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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
第1章 高校入学

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マイペースな彼はサッカー部へ

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 立見の駅は4番線までのホームがあり、弥一達は2番線の電車から降りて来る。



 3人の他にも多くの乗客が立見で降りる姿が見えて、学校があったり職場へ向かう者、または遊びやデートで訪れる者と、色々異なる目的で人々は立見の駅から歩き出す。



 弥一、摩央、大門の3人は立見にある学校を目指す為に共通している目的地なので、行動を共にしている。



 先頭を長身の大門が歩き人々の波から二人を守る壁となって、その後ろを弥一と摩央が並んで歩いた。



 摩央はスマホで自分達の高校の場所を検索していて、弥一はさっきまで電車の中で大門に寄りかかったまま熟睡し、目覚めたばかりで覚醒しきってないのか、眠そうな顔だ。



「そういえば、二人とも部活とかって決めてる?」



 前方に人がいないのが分かると大門は後ろの二人へ振り返り、何処の部活に入るのか尋ねる。



 学生生活の華とも言える部活動。



 多くのスポーツが部活にあれば屋内で活動する部活もあって、近年ではゲームを部活としている所もあるとニュースで紹介されている。


 昔は学校でゲームは御法度とされていたのが今では部活の一つとして認められ、プロや世界大会まであるぐらいだ。



「決めてない……そのまま帰宅部になるかもな」



 摩央は部活に関して乗り気ではない様子。


 体を動かす事は好きではなく、少なくともスポーツ関連の部活には入るつもりは無さそうに思える。



 そもそも小学生の頃からずっと、摩央は何も部活動などしていない。



「そう言う大門は何処か部活入る気か? この中では一番ガタイよくてスポーツ向きそうだし」


「ああ、入るよ。サッカー部に」


「ふあ~……サッカー?」



 摩央からの部活に入るのかという問いに、大門はサッカー部へ入る事を伝えると、それに反応したのは欠伸をしていた弥一の方だった。



「こう見えても俺はずっとサッカーをやってきてね。高校でもサッカーをやろうと決めてるんだ」


「(こう見えてって、だろうなって感じだよ……)」



 サッカー経験者である大門。見かけによらずと自分で言ってるつもりでも、摩央から見れば身長が高くて体格も良いから、何かスポーツをやっているというのは充分納得出来る。



「へー、奇遇。僕もサッカー部行こうと思ってるんだよ」


「キミもかい? じゃあチームメイトじゃないか!」


「(え? こいつもサッカー? こっちの方がよっぽど見かけによらないって感じだろ……)」



 眠気がようやく覚めて来たのか、弥一は大門を見上げてから笑顔で部に入る事を伝えると、大門も1年で同じチームメイトと早くも知り合えた事に喜んでいた。


 それを横目に、摩央は弥一が大門と同じサッカーをやるというのが意外で、弥一の姿を改めて見る。




 摩央と同じぐらいの小柄な身長で体格もお世辞にも良くなくて、体格の良い大門と比べれば一目瞭然だ。



 体格が大人に近づきつつある男子高校生。その中には大門と同じように、大人並の体格を誇る屈強な選手も居る事だろう。


 サッカーがどういうスポーツなのか、直接関わっていない摩央でもそれは分かる。



 ボールを扱う技術は勿論大事だが、フィールドでは何かと選手同士での競り合い、ぶつかり合いがあって、弾き飛ばされにくい体格というのも大事だ。



 どう見ても目の前の小柄な彼は、ぶつかり合いで競り勝てるようには見えない。多分思い出作りの入部だなと、摩央は弥一の事を自分の中でそんな評価を下してから、スマホの画面へと視線を向けた。




「サッカー経験者で、大門ってポジション何処なの?」


「俺はGKゴールキーパーだよ」


「へえー、納得♪」



 何時の間にか並んで話す弥一と大門、弥一は大門の顔を見上げたまま、何処のポジションか聞くと大門はGK。



 サッカーのフィールドで自軍ゴールマウスを守り、その周辺なら手を使う事が許される他とは異なるポジションであり守備の最後の砦。それがキーパーだ。



 この歳で既にこれだけの長身を誇る大門。それに加え、手の大きさもあるのでGKに適した理想系とも言えるだろう。



「こんだけ立派な身体してるから中学時代とか活躍したんじゃない? あ、もしかして今も大門が立見に行くと聞いて何処かスカウトマンとかが居たりして!」



 軽く大門の背中を叩いた後に弥一はスカウトマンがいるんじゃないかと、辺りを見回してみる。



スーツ姿の男性辺りがそうだとと思ったが、そういった者は何人も歩道を歩いているので見極めは不可能。サッカーのスカウトが此処に居るなら、奇跡的な確率で大門が余程注目でもされない限り、ほぼいないと言って良い。



「いや……そんな目立った活躍は無いよ。全国とか出た事無いからね」



 はは、と苦笑する大門は中学時代そこまでの活躍はしてないと、何処か表情に暗さがありつつ話した。



「神明寺、何か地雷踏んだっぽいぞ。あれ絶対過去に何かあったパターンだ」


「……」



 優しくお人好しそうな彼の中学時代。何か触れてはいけない傷でもあるのではと、摩央は弥一へと耳打ちで伝える。


 弥一もそれを聞くと、大門の中学時代についてそれ以上聞く事は無かった。




「そういうお前はポジション何処なんだよ?」


「え? んー、内緒」


「は?」



 話を逸らす為に、摩央は大門だけでなく弥一のポジションについて聞こうとすると、弥一は此処で明かそうとしない。



「ほら! それより急ごう急ごう! 学校初日に遅刻しちゃうよー♪」



 小走りで先頭の大門を追い越し、弥一は二人へ早く早くと手を振る。



「何なんだあいつ……」


「変わってるよね彼って」


「少なくとも俺が今まで会った事も無いタイプだ」


「奇遇だね、俺も神明寺君みたいな子は初めて見るよ。なんていうか……マイペースだよね」



 弥一が離れたので、大門と摩央は互いに弥一の事を自分達が今まで会った事の無いタイプの人物だと、今日初めて知り合った大門、摩央の二人は共通して同じ事を思ったのだった。





◇  ◇  ◇


 立見高等学校



 創立から50年以上経つ東京都内の高校。



 スポーツに力を入れて、各部活が優秀な成績を収める程にレベルが高く、近年では野球部が甲子園出場を果たして注目されている。



 今年新たに入る1年もその野球部へ入部する事を希望する者も少なくない。それで入部した1年を鍛え全体のレベルを上げて行き、これは野球部に限った事ではなかった。




 桜の花びらが舞う外の受付で入部希望者を待つ青髪でセミロングの女子、立見の制服を着ており彼女も此処の在校生だ。



「入ってくれるかな……ダイヤの原石の子……」

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