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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
第5章 東京代表との戦い

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準決勝の相手は

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 難敵に跳ね返されてきた全国への道、ベスト8の壁。



 今年は5-0と難敵を一蹴し、立見は初の東京4強入りを果たす。それも此処まで支部予選から戦い、8試合連続の完封勝利。



 更に攻撃では優也が同じく8試合連続ゴール。今では各校からマークされたりと、彼は無視出来ない存在となっている。



 今回の音村との試合では途中出場にも関わらず、ハットトリックを達成したのだ。



 優也が東京のライバル校に与えた衝撃は、かなりの物だろう。





 勝利の余韻もそこそこに、立見は12時の昼休憩を迎えてサンドイッチ等の軽食をとると、スマホで次の準々決勝の試合を確認。



 同日、立見から遅れてキックオフとなる準々決勝。勝者が先にベスト4入りした、立見との対戦相手となる。



 そのカードは真島高校VS北村高校と、因縁ある強豪校同士の激突だ。




「どっち勝つんでしょうかねこれー」



「んー、真島かなやっぱり。東京No.1ストライカーの鳥羽が居るし、チームの総合力も高いから」



「北村も分かんねぇだろ。粘り強い守備でPKの1失点しか此処まで許してないしよ」




 卵サンドを食べる弥一に尋ねられると影山は真島、間宮は北村と予想は分かれる。



 高い総合力に加え、優秀なエース鳥羽という強みがある真島。それに対して北村は東京屈指の守備力を誇る。



 総合力の真島と守備の北村。どちらが勝っても不思議ではない。











「いいか、守って守ってチャンスを待つぞ。0-0を長く保てば向こうも焦って攻める。そこを仕留めるんだ」



 水色のユニフォーム、北村イレブンは北村監督の言葉にそれぞれ頷く。前半は徹底して守ると前もって決めており、改めて確認をしていた。









「相手の北村さんは引いて守るサッカーを得意としてる。この試合もおそらく守って来るだろう。カウンターにだけ気をつけ、後は何時もの真島のサッカーを展開する。焦って向こうにペースを渡さないようにな」



 緑をベースとした、黒いストライプの入ったユニフォームの真島イレブン。その監督も作戦を伝えると、選手達は頷いてフィールドへ向かう。






 互いのキャプテンがコイントスを行い、先攻は真島。



 センターサークルには鳥羽が向かってボールの前に立つ。その傍には2トップを組む、もう一人のFWも居る。




 ピィーーー




 試合が開始され、鳥羽が軽く蹴り出す。真島FWは後ろのキャプテン、真島の司令塔を務める峰山へボールを預け、彼を中心にじっくり中盤をパスで回していく。



「(やっぱりきっちり守ってるな)焦るなー。ゆっくり攻めていくぞー」



 峰山が前を見ると北村は試合前の予想通り、守りを固めている。これを見た峰山はボールを回して、焦らないようにとコーチングで伝えた。




「こっちー」



 鳥羽が左でフリーの状態となれば右手を上げ、ボールを要求した。



 その後ろから北村のDFが鳥羽に詰める。パスが来た所を狙うつもりだ。




 だが、鳥羽はパスが来た所へトラップと同時にその場でターン。後ろから来るDFを察知していたのか、華麗に相手を躱してボールをキープ。歓声を背に受けながらも、左に上がっていた真島の選手へパス。



ダイレクトでパスが返ると、浮き球になった所に鳥羽が地を蹴って跳躍。



 北村DFが寄せる間もなく、鳥羽は右足のアクロバティックなボレーシュートを放つ。北村のキーパーは左へと飛んだシュートにダイブするも、指先に掠る事もなく北村のゴールネットを揺らした。



 ワンツーからの華麗な得点に、スタンドからは歓声が沸いてくる。



 守りの堅い北村から早くも真島のエース、鳥羽のゴールで先制点。




「やった鳥羽ー!」



「っと、相手がアップ少なめだったから、不意打ち効果ありそうかなって思ったんでね!」



 鳥羽へと集まって真島の選手達が抱きつく。その鳥羽は試合前に北村のアップ不足を抜け目なく見ており、奇襲を隙あらば狙っていた。



 その狙い通り、鳥羽の仕掛けた不意打ちの個人技が炸裂し、真島に先制点が生まれる。




「くっそぉ! よりによってこんな早く先制……」



 悔しそうな表情でボールを持って、センターサークルへ向かう北村の選手は、何時かのランニングで鳥羽を睨んだ者だ。



 その鳥羽とすれ違いになり、通り過ぎようとすると。




「やっぱあんたらオーバーワークだったな。一週間の空きがあっても、試合翌日のハードな走り込みは行き過ぎだわ」



「!」



 まるで挑発するかのように、わざと相手に聞こえる声量で鳥羽は呟くように言う。その言葉はボールを持つ彼の耳に届き、怒りで頭に血が上ってくる。



「(女と遊ぶチャラチャラした野郎に言われたくねーよ、クソが!)」



 明らかに鳥羽の挑発に苛立ちを見せており、ボールをセット。



「あいつの言葉に耳貸すなよ。あんな子供みたいな挑発は受けるだけ損だ」



「分かってるよ……!」



 仲間から落ち着くように宥められるが、彼の怒りの炎は未だに消えない。









「流石のテクニックだなぁ鳥羽。相手をあんな鮮やかに躱して、ワンツーから決めやがった」



「得意のボレーも冴え渡ってる。今年も鳥羽は健在か」



 それぞれのスマホで成海と豪山は鳥羽のスーパーゴールを見ており、彼をどう止めるのかが真島と当たった時の鍵になりそうだ。



 最もまだ試合は前半で、此処から北村が逆転する可能性は充分に残されている。




 ボールを支配する真島。無理には飛び出さず、時間をかけて彼らはボールをキープしている。その北村もまだ前半という事もあるので、焦りから取りに行って守備に穴を開けるような事はしない。



 試合は膠着状態、真島の1点リードが続く。




「……」



 弥一はその間もスマホの画面をじぃっと見ている。何かを逃さず見るかのようだ。







「(前半も残り少ない、此処で少し仕掛けてみるか)」



 タッチラインをボールが出てプレーが止まり、峰山は時計を一瞬横目で見ると前半38分。もうすぐハーフタイムに入る。



 それならと峰山は此処でボールを手に持ち、スローインの構えを見せながら「行け」と顔を動かして合図を出す。




 MFがFWを追い越し、北村エリア内へ勢い良く突っ込む。その動きに北村DF陣は注目。




 これは囮で、本命はこっちだと中盤へ下がっていた鳥羽に、峰山はスローインでボールを送る。



「(鳥羽ぁ!!)」



「!」



 鳥羽が胸でトラップした時、猛然と挑発された北村の選手が向かう。



「いてっ!」



 そこに北村の選手の足が引っかかり、鳥羽は転倒した。




 ピィーーー




「!」



 これに審判の笛が鳴り、北村の反則を取る。カードまでは出ず注意に留まり、真島にFKのチャンスがやって来る。ゴール正面30m程あって、右寄りの長い距離。キッカーは転倒した鳥羽だ。



 鳥羽は助走をとり、そこから走り出す。



 右足が球を捉え、北村ゴールへ向かって放たれた。




 ボールは壁の右横を抜けるが、右に外れてしまっている。これではゴールマウスを捉えられないと、この時の北村キーパーは外れると思った。




 そこから球は鋭く左曲がってゴールへ向かい、捉えられないと思っていたコースが気付くと枠内、それも取り難い右上隅に行く。




 キーパーが気付いた時には飛びつく暇もなく、既にボールがゴールネットに突き刺さっていた。この試合、鳥羽の2ゴール目が確定する。




 ワールドクラスの芸術的なFK。30mの距離を技術とパワーの両方を兼ね備えた、鳥羽のキックで沈めてみせる。これが世界を経験したプレーヤーの力なんだと、観客達は魅せられて鳥羽への歓声が湧き上がり、彼へのコールが止まらない。








「すっげ……!」



 スマホで見てた摩央は思わず、そんな一言が出て来る。



 東京No.1のFW。そう言われているのは伊達ではない。



 彼にFKのチャンスを出来る事なら与えたくない。かと言って、中途半端なプレーで止まってくれる甘い相手でもないはずだ。






 このゴールが決まって前半が終了。北村は後半が始まると、もう守ってばかりではいられないと反撃に出る。



 対して今度は真島の方が守りを固めており、先程とは立場が逆転だ。




 北村のクロスやシュートにも、真島の守備陣は落ち着いて対応。前線では鳥羽が巧みにボールをキープし、時間を使って真島の守備陣を落ち着かせたりしていた。



 試合運びも慣れたもので2-0のリードを保ち、時間は刻一刻と経過。




「くっ!」



 ボールをキープする鳥羽へ向かうのは、先程ファールした北村の選手。此処でファールをして、再びFKを与えたら3点目を与えてしまう大ピンチに陥る。



 それが彼の中で迷いとなり、プレーが中途半端になると、鳥羽は華麗な個人技で相手の左を通り過ぎていく。




 その後になんとか数人がかりで鳥羽を止めて、転がったボールはタッチラインを割る。





 時間は経過するばかりで、後半アディショナルタイムへ突入。





 最後の反撃に出る北村。総攻撃に出るも、真島のDFは此処で1点はやらないとばかりに、北村の攻撃を集中して跳ね返す。



 北村のミドルも、真島のキーパーが正面で受け止めて得点を許さない。




 キーパーがキャッチしたボールを高く蹴り上げた瞬間、主審の笛が吹き鳴らされて試合は終了。




 2-0



 真島が北村を退け、優勝候補の一角として順当なベスト4入り。



 真島は軽くタッチを交わし、敗れた北村は項垂れる者が多数と、明暗がハッキリ分かれた。




 来週立見は東京を代表する高校、東京No.1ストライカー鳥羽の居る真島と、インターハイ全国への切符を懸けた試合を行う。




 負けられない東京代表の椅子を争う真剣勝負だ。

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サイコフットボールの応援、ご贔屓宜しくお願いします。

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