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『鉄壁の軍神令嬢、隣国で「詰み」を宣告する』 〜婚約破棄して私を追放した無能な王子、私が守るのをやめた瞬間に国が滅びそうですが……今さら戻ってこいと言われても、もう手遅れですわ〜  作者: 影山ネル
【第2章:要塞都市の守護女神(アイギス)〜私の領地に手出しはさせません、たとえ神であろうとも〜】

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第18話:『情報の価値を、再定義します』

フェンリル領の最上階、アルティナの執務室。

そこには、これまでこの世界に存在しなかった奇妙な装置が並んでいた。

磨き上げられた魔導水晶の板と、幾重にも重なる精密な金属の歯車。


「……アルティナ、これはいったい何だ?眺めているだけで頭が痛くなってくる」


レオンが、部屋の中央に置かれた「装置」を指差して眉をひそめた。


「情報の『高速通信機(テレタイプ)』の試作機ですわ。……これまでは魔導師が直接、思念を飛ばして通信していましたが、それでは魔力の消費が激しく、記録も残りません。……ですが、これを使えば、誰でも文字情報を瞬時に帝都へ送れますの」


アルティナが装置の鍵盤を軽く叩くと、魔導水晶の上に文字が浮かび上がり、遠く離れた別の部屋にある受信機から、カタカタと紙が吐き出された。


「……一秒で、帝都の物価変動を把握し、軍の配置を最適化する。情報の伝達速度(ラグ)を削ぎ落すことこそが、最大の防衛(リスクヘッジ)ですわ」


「お前の頭の中はどうなってるんだ……。だが、これがあれば教団の不穏な動きも、察知しやすくなるってわけか」


レオンが感心したように装置に触れようとした、その時。

装置の一角に、警告を示し赤い魔力が点滅した。


「――おしゃべりは、ここまでのようですわね」


アルティナの瞳が鋭く光る。

彼女が構築した通信網の端点、グラナード特別行政区(旧母国)からの緊急の通信が入ったのだ。


『緊急報告。旧グラナード王都にて、聖光教団による「大規模儀式」の兆候あり。……対象は、追放されたはずのエレン・男爵令嬢。彼女を「聖女」として擁立し、アルティナ様を「偽りの魔女」として断罪する構えです』


その報告を聞いた瞬間、レオンの周囲の空気が、爆発的な殺気と共に凍りついた。


「……エレンだと?あの、お前にすべての罪をなすりつけようとした、あの女をか?」


「ふふ、なるほど。教団も必死ですわね。……私の論理に対抗するために、あちらは『信仰(オカルト)』という名の偶像を持ち出してきたわけですわ」


アルティナは、通信機の電源を静かに落とすと、不敵な笑みを浮かべて鉄扇を広げた。


「エレン様が聖女……。笑えない喜劇ですわ。……レオン殿下、準備を。偽りの光で目を眩ませようとする者たちに、現実という名の『暗闇』を見せて差し上げましょう」


「ああ、望むところだ。……その聖女とやらが、お前の盾を一枚でも剥せるかどうか、見ものだな」


軍神令嬢と狂犬王太子。

二人の視線は、再び動乱の兆しを見せる母国の空へと向けられた。

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