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『鉄壁の軍神令嬢、隣国で「詰み」を宣告する』 〜婚約破棄して私を追放した無能な王子、私が守るのをやめた瞬間に国が滅びそうですが……今さら戻ってこいと言われても、もう手遅れですわ〜  作者: 影山ネル
【第2章:要塞都市の守護女神(アイギス)〜私の領地に手出しはさせません、たとえ神であろうとも〜】

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第17話:『神の代理人をリストラします』

フェンリル領外縁、境界付近の村。

そこには、聖光教団の紋章が刻まれた白銀の甲冑を纏う「異端審問官」の一団と、恐怖に震える村人たちがいた。


「この地に蔓延る異端の術、そしてそれを操る魔女!神の理を歪める者は、聖なる炎で浄化されねばならぬ!」


審問官のリーダーが、火刑台の薪を指差し、傲慢に吠える。

彼らが「魔女」として拘束したのは、アルティナが導入した簡易的な計算機を使い、収穫量を正確に算出しようとしていた農家の娘だった。


その時、群衆を割るようにして、凛とした靴音が響き渡った。


「――神の理、ですわね。その定義、詳しくお聞かせいただけますかしら?」


現れたのは、レオンを伴ったアルティナだった。

彼女は優雅に鉄扇を広げ、審問官の放つ威圧感を、まるで見えない壁で遮るように無効化してみせた。


「アルティナ・フォン・グラナード……!悪魔の知恵で民を惑わす呪われた令嬢め!」


「惑わす?いいえ、私はただ、彼らに『生存のための論理』を教えているだけですわ。……貴方が神の奇跡と呼ぶその火も、魔力の燃焼反応に過ぎません。……三、二、一。はい、消えましたわね」


アルティナが指を鳴らす。

刹那、審問官たちが薪に灯そうとしていた聖なる炎が、まるで見えない酸欠に陥ったかのように、ぷつりと消失した。


「な、何をした!?神聖な儀式を妨害するとは……!」


「妨害ではありません。このエリアの酸素濃度を計算し、燃焼に必要な数値を一時的に書き換えただけですわ。……貴方の神は、酸素がなければ火も点せませんの?」


「貴様ぁっ!」


激昂した審問官が聖剣を抜こうとするが、アルティナの銀色の瞳が彼を射抜く。


「教団の規約第十二条。……『民の財産を不当に毀損し、恐怖政治を敷く者は、その職を解かれる』。貴方たちが崇める教典に、そう記されていませんでしたかしら?」


「それがどうした!」


「この村の生産性は、私の管理下で前年比四割向上しています。貴方がここで無意味な処刑を行えば、来季の税収という名の『神の供物』が減少する。……すなわち、貴方は神に対する背任罪を犯していることになりますわ」


アルティナが魔法で空中に契約書を展開した。

そこには、教団の上層部――腐敗した大司教との間で、すでに取り付けた「異端審問官の配置転換」の合意文書が記されていた。


「貴方のキャリアは、今この瞬間をもって終了です。……神の代理人を名乗るには、あまりに数学的な素養が足りませんわね」


「ま、待て……!大司教様が、あんな強欲な連中が、貴様のような女と手を組むはずが……!」


「強欲だからこそ、組みやすいのです。……彼らにとって、神の言葉よりも私の提示した『寄付金』の方が、よほど魅力的だったようですわ」


審問官は崩れ落ち、村人たちは歓喜の声を上げた。

アルティナは冷ややかに彼らを見下ろしながら、レオンに向かって小さく頷いた。


「レオン殿下、後片付けをお願いしますわ。……教団の旧態依然としたシステム、これから徹底的に『再構築』して差し上げます」

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