動物に癒されたいのは大人も子供も同じ
渡○に風にしたい人でありフェレットをリアルにお迎えしたものの名は荒ぶるうどん!…すみません言ってみたかったんです。
田中奈々side
太った体、立派なお髭、金ピカの装飾を施された服、まるで漫画に出てきそうな悪役。名前はなんていうのだろうか?ちょっと気になる
「ごきげんよう、ロッゲン教祖様。」
「ごきげんよう。ナタリー姫。」
お?礼儀正しい人だ、何やらロッゲンさんが指を鳴らして従者?な人が何か持ってきた。なんだろ?と思っていたら…えっ?
「これをナタリー姫に。」
「ありがとうございます。」
…あのー、これを言うのもなんですがファッションセンスどうなってるんですか?そんな変な柄じゃなくてもっとこう可愛い服がいいというか…
『悪意はないのですが…どうしたのでしょうか?』
「クッ。(なんだろうねー。)」
ふと気になりこっそり着けてみることにした、そろりと抜け出し、ロッゲン教祖?って人の後を着けると立派な馬車に乗っていた。私もするりと入っていく。
「…はぁぁぁぁ…疲れる…」
…あれ?なんか張り詰めた空気じゃないぞ?なんだがそう日々疲れているサラリーマンのような…そんな空気だぞ?
「あー…教祖やめたいー、でもやめたらやめたで内乱が起こるからやめられないー、給料もあるし、まともな幹部はいないし…」
「ロッゲン様、お気持ちは分かりますが聞かれたら…」
「う、うむ…分かっておるが…つい本音がなぁ。威厳を経つ為とはいえこんな服本来なら着たくもない。」
威厳を経つ為に着る…かぁ、上司の人もよく言ってたなぁ…男のプライドを保つ為に可愛いものを我慢する人も居るんだよって。この人もそうなのかなぁ?
『…なんだ、ロッゲンって人は無理して日々を過ごしてる人じゃないでしょうか。』
「クゥン…(なんだか、辛そう。)」
「…む?」
あ、バレた、よく見てみるとロッゲンって人の目は疲れきっていて化粧で隠しているのか目の下に隈がある、完全に疲れてるサラリーマンだ。
「動物?いや何故ここに…ブツブツ。」
「クッ!(よいしょ!)」
「おわっ?!」
「ロッゲン様?!お、おのれ獣まさか襲う気では…ロッゲン様?」
「お、おお…これが動物なのか。」
なんだか涙を流してる気がする、疲れた大人が求めているのはやはり癒しであったかと思っていたらそうではないみたい。
「念願の動物…これが生命の温もり…!」
『ロッゲンさん?』
「…ロッゲン様、もしや獣を飼いたかったので?」
「獣というな!動物といえ!魔物とは違うのだぞ?!」
「し、失礼しました!」
「猫も飼いたかった、犬も飼いたかった…だが知ってると思うが我が家では動物を飼うのは猛反対されているのを知ってるな。」
「はい、ロッゲン様のご両親はお厳しい方々とお聞きしております。」
「うむ、触ることすら許されなかったのだ。周りが動物を飼ってるのを私は悔しい気持ちで眺めていたのだ…一度でいいから動物に触りたい。それが私の夢でもあったのだ…ああ、創造神様、ありがとうございます。私は夢を叶えられました。」
動物好きな人に悪い人はいない!そう感じた私は肉球をポンっとロッゲンさんの頬に触れた。奇声とも言える声を上げた。
「ふぉぉぉぉぉ?!!これが肉球?!肉球なのか?!創造神様が作った動物の素晴らしさなのか?!」
「お、落ち着いてくださいロッゲン様!!」
「…こほん、すまぬ。だが見よこの肉球!素晴らしいではないか!」
「クー。(大変だなぁ…)」
肉球をポンポンと頭に乗せる、癒されてくれサラリーマンなロッゲンさん、肉球はええぞ。
「お連れに?」
「バカを言うな、この子には飼い主がいる。見よ、このリボンを。きっと探してるに違いない。」
「王室でしょうか?」
「そうであろうな…引き返せ!」
「ハッ!」
引き返して私を抱っこして、連れていくとナタリー姫が泣きそうな顔をしてロッゲンさんを睨みつけていた。攫ったって思われてる?
「私のペットを攫ったのですか?!」
「な、ナタリー姫!言っていいことと悪いことが!」
「サクラは私の大切な家族です!攫うだなんてどういう…あ。」
「…」
「ご、ごめんなさいわ、私…」
「混乱する気持ちはよく分かる。こちらこそすまなかった。」
ナタリー姫も混乱する気持ちもわかる、大人なロッゲンさんがナタリー姫に頭を下げるのは王族だからだろう。でも辛いのはナタリー姫もロッゲンさんもおなじだ。
「…だがわかって欲しい、こんなに愛らしい生き物を家族と引き離すのは私はしたくなどないのだ。」
「…ロッゲン様。わ、私もすみません、混乱していたとはいえあのような失言を。」
「次からは気をつければいい。君は未来の可能性なのだから。」
「っ…私、ロッゲン様を誤解して。」
「ハッハッ、よく言われるよ。」
なんだろ、私が架け橋になってる気がする、でもどっちも辛かったんだ、ナタリー姫は寂しかった、ロッゲンさんは動物をお迎えしたかった。大人も子供も癒されたいと思うのは世界共通なんだ。
『良かったですね田中さん!皆さん仲良しになりました!』
「クー!(良かったね!)」
「え、えっと…たまにでいいのでサクラを撫でに来ませんか?」
「い、いいのかね?!」
「良かった!あのロッゲン様に癒しが!」
「え、ええい!黙らんか!」
なんだか平和でいいなぁ。アイリス様ありがとうございます!
「うむ、言えんな動物が好き過ぎてぬいぐるみを作ってしまう趣味があるなど誰にも言えん!!」
「ロッゲン様!村で取れた布を調達して参りました!」
「うむ、いつもすまんな、ボーナスは…」
「いりません!ロッゲン様の笑顔が私の喜びなので!」
「う、うむ、そうか。」




