師匠の師匠なら大師匠
目標は十万文字!
田中奈々side
「うるせぇ。」
ー魔王であるあなたが何故ケガレを祓うのですか?ー
「んなもん決まってるだろ。ケガレはなかったことには出来ない、人間、動物、魔物。全ての生きとし生きるものなら誰だって抱く負の感情。負の感情から生まれたのがケガレだ。ようは生き物になくてはならない隣人のようなものだ。それを対処するのは聖獣と決まってるが…ここ近年、多すぎる。」
ー何故そこまで知って…ー
「俺なりに調べた結果だ。タロット魔法【隠者の灯火】。」
指を鳴らした途端ランタンが出てきたけど白い炎が出ている、普通赤色なのに何故?と思っていたらナナシさんが説明してくれた。
「この【隠者の灯火】はケガレを検知出来る魔法でな。それで検知出来たってわけだ。」
「クゥ…?(【隠者の灯火】のおかげでここに来れたってこと?)」
「そういうことだ。」
ーなるほど、理解しましたがケガレを作った原因である貴方に助言されるとは。ー
「作ってねぇよ作ったのは先代魔王だろうが。俺は無関係だ。」
ハイビスカス様とナナシさんの間に火花を散らしている。うむむ、魔王って役職必要なのかなぁ…ナナシさんは悪い人じゃないのになんで?
ーよいでしょう、ラビィ。ー
ーはい。ー
ー貴方には罰を与えます。各地のケガレを除去するのです。ー
ーわかりました。ー
こればかりは仕方ない、拾ってしまったケガレを使ってしまい、魔物を凶暴化させてしまったのだから。私は庇う気はない。ラビィの為にも罰は受けるべきだから。流石に理不尽な罰は庇うけども。
ーありがとよ、サクラ。ハイビスカス様を助けてくれて。ー
「クー。(いいの、頑張ってね。)」
ーおう!ハイビスカス様、俺。ー
ー貴方には期待してますよ。ー
ーっ…はい!ー
ラビィは荷物をまとめて旅に出た。きっとまた会えると信じて。師匠は…あれ?逃げようとしてない?
「ヨシマサ。冒険者ランクは。」
[…Bです。]
「魂法は?」
[まだです。]
「……はー。」
『魂法?』
「ク?(魂法ってなんですか?)」
「数多くの魔法を持つものなら誰でも持ってる奥義魔法だ。最近だと最大火力で燃費の悪い魂法が多いがな。」
[…師匠、俺あの…]
「宿題出したろ。」
[……まだ固まってなくて。]
「追加で宿題出す。」
[そんなー!]
なんだか、先生と生徒みたい。ナナシさんも転生者なのかな?ナナシさんは気まずそうに頭をかいて私を見ていた。
「逃げねぇんだなお前。」
「ク?(何がですか?)」
「…いやなんでもねぇ。これからどうすんだ。」
…どうって言われても…私はいつでもナタリー姫に会いに行けるし。それに何より…私、強くなりたい。ケガレは怖かった。あんなに怖い思いをしたのは初めてだった。だからこそ。
「クー!(ついて行きたいです!)」
「…いいぜ。着いてこいよ。まずは飼い主に説明してこい。」
「クっ!(はい!)」
『私も行きます!』
一旦ナタリー姫の元に帰るとナタリー姫に抱きしめられた。今にも泣きそうな顔だ。ああ、そうか…心配してたんだ。
「アナタが魔物の群れに飛び込んだと聞いた時、サクラが戻ってこないんじゃないかって不安になった。でも…よく帰ってきたわ。そして何より…ケガレの対処、よくぞケガレを除去してくれましたね。」
「クー…(私だけじゃ…)」
「アナタだけじゃないのは分かってる。でもね、アナタが居たからこそ対処出来たの。誇って。」
「クッ!(ナタリー姫!)」
「次からは無茶しないって言ったのに…また無茶をして…あなたを守ってくれる人がいるのならその人に頼りなさい。私はアナタの成長を応援するわ。」
「クッ!(ありがとうナタリー姫!)」
「さ、今日は寝なさい。」
「クー!(おやすみなさい!)」
私はナタリー姫の膝の上に眠るのだった。
田中奈々side終了
ナナシside
空を見上げる。いや正確には世界だろうか、次代の聖獣を選別しているのが中間管理職とも言える創造神。神々を作り出し、見下ろすだけの世界。俺を転生させたのは神々ではない、世界だ。あれには感情すらない。無機質なまでに正常で、人間には到底理解出来ない数値重視な存在だ。あれは不具合があれば対処しようとするだろう。ありとあらゆる方法を使って。鼻で笑ってやる。お前の思うようになってたまるかよって意味でだ。あれに付き合う筋合いは俺にはない。
…俺は世界が憎い。魔王という役職を押し付けられ。周りから避けられ、あろうことか動物にまで嫌われる。俺の夢である動物を飼う夢をぶち壊しやがった。憎まれるのは慣れた。だがもし俺が死ねば次の被害者が増える。魔王なんて今の時代必要ないのだから。昔とは違う。それを理解してない世界は続けようとする。頭が硬すぎて情報のみを整理し、異常が出来れば排除する。生命とは見てない理不尽の権化。世界を知るものならば誰でも知ってる理不尽さの塊だ。
「変わろうとしやがらねぇ馬鹿がよ。」
アップグレードしろよな。そう思いながらタロットカードをシャッフルする。めくって出てきたのは…太陽。
「……成功ねぇ。」
それが1番いいのだろうな。と思いながらタロットカードをしまう。まだ未来は信じてねぇが。サクラってやつは信じるんだろうなと思いながら。
ナナシside終了
・ナナシのタロット魔法
【愚者の楔】:間違った成長(ケガレの進化)を一時的に止める効果がある。普通の攻撃としても有効活用出来る。愚者の名の通り仕事しない時あり。
【隠者の灯火】:ケガレを検知出来る、時折静かな忠告をすることあり。
・サクラの桜魔法
【毛玉の盾】:もふもふの盾、でも意外と防御力は高い




