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第15話:『さよなら、私の愛した泥船(くに)』

グラナード王国の王都。

かつてアルティナを追放したあのパーティー会場に、今、軍靴の音が響き渡っていた。

ただし、先頭を歩くのは「罪人」ではない。

漆黒の軍装に身を包み、レムリア帝国の全軍顧問軍師として降臨したアルティナ・フォン・グラナードだ。


玉座の前で震える国王と、隣で泣き崩れるエレン。そして、自分の署名によって国を売り渡したカイルが、魂の抜けたような顔で床を見つめていた。


「……アルティナ。いや、アルティナ様。どうか、どうか我が国民だけは……」


国王の震える声に、アルティナは冷ややかな微笑を返した。


「ご安心なさい。国民の管理は、貴方たちよりも私の方が長けていますわ。……今日からこの国はレムリア帝国の『グラナード特別行政区』となります。そして、旧王族の皆さまには――」


アルティナが鉄扇をバサリと広げた。


「これまでの『不適切な経営』の責任を取り、全資産を没収の上、辺境の開拓地での労働に従事していただきます。……もちろん、私の『監視(演算)』付きで、ですわ」


「労働だと!?この私が……この私がか!」


カイルが叫ぶが、その隣でレオンが重厚な大剣を床に突き立て、地響きを鳴らした。


「黙ってろ。アルティナの慈悲を、刑罰と履き違えるなよ。……俺なら、お前の首を今すぐここで跳ねているところだ」


アルティナはレオンの横顔を一瞥し、それから広間の巨大な窓を開け放った。

眼下には、飢えから解放され、アルティナが再構築した「鉄壁の結界」に守られた街並みが広がっている。


「……さて。これで、この盤面(くに)整理(リストラ)は終わりましたわ」


アルティナは、自らの手首に輝くグラナード家の紋章が入ったブレスレットを外し、迷いなく窓の外へ投げ捨てた。

それは、過去との完全な決別。


「アルティナ。これで満足か?」


レオンが歩み寄り、彼女の肩を抱いた。アルティナは、かつてないほど晴れやかな、けれど不敵な笑みを浮かべて彼を見上げる。


「満足?いいえ、殿下。これはまだ、世界という巨大な盤面における『初手』に過ぎませんわ。……次は、帝国を揺るがす教団の不正(リスク)を、叩き潰しに行きませんこと?」


「はっ、全くだ。……お前が軍師なら、俺はどこの果てまでもついていってやるよ」


軍神令嬢と狂犬王太子の視線の先には、まだ見ぬ広大な世界と、新たなる戦場が広がっていた。

アルティナの物語――その第1章は、完璧な「チェックメイト」と共に幕を閉じる。

最後までお読みいただきありがとうございます!


これにて第1章『盤上の再編リ・ストラ編』、完結です。

 アルティナの華麗なる逆転劇はいかがでしたでしょうか?


次章からは、舞台を帝国全土へと広げ、さらにスケールアップした「軍神令嬢」の活躍を描いていきます。

 もし「最高だった!」「2章も楽しみ!」と思っていただけましたら、ぜひ**【☆☆☆☆☆】**評価やブックマークで応援をいただけると幸いです!


皆様の応援が、次の盤面を描く力になります。

 引き続き、よろしくお願いいたします!

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