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魔道具職人との出会いで広がる縁

縁は何より素敵なものです、綺麗な縁ばかりじゃないかも知れませんがそれでも素敵なのです。

田中奈々side


[で、魔道具職人のツッカは何を作る気だ?]

「よくぞ聞いてくれました!」

[早く話せ。]

「クーン。(女の人にキツいこと言っちゃダメですよ師匠。)」

[いやこいつ男だぞ。]


……え?え?でもツッカさん可愛いよ?どう見ても可愛い女の子だよ?え?……え?困惑する私にカスミソウちゃんはツッカさん可愛くて魔道具作れるだなんて凄いです!と言ってるけど…おとこの娘ってこと?!凄い見たの初めてだ!


「はい、僕男です。よく見た目で女の子と勘違いされますが。」

[この世界でおとこの娘ってジャンル見たの初めてだからなぁ。]

「ク?(珍しいんですか?)」

[いやこの世界ってよ、男らしくあれとか女らしくあれとか色々とうるせぇんだよなぁ…]

「あはは、両親に勘当されちゃって。あ、そんなことよりも動物さんの装備や武器をお求めなんですよね!僕が作りますんで安心してください!その代わり…ハァハァ…長さを!」

[…見張ってるからな。]


長さと大きさを測るツッカくん、頭を撫でてくれるしいい人だ。可愛くていい人って最強では?爪の長さも丁寧に測っている。


「ふむふむ、本当に小さな生き物なんですね。では素材は…シルバーウルフの毛皮のケット・シーの魔力を込めたものを…」

「ク?(ケット・シー?)」

[シルバーウルフはBランク、ケット・シーはDランクのどっちもレアモンスターだな。ケット・シーなんて動物の猫と間違われるくらい紛れ込むのが得意なんだよ。しかも猫と仲良くなる確率が高い使い魔にするテイマーが多いとくらいだ。運が良かったらケット・シーと出会えるかもな。ケット・シーは凄いぞ、あいつら付与魔法も出来るからな。]

「猫と仲良く出来る魔物が居る時点で凄いですよ!猫は魔物を感知するという特性が…」

[はいはい、それよりいくら掛かるんだ?]

「ク?!(師匠?!)」

[投資だと思え。で?]

「そんな!お金なんて…動物さんの触れ合っただけでも嬉しいのに!」


…でも店の中を見る、中はボロボロ、掃除すら出来てない、フェレットの私でも踏んだら凹むってこれ…どう考えても。


[そう言ってる場合か!お前生活ギリギリだろ?!]

「ひぇぇぇ!!」

[全く…防具一式、武器は…小さな剣で。金貨十枚を置いておく。]

「い、いいんですか?」

[アホ言うな、生活かかってるだろうが。それにケット・シーの付与した魔道具なんて早々にお目にかかれないからな。このくらい出して当然だ。]

「ク?(金貨十枚っていくらなんですか?)」

[10万だな。]

「クーー??!(値段凄い?!)」

『色んな魔道具あるのに勿体ないです…』


そうだ、飾ってあるもの全部動物を守るための魔道具なんだ、防具や武器だけじゃない。何だったら犬猫専用のシャンプーもあって櫛もある、装飾品もあるのに…なんで?


[表側じゃなくて裏道だったからな、目立った外見でもない。その上動物を飼えない冒険者には需要のない。飼ってるとすれば貴族や王族くらいだ。]

「ク?!(そうなんだ?!)」

[この世界には保険がないからなぁ。馬鹿みたいに高いんだよ。だから動物を飼えるのは貴族くらい…お?]

「ニャー。」

「わわ、チャッピー出てきちゃダメ!」


猫さんだ!挨拶するために匂いを嗅ぐ、ペコッと頭を下げると舐めてくれた。認めてくれたのかなぁ?


「チャッピーは動物大好きなんですよ。その代わり人間が苦手で。」

[捨て猫か。]

「……はい。実は他にも居まして。」


どうぞと入らせてくれた。キャットタワーから猫が喜びそうな道具たちばかり、水も新鮮で…お金はどうしてるのだろうかとチラリとツッカさんを見たら。


「貯金を崩してます。」

[貯金崩してるのか…老後とかどうするんだよ。]

「あはは…でも捨て猫たちを放置できなくて。」

[なぁこれって。]

「クッ!(保護猫ですね師匠!)」

『保護猫ってなんですか?』


説明するためにリュックからノートを出して絵を書いていく、まだまだ下手くそだけどこんな風な感じだよと説明する。


「カフェ…?」

[おー保護猫カフェかそりゃあいい。さっきも言ったが冒険者には需要がないのは飼いたくても飼えないからだ。家に開けっ放しだったらペットも寂しいだろ?平民は飼ってるんだよ。ただ捨て猫や捨て犬を飼ってる人が多い。出会いの場を用意するのもいいかもしれんな。]

「…」

[こいつらの飯代やら病院代を稼ぐのならカフェを作るのもいいかもし…]

「チャッピーたちに家族が出来るんですね。」


…本当にいい人だ、捨て猫や捨て犬を大切に思っている素敵な人だ。ここに居るのは猫だけだけどきっと他にも捨て犬も居るはずだ。


「魔道具を作りながら保護猫カフェを開いていいのでしょうか。」

[いいんじゃねぇか?スポンサーもついて一石二鳥だ。猫好きでスポンサーになってくれる人も居るはずだからな。]

「クー!(応援してます!)」

『保護猫さん為にも頑張ってくださいツッカさん!』

「チャッピーたちの命の恩人だ…ありがとうございます!」

[んじゃ知り合いの大工に話付けておく。支払いは俺がしとくな。]

「いいんですか?」

[動物好きなら家族を見つけるために金を使って何が悪い。それにまあ…金は大量にあるからな。]

「クー!(かっこいい師匠!)」

「…でも一番はサクラちゃんのおかげです。ありがとうございます!」

「クゥー!(保護猫ちゃんたちの家族見つかるといいね!)」


こうしてこの世界で初の保護猫カフェを建設することになったのだった。しかも嬉しいことに防具まで貰っちゃった。これで行けるぞ!


「あ、あの!僕もついて行っていいですか?!」


「保護猫カフェ…なんて素敵な響き。」

「これで捨て猫や捨て犬問題が無くなるといいな。」

「ええ、アナタ…最近の貴族の中には動物を捨てる輩が多くて嫌になりますわ。」

「天罰を与えていいものか迷っているがな。」

「これを機に天罰を与えましょう。」


動物を捨てた貴族に天罰が下り、簡単に捨てることは悪だと認識されるようになったのだった。

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