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おっさん、魔王の玉座になる -幼女魔王と一緒に座っているだけでレベルMAX!-  作者: 椎名 富比路
3-3 LOと早食い対決 ~温泉宮廷ビバノン~

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みんなのお仕事体験記

 駐車場に全員揃った。


「ごめんね、遅くなって」


「いいのよ。みんなも今、来たところよ」

 意外なセリフを、トシコさんが言う。


 聞けば、全員がお仕事を体験していたらしい。


「話は、食べながら聞きましょう。いただきます」


 トシコさんが告げて、ボクたちは手を合わせた。


 バーガーをいただく。


 たまにすごく食べたくなる、ジャンクな味だ。


「おいしい。みんなで作るゴハンとは、また違った趣き」


 ボクとチサちゃんは、ポテトとサラダをシェアし合う。


「それにしても、みんなハンバーガー屋さんでお仕事したんだね」

「ええ! ハンバーグを作りまくったわ! おかげでもう手がパンパンよ!」


 ケイスさんが、マミちゃんの手を揉んでいる。


 ネウロータくんとトシコさんは、ポテトの和風味付けを担当していたらしい。


「ククなんてひどかったんだから。『わたくしに働けとおっしゃるの⁉』ってわめきだして」


 マミちゃんが、ククちゃんを茶化す。


「豆を運んであげたのに、まだ仕事が終わっていなかったなんて、あんまりですわ!」

 紙カップのカプチーノを飲みながら、ククちゃんが頬をふくらませた。


「ククちゃんがこんな調子で、スタンプはもらえた?」


「はい。ワタシがエスプレッソマシンの使い方を学んで、事なきを得たのですが」

 ヨアンさんが苦笑いを浮かべる。


「まって。銅のスタンプ」

「え、ウソ?」


 ボクはヨアンさんに許可をもらって、スタンプを見せてもらった。

 確かに、ククちゃんがもらったスタンプは銅の色である。


「他の人たちは、どうなの」


「アタシは銀よ」

 マミちゃんが、銀色に光るスタンプを見せてきた。


「ぼくもだ」と、ネウロータくんも。


「妙だね。運んだ物資か、仕事の内容に、関わっているのかも?」


 いくら推理しても、時間が過ぎていくだけで何も分からなかった。


「情報が少なすぎて、考えてもしょうがないわ。とにかく、ダイキさんが今の所一等賞みたいね」

 トシコさんが、締めくくる。


「まさか、スタンプには何かグレードがあるんですか?」

「どうもそうらしいの」


 早く目的地に到着するか、のんびりドライブを満喫するかで、スタンプの種類も変わってくるという。


「だから、早めに出発している子も多いでしょ?」


 言われてみれば、食べてすぐ出ていく子はチラホラいた。

 何を急いでいるのだろうと思っていたけど。


「私たちは、まったり旅行しましょ。こんなゆっくりできるチャンスなんて二度とない気がするわ」


 二層が大変だったトシコさんからすると、今回の旅はいい気分転換になるだろう。 


「ちょっと物足りないのよね! もう一周してくるわ!」


 ハンバーガーを三〇個も食べたのに、マミちゃんはまだお腹が空いているらしい。


「第三チェックポイントのマルーシダは、お肉が名産らしいですよ。そちらで召し上がったほうが」


「それもそうね!」

 ケイスさんの一言で、マミちゃんは思いとどまる。



「第三チェックポイントって、どんなところ?」

「温泉街よ! サウナが有名なの!」


 マミちゃんの話だと、露天風呂の他にサウナコーナーがあって、人気の土地らしい。


「そこには、サウナ神がいるって話よ!」

 サウナ神か。大きなうちわで扇いでくれる人かな?


「ダイキと一緒にサウナ、楽しそう」

 両手を広げて、チサちゃんがワイワイとハシャぐ。


 対照的に、ククちゃんの様子がおかしかった。


「どうしたの、クク? 第三チェックポイントのマルーシダは、あなたの生まれ故郷じゃない」

「えっ、ええ。まあ」

「しかも、カリダカの主催国でしょ?」


 ククちゃんって、第三チェックポイントの生まれだったんだ。

 地元が開催地ってあるんだね。


「たしかに、場所も資金も提供しておりますわ。ワタクシも微力ながら、企画立案いたしましたの」


 すごいな、スタッフの一人と走っているんだ。

 しかも、不正しているフシが見当たらない。

 お菓子を独占しようとしたくらいで。


「でも、えらいわ! もし自分で主催ってなってたら、ワガママ放題やってもあなたが優勝、とかもありえたんですもの!」


「ゴホゴホ!」

 突然、ヨアンさんがむせだした。


「どうしたの、ヨアン?」

「な、なんでもありません、マミ様」

「心配させないでよね! 冗談だから本気にしないで!」

「は、はい! 失礼しました、マミ様」


 ヨアンさんの様子を見て、ケイスさんがククちゃんチームをじっと見る。


「どうしました、ケイスさん?」

「ああ、いえ。なんでも」

 ケイスさんは平静を装っていた。


 しかし、何か隠している気がしてならない。


 どうも、ケイスさんはククちゃんたちではなく、その奥にある木陰を気にしているようだ。


「さて、お腹もいっぱいになったし、行きましょ」

「賛成だわ! みんな行くわよ!」


 トシコさんとマミちゃんの号令で、魔王全員が出発の準備を始めた。


「ちょっとケイスさんと、ダイキさん」

 ボクとケイスさんだけに、トシコさんが語りかけてくる。


「ククさんについて、あとでお話しましょう」

 意味深な言葉を、トシコさんから発せられた。


「あなたもお気づきでしたか、トシコ様」

 ケイスさんが言うと、トシコさんもうなずく。


 なにがあるというんだろう? 

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