表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/6

「指スマ2」

牡蠣は海老と共に狩へ出かけていた。

この世界では生き物は絶滅しかけている。

それでも生きるためには、残された獲物を狩り、食べなければならない。

今日の獲物は猪だった。

二人は大きな木の上に身を潜め、下を歩く猪を静かに見つめる。

「もう少し近づけばいけるな。」

「うん。でも焦らないで。」

海老が小さく囁く。

牡蠣の指スマは強力だ。

親指を使って放つ技であり、放った瞬間に親指は消滅する。

しかし、その代償と引き換えに、指スマを受けた相手は跡形もなく爆発する。

外せば指を失うだけ。

だからこそ確実に仕留めなければならない。

猪がゆっくりと木の真下へ近づいてきた、その時だった。

ゴゴゴゴゴ……。

突然、大地が揺れ始める。

「え……?」

海老が顔を強張らせる。

次の瞬間、地面が盛り上がり、巨大な口が姿を現した。

鋭い牙が何列にも並び、その口は木の幹へと勢いよく食らいつく。

バキィィッ!!

太い幹が一瞬で噛み砕かれた。

「やばい!」

牡蠣たちは飛び降り、間一髪で地面へ着地する。

巨大な口は何度も地面を這い、生き物を探すように周囲を飲み込んでいく。

――地へ移動線。

数年前から世界各地に現れるようになった災害。

まるで地面そのものが生きているかのように動き回り、見つけた生き物を容赦なく喰らう怪物だった。

猪は逃げ惑う。

しかし地へ移動線は一直線に迫り、その巨大な口を開く。

牡蠣は静かに前へ出た。

「これは使いたくなかったが、やるしかない。」

海老は息をのむ。

「まさか、あれを?」

牡蠣は右手を握り締める。

二本の指に全神経を集中させ、ゆっくりと構えた。

「指ースマー2!!」

人差し指と中指が剣のようになり光った。

直後――。

ドゴォォォォンッ!!

閃光が世界を包み込んだ。

爆音と共に衝撃波が大地を削り、木々を吹き飛ばしていく。

土も岩も、猪も、そして地へ移動線までもが巻き込まれ、一瞬で消え去った。

気が付けば、そこには何も残っていなかった。

広大な大地がごっそりと消失し、巨大なクレーターだけが静かに口を開けていた。

海老は言葉を失う。

「……やっぱり、強すぎる。」

牡蠣は苦笑しながら、消えた親指を見つめた。

「だから使いたくなかったんだ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ