィーリーも解呪習得には至らず…。

 と言うか、そもそも二十人近い冒険者が居てヒーラーはたったの二人、しかも解呪出来るのがヒーラーですらない私のみとかどんだけぇー…。

「解呪は神学校でも上級学年にならないと習わないからね、ここいらにある教本に載ってなくても仕方ないさ。大体ヒーラー二人居るってだけでも本来は儲けもんなんだよ」

「えー……」

 ゲーム内だと大抵のプレイヤーが一度は経験する職業だし、自前である程度の回復手段は持っておかないと上級者になればなる程厳しいから、これはなかなかショッキングな情報。

「ああ、エルフの兄さんじゃ知らないかもねぇ。アタシらみたいなヒーラーは大抵が神学校出でね、真っ当に卒業しさえすればその後は漏れなく神官で一生安泰なんだよ」

  だから冒険者なんかやってるのは稀で、自分の場合はただの落ちこぼれだと…うん、どう見ても訳ありにしか見えないけどねー。

 しかし、ヒーラーって神学校でお勉強して成るものなのねー…まぁ、ゲーム内じゃないんだし神様にお願いしてってのは流石に無いか。

 

「でも、お嬢ちゃんはアタシみたいな落ちこぼれには見えないねぇ?」

「あ、私は神学校に入らず神官の父親に師事という形にしたので……」

「ああ、確かに親が神官ならアリだね。でも、そんな過保護な親が良く冒険者家業なんか許してくれたねぇ?」

「えぇと、リーダーのゼンさんがお父さんに直談判してくれて…」

「ふーん」

 ふむふむ、個人に師事してヒーラーになるってのもアリなのね。

 しかし、ゼンそんな事もしてたんだ。面倒見の良さ極まってるなぁ…おかげで私も助かってるから、他人の事言えないけど。

「どちらにしろ、本格的に神官になるとなったら一度は神学校に入らないといけないんですけどぉ…」

「ああ、そうだね。神学校の卒業証明が要るからねぇ」

 何だか神官ってヒーラーの上級職って言うより、大卒で貰える資格っぽい。…コレ、ゲームでの神官と一緒にしたら駄目よね…多分。

「…ああ、どうやら怪我人一人目が来たみたいだね。お嬢ちゃん、行くよ!」

「はいっ!」

 気合いを入れてヒーラー二人がご出陣…で、私は?

「アンタは待機」

「あ、やっぱり?」

 ……あのー、本当に前線出ちゃ駄目ですか?

 レイス斬りながら回復魔法とか、私普通に出来るんだけどなー?

 

 

「ああもうっ!どれだけよぉっ!」

「ったく…数だけは多いんだよなぁ!!」

 一方、順調に数を減らしながらも怪我人が出始めてジリ貧の前線。

 さらに、切った手応えの薄さが逆に何とも言い難いストレスに。

「大丈夫か、ノール」

「あー…スパッと行くのに、気持ち悪いィ…」

「…まぁ、言うな」

 楽すぎて逆に微妙な状況に、獣人二人組もそれなりにまいって来た頃、別方向から聞こえた悲鳴にノールの耳が反応した。

 

「なぁ、あっちで何か出たって!」

「あー、ソウルでも纏めて湧いたか?」

「いや……どうやら大物らしい」

 正確に声を拾おうとガレンの耳も仕切りに動く…が、そんな事は不要とばかりに大物本人の声が響いた。

『はっはっはっ!全く持って相手にならんなっ!』

 何人かの冒険者仲間がぶっ飛ばされ、それらを跨いでガチャガチャと金属音をさせながら現れた巨体。

「……何だ、ありゃ」

 一言で言うなら巨大な鎧、しかもそうそう見かける事のない重装の全身鎧。右手には通常は両手で扱う幅広の大剣、左腕には何故か鎧のメット。

 良く見れば、首部分にはメットを被るはずの頭が無かった。

「まさか…デュラハンか!」

『如何にも!』

「自分で肯定するのかよっ!」

 生息地(?)が魔界であるため目撃例こそ少ないものの、その姿や強さで知名度は意外と高いのがこのデュラハンと言う魔物だ。

「えー!?何で街の墓地にボスみたいなのが居るのよっ!?」

「さあなぁ…まぁ、倒さん事には事態が収まらんってのがこの場合のセオリーってヤツだろ?」

 まずゼンがデュラハンに向き直り、続いてカリナもツインダガーを構える…ここにいる誰より自分達の武器が有効なのはわかりきった事。

「おいおい…本気であんなのとやるのかよっ……!」

「デュラハンなら、普通に斬れそうだな」

 さらにゼンとカリナを挟むようにガレンとノールが武器を構え準備完了。

『その意気や良し!』

 どこか嬉々とした雰囲気と声で此方も大剣を構えるデュラハン。

「行くぜ…!」

「ん!」

「「おう!」」

 

「いや…普通に考えて、行っちゃダメでしょ。…【強打】」

 

『ぬぉ…おぉお!?』

「「「「なっ…!?」」」」

 デュラハンの真横に一気に近付いて、手にした棍を一息に振り抜く。不意打ちにも等しい一撃に、あっさりふっ飛ぶ巨体。

 打撃武器及び素手で使用可能なスキル【強打】、効果はダメージとノックバック。

「リーン!?」

「500レベル越えのデュラハンさんに向かって行くとか…無謀過ぎー」

 棍を軽く肩に担ぎゼン達を庇える位置まで進んで振り向くと、唖然と固まる四人…その間抜けな顔ったら。

「お前…救護の所に居たんじゃ……」

「デュラハンが出たー…って駆け込んだ人が居てね。だったら私の出番でしょう?」

 いきなり横から殴り飛ばしたのは悪いと思うけど…あそこで真っ当に戦闘始めてたら、多分ゼン達重傷じゃ済まなかったし?

 それがわかってるのに助けないとか無いじゃない…ねぇ?

 

 

 私が来たからにはデュラハン如きに負けはしません!

 さあっ、いざ楽しいボス戦の開始ですよっ!

 

 

 

 

 

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