いざ、魔界にある強欲の国へ
第二章開幕
奈々side
朝起きて、図書館に行って本を読んでいたら不思議な本を見つけた。三つの世界についての本。天界、魔界、人間界の3つが存在していると。天界には七人の天使が国を統一し、魔界は七人の魔王が統一していると。不思議だなぁと思いながら師匠に会いにいく。
[…キツイっす師匠。]
「あと100回。」
[鬼ー!悪魔ー!]
「200回。」
[増えたーー!!]
「クー!(師匠ー!ナナシさんおはよー!)」
『おはようございます!』
「おー、おはようさん。」
師匠は大師匠であるナナシさんに鍛えられていた。どうやら魂法という奥義技の通称を使えるようにしたいとのこと。私も覚えられるかなぁ?
「お前はまだだ。それより先に学ぶべきことがある。ヨシマサお前はここで魂法を学べいいな。」
[へ、へーい。]
『あのー…私は。』
「ついてこい。お前女神だろ。」
『へ…』
[ふぁ?!]
「クゥ?!(なんでわかったんですか?)」
「今は言う気ねぇよ。着いて来い。」
そういわれついて行く。山奥まで歩いていくと誰かが現れた。イケメンくんだ。まるで高校生のような子だ。
「おい魔王!俺と戦え!」
「…ヨシマサたちと同じ転生者か。」
やっぱり転生者は何人もいるんだ。カスミソウちゃんはメモを取っていた。勉強熱心でいい子だなぁ。イケメンくんは話を続ける。
「お前たち七魔を倒してハーレムを作る!」
「モテたいだけかよ。」
「う、うるさい!デカイだけのやつ…」
「丁度いいお前も連れていく。」
「……は?」
「クゥ?(何処に?)」
「俺の国、強欲の国にだ。タロット魔法【月の門】。」
月の絵が描かれた門が現れた。どうやらナナシさんの言う国と関係あるようだ。イケメンくんを捕まえたナナシさんは首根っこをつかみ開いた門に放り込む。私とカスミソウちゃんも続いてついて行く。門を抜けた先は…見覚えのある光景だった。行き交う車、高層ビル、整備された道路、信号機…日本に来たかと一瞬思うのだけども緑色の肌をした小人さん達が行き来していた。イケメンくんはワナワナと震え出した。
「あ、ありえない!なんで最弱のゴブリンたちが文明作ってんだよ!」
「あ"?そりゃあ俺の眷属だからだ。」
「……眷属?最弱なのに?」
「お前さっきから聞いてりゃあ俺の民を馬鹿にしてんのか。」
ナナシさんが殴ろうとしてるのを慌てて止めていると遠くから迷彩服を着たゴブリンさん?がやってきた。背中に拳銃背負っているけども。
「魔王様ー!!何してるんですかー!?」
「おー、わりぃわりぃ。こいつが俺の民侮辱したもんだからぶん殴ろうと。」
「…もしかして俺たちと同じ転生者ですか?」
「は?」
「クゥ?(転生者?)」
「あー、だとすれば先入観から最弱呼びしたってところですかね。ハハ。」
「笑い事じゃねぇ。」
…あの、ゴブリンさんの目、笑ってません。寧ろ怒ってます。周りにいたゴブリンさんたちも怒ってます。私はカスミソウちゃんと一緒にナナシさんの後ろに避難して見ていたら案の定イケメンくんは囲まれた。
「な、なんだよ!俺の勇者の剣が黙ってねぇぞ!」
「黙れ勇者もどき。」
「勇者もどきだと?!」
「剣を手に入れただけでイキんな。」
「というか俺らをバカにしたってことは魔王様も侮辱したのも同じなんだが?」
「は?絶許。」
「兄ちゃんちょーっと俺らとお話しようや。」
「あ、いや、あのなんで簡単に取り上げられ…ぎゃあああああああああああああああ!!!!」
あーあ、私しーらないっと。私はナナシさんを見上げるとため息を着いて近くにあるカフェテラスまで案内された。この国について説明するようだ。
「この国はゴブリンたち…俺の眷属たちが力を合わせて作り上げた国だ。俺にとっては大切な民であり、受け入れてくれた恩人でもある。」
「クゥ?(恩人?)」
「…俺は元々転生者とは異なる人間から魔王になった身、他の魔獣達からは人間がと舐められる。そんな時出会ったのがあのゴブリンたちだ。皆転生者らしくてな。自分たちのしたいことを出来ないまま死んじまった連中。自由にさせていたら国が出来てた。それだけだ。」
「クゥン!(十分凄いですよ!)」
『責任感のある魔王さんなんですねナナシさんは!』
「…そんなんじゃねぇ。ただ国を作り上げたのはあいつらだと言ってるのに周りは俺が国王だと聞きやしねぇ。」
「クゥン…(変わりはないからじゃ…)」
「金出して、書類に目を通しただけだ。」
「ク?!(絶対多いですよそれ?!)」
「基本的には自由にさせてんだ。金くらい払って当然だろうが。」
…そういえば魔獣と魔物って同じなのかなぁと思っていたら違うっぽい。ナナシさんは本当に何も知らねぇんだなと言って説明する。
「七天の眷属が聖獣、七魔の眷属が魔獣。そういう扱いだから魔物と魔獣は別モンだ。」
「クー…(分からない。)」
「簡単に言うと生態系の違い。魔物は従わない、魔獣は認めた相手には従う。」
「クッ!(分かった!)」
「分かればいい。」
「クゥ?(さっきのイケメンくんはどうなったんですか?)」
「知らね。」
ナナシさん凄いなぁ国を持って責任感のある国王さんだ。強くてかっこいいだなんてゴブリンさんが憧れるのも仕方がない。あ、スーツ着たゴブリンさんがやってきた。
「魔王様ー!手紙が来てますー!」
「捨てろ。」
「魔王は大切な日なんですよ?!言ってくださいよ!」
「やーなこった。」
「ルシファー様が怒りますよ!」
「あいつの名前は言うな鬱陶しい。」
「あの、聖獣見習いも連れてこいと…」
「…ちっ。出席する。サクラ着いて来い。」
魔王会議ってどんなのだろ、とワクワクしながらついて行く私はこの時気が付かなかった。優しいだけでは癒されない存在もいるのだと。
???side
[おいルシファー。七天はどうしてる。]
「…む、サタンか。貴殿が先に来るとは珍しいな。」
[お前は一言多い。人間の味方の七天はどうしてると聞いてる。]
「…七天はいつも通り人間を見て祝福を与えている。」
[忌々しい。動物を虐待する人間なんぞ。]
「貴殿は怒りに囚われ過ぎる節がある。」
[うるさい…俺は妹の敵を討つんだ。]
「…貴殿はフェレットという生き物だったな。姿形が前世のままとは。」
[今は悪魔だがな。]




