聖獣と聖獣見習い
こういう展開もありですよね
田中奈々side
その日は猫のコックさんたちが頑張ってくれたお陰でお金を稼げた。夜遅く居たのでナタリー姫に叱られてしまった。1日はあっという間に過ぎてその日の夜。
「クゥ…(そろそろ寝ないと…あれ?)」
声が聞こえた、何処からだろう?と思って外に出る、ナタリー姫とカスミソウちゃんは眠っているので寝かせたままに。トコトコと歩いていくと鹿の見た目をした神々しい動物さんがいた。動物なのかどうかも怪しいけど。
ーアナタですね、アイリス様の加護を貰ったという見習い聖獣は。ー
「クゥ!(はい!)」
ー良い返事です、私の名前はハイビスカス、アナタは?ー
「クゥー!(サクラです!)」
ーサクラですか、では聖獣見習いサクラ。この世界の危機は知ってますか?ー
「ク?(危機?)」
ーこの世界にはケガレというものがあります、それを浄化するのが私たち聖獣の仕事なのです。ですがアナタはまだ見習い。各地にいる見習いたちに会いなさい。アナタはまだまだ未熟なのです。ー
「クゥン…(ケガレ…)」
ーでは。ー
そう言い残し歩いていく、ハイビスカスさんが歩いた場所からはハイビスカスが一瞬だけ咲いていた。ケガレってなんだろ?師匠は知ってるかなぁ?モヤモヤした気持ちになったまま夜は過ぎていく。
[ハイビスカスぅ?知らねぇな。]
「クゥン…(知らないんだ…)」
[いやぁ…聖獣は専門外だからなぁ。詳しい奴に聞いてみるのが1番だと思うぜ。]
「クゥ…(詳しい人…)」
ロッゲンさんだ!そう思いついてロッゲンさんの居る屋敷へとやってきた。こっそり潜入して従者さんについていく。
「おお!サクラか久しぶりだな!」
「クゥ!(お久しぶりです!)」
「最近は勉強しているとナタリー姫から聞いておるぞ。良いことだ良いことだ。」
スラスラとハイビスカスっていう聖獣知ってますかと聞くと驚愕した顔になるロッゲンさんと従者さん、その後すぐに真剣な顔になっていた。
「…ハイビスカス様か。」
「ク?(知ってるんですか?)」
「…ハイビスカス様は聖獣であらせられる、ケガレと呼ばれる負の現象を沈める役目のあるお方でなぁ。何故サクラに?」
「クゥン…(それは…)」
「いや無理には聞かん。だが信頼する人以外には言わない方がいいだろう。」
「クっ!(はい!)」
聖獣って不思議だなぁ…この世に沢山居るんだとワクワクしながら屋敷から出る。真剣な眼差しで見送っていたとは知らずに。
「…この件は誰にも言うな。」
「はい、命に変えても。」
「…言えるわけがなかろう。ハイビスカス様が弱ってるなど。」
走りながら私はカスミソウちゃんを迎えに行く。手を振るカスミソウちゃんを見つけた。手を振る私、だがその瞬間コケた。
「クー!(あーれー!)」
『田中さん!』
慌てて受け止めるカスミソウちゃん。目を開けると誰かの足…というか動物の足が見えた。意地の悪い兎さんだ。
ーんだよハイビスカス様に言われて来て見りゃあまだ子供じゃねぇか。ー
「クゥ?(そうだけど?)」
ーそこはムキになるところだろ?!…まあいいや!このラビィ様がハイビスカス様の後継者になるんだからな!ー
「クゥ…?(本当に…?)」
ームキー!生意気ー!ー
『あの、田中さんにからかうのはやめてください!』
ー…いやライバルとして見ておこうと。ー
「ク?(ライバル?)」
ー聖獣見習いなら誰だってライバルだ!お前だって各地にいる聖獣様方に憧れているだろ?!ー
「クゥン。(全然。)」
ーこ、こいつ…ー
[聖獣見習いさんよぉ、うちのサクラになんかようか?]
ーひっ!魔物?!…ってよく見たら人間の魂入ってるじゃねぇか、驚かせんな。ー
[ほぉ…そこまで見抜くとはな。]
ー当たり前だ!俺を誰だと思ってやがる!聖獣見習いのラビィ様だ!そこにいる喋れないやつとは違う!ー
「ク!(個性です!)」
[喋れないからって見下すのはどうかと思うぞ。]
ーくっ…でも俺は諦めねぇ!絶対聖獣になってアイツらに…はっ。ー
「クゥン?(どうしたの?)」
ー何でもねぇよ!ライバルのラビィって覚えておけ!ー
白ウサギのラビィは私にそう言って去っていった、なんだったろ、あの子?分からないけど悪意はないみたい。ただ発言はあれだったけど。
『田中さんを悪く言いました!私許せません!』
「クゥン。(あの子に悪気は無いよ。)」
『それでも許せません!』
[発言はあれだったが中々見る目がある。ただ気になるのは…最近魔物が凶暴化してることだ。]
「クー?(凶暴化?)」
[ああ、本来魔物は人を襲うことはない。人間襲ってもメリットがないからな。食物連鎖ってやつで成り立ってる…のにだ。各地で人間を襲い始めた。]
「ク?!(そうなんですか?!)」
[……で、気になるのが聖獣見習い。あいつ何かしてねぇだろうな。]
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ラビィside
これさえあればハイビスカス様だけじゃねぇ他の聖獣見習いたちから馬鹿にされずにすむ!俺は小さい頃から周りから馬鹿にされてきた。魔法すら使えず、その上神力すらまともに使えないから馬鹿にされてきた。アイツだってそうだ絶対心の中では馬鹿にしてるに決まってる。この拾った石を使って魔物たちを鎮めれば誰にも馬鹿にされずにすむ。
ーさぁ!魔物たち!静まれ!……あれ?ー
寧ろ、凶暴化してるような…目が赤くなっていく、ま、まさかこの拾った石とんでもないものなんじゃ!や、ヤバい!鎮めないと!
ーぎゃ。ー
ああ、なんで、伝説を信じた俺が馬鹿だったのかなぁ。本で読んだ物語、成長するものが伝説の聖獣になるっていう物語。馬鹿みたいに信じて…ハイビスカス様?
ーラビィ、話は後です。見習いたちを集めなさい。ー
ー一人でなにを?!ー
ー行きなさい。ー
俺のせいだ、あんな石を拾って、使って、みんなを巻き込んじまった!クソクソ!俺はまだ見習いだ!!未熟なんだ!!何故か脳裏に浮かんだのは細長いやつだった。俺は急いで向かったのだった。
ラビィside終了
オマケ
「大変ですケガレが発生しました!」
「ふむ…聖獣では対処しきれんくらいに大きくなったか。」
「被害が出る前に聖獣の選別を。」
「…うむ。(サクラなら…もしやなれるやもしれんな。)」




