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33.タンク達のトレーニング

ハルキとルゼが異世界に帰った。

俺らは付いて行かないことにした。


あっちの世界で得られる情報は本当に興味深いものばかりだし、憑代についてもっと知ることができる。

だけど俺らが今やらなくてはならないのはレベル上げだ。


ルゼからレベルというものについて話を聞いた。

モンスターを倒すと俺らもレベルが上がるらしい。

今まで、襲ってくる敵を倒していたら強くなったと感じたことがあった。

それがレベルが上がるということだろう。


ルゼもリディアもまだ強いとは言えない。

『異世界装備』をしていないハルキなんかオーク以下だ。


強敵が現れた時、戦わないといけないのは俺らだ。


それに新しく仲間になったビーとティーを置いては行けない。

子守のついでにレベルをあげよう。


キャリーホッパーには上位種がいたはずだ。

進化できればハルキ達のためにもなるだろう。



「タンクー!少しだけど見つけたよー」


俺はビュラとポンプにモンスター探しを頼んでいた。

ダムザム近辺は鬼人族と蟻人族が警備しているおかげでモンスターがいない。

なので今日は森の奥の方に行く予定だ。


「わかった。みんなと合流して向かおう」

「わかったー」


俺はビュラに付いて行った。


▽ ▽ ▽


ビーとティーは身体が大きくて素早いので、そこら辺のモンスターには負けはしない。

だが防御が弱い、そして魔法などの遠距離攻撃がない。

ダンジョンのような予想外な敵が相手になると少し不安だ。


「ビー!攻撃をしっかり避けろ!」

「わかったよー」

ビーはオークの攻撃をギリギリ避けて体当たりをする。


「ティー!帰ってこーい!」

ティーはいつものように走り回っている。

お構いなしで適当に走っているがぶつかったオーク達は吹き飛ばされていた。


「ビュラは回復、ポンプは遠距離で援護」

「うん!」

「わかったー」

ビュラとポンプはオークの群れに向かった。


戦闘を見ながら進化について考えた。

俺はいつの間にか進化した。

戦闘をよくしていたわけではない。


長年生きていると意思疎通が取れるモンスターが数体いた。

そいつらの話では、戦い続けたら進化したとか見たことない果物を食べたとか言っていたが答えはわからなかった。


「ビーとティーが進化して身体が小さくなればいいんだけどな」


俺らがハルキの世界に行くことも今後多くなる。

ビーとティーに留守番を任せるのは少しかわいそうだ。

ハルキにも懐いているし一緒にいたいはずだ。


他のモンスターにこんな感情を抱くのは初めてだった。

これはハルキの影響なのだろうか。


そんなことを考えているうちにオークの群れは殲滅されていた。


▽ ▽ ▽


ダムザムに戻ると、蜻蛉族とリディアと話していた。

蜻蛉族は俺らを見て驚いていた。


「タンク」

リディアが俺らを見つけて近づいてきた。


「どうした?」

「明日、水黽族が到着するみたいなんだ。だから弐の島へ向かうのは明後日になると思う」

「わかった。俺らで何かした方がいいことはあるか?」

「うーん」

リディアは考えていた。


「ダムザムの近くにはモンスターはあんまりいないよね?」

「そうだな。鬼人族と蟻人族が警備兼訓練で倒している。少し離れた森にはいるが、ダムザムにまでは出てこないだろう」

「そっかー。じゃあ、明日僕をそこに連れてってよ。魔法とスキルを試したい」

「わかった。問題ない」

「ありがとー」

リディアは嬉しそうにしていた。

その姿はとても元魔人族の王とは思えなかった。


「話は変わるが、ダムザムにいる奴でマジックアイテムを作れる奴はいるか?」

「マジックアイテム?」

リディアは首を傾げた。


「どんなマジックアイテム?」

「身体を小さくできる物がほしい」

「なんで?」

「ビーとティーをハルキの世界に連れて行っても問題ないようにしたい」

「なるほどね。でも残念ながら作れる人はいないかな」

「わかった」

少し期待していたが、残念だ。


「本島には作れそうな人がいるけど……」

「そこまで危険を冒してまで欲しい物ではないから平気だ」

「ごめんね。あっ!もしかしたら奇跡的にマズドールが持ってたりしないかな?」

「聞いてみるか」

「僕も一度挨拶しておこうとは思ってたんだ」

俺はポンプ達に警備を任せ、リディアと共にマズドールの元へ向かった。


▽ ▽ ▽


俺らは鬼人族が捕らわれていた牢屋にやってきた。

中には手錠をしたマズドールが横たわっていた。


「マズドール」

「あ!?誰だ?」

起き上がったマズドールはリディアの姿を見て驚いた。


「リーディーアアアア!!!!」

「マズドール。誰に対してそんな口をきいている?」

いつもと口調が違うリディアからは圧のようなものを感じた。

マズドールも圧を感じているのか、一瞬怯んだ。


「マズドール。お前に聞きたいことがある」

「な、なんだ」

「この島の管理を任されているのなら、マジックアイテムの1つや2つ渡されているだろ?それはどこにある?」

「なぜお前に言わなきゃならない」

「マズドール!」

リディアの圧が強くなる。


「お前も知ってるだろ?このタンクの攻撃力を」

リディアがそう言うと、マズドールは俺のことを見て顔を引き攣らせた。


「こちらにはお前を生かしておく理由がないのを忘れるなよ」

「誰がお前なんかに」


バシュン!

俺はマズドールの足元を撃った。


「……俺の金庫の中だ」

「金庫?」

「ああ。家にある。だが俺にしか開けられない。この手錠を付けたままだと開くことはできない」

マズドールの言葉を聞いたリディアはめんどくさそうな表情をした。


「わかった。金庫は諦めよう。お前のスキルがめんどくさいのは知っている」

「そうか。開けたければいつでも頼みに来い。お前が頭を下げれば聞いてやらんこともない」

マズドールはわかりやすく調子に乗った。


バシュン!

俺は再び足元を撃った。


「くっ!」

マズドールは苦い顔をした。


「ここにいる意味も無くなった。お前はここで罪を償え」

俺はリディアと共に牢屋を後にした。


「タンク。マズドールの金庫って知ってる?」

「ああ。ハルキが回収していたはずだ。マジックバッグに入れていたから、今はあっちの世界だ」

「なるほどねー。マズドールの手錠は外せないなー。たぶんシャーメインが作った金庫だから壊せもしないだろうな」

「シャーメイン?」

「元部下かな。マジックアイテムの製造と研究を主に任してたんだ。研究以外に興味がない男だから、いまも魔王軍にいると思う」

「魔王軍にいるのであれば接触は無理だろうな」

「ごめんね。良いマジックアイテムがあればよかったんだけど」

「構わん。無理を言って悪かった」

「全然平気だよ」


俺とリディアはみんなの元へ戻った。


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