表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【彼女の計画_外伝】新作公開!影たちの物語 ~瞳の章~『彼女の無意識 』―指揮者と雑音の行方―  作者: Taku
【彼女の計画_外伝】 影たちの物語 ~沙織の章~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/46

第2章 沙織の章 第6話 【距離(本編『彼女の視線』炎上後)】

純の小説が炎上した。

沙織はそれをネットで知った。


コメント欄には、純を罵倒する言葉が並ぶ。

「人の人生を勝手に書くな」

「プライバシーの侵害だ」

「作者は死ね」

スクロールしても、スクロールしても、同じような言葉が続く。


沙織はそれを見て、体が震えた。

でも、その震えは、恐怖だけではなかった。

もし、あの同人誌のことがバレたら?

私の絵も、一緒に晒される?

頭の中に、自分の絵が並ぶ光景が浮かんだ。

コメント欄には、自分の名前も並ぶ。

「この絵も共犯だ」

「加害者の片棒を担いだ」

その想像が、沙織の喉を締め付けた。

同時に、腹の奥で何かが疼いた。

それは、恐怖と同じくらい強い――期待だった。

もし晒されたら、私はどうなる?

誰かに裁かれる?

その時、私は何を感じる?

その想像に、沙織は自分で驚いた。


電話をかける。

純が出る。

「純ちゃん……」

「どうしたの、沙織?」

声が、少し疲れている。


「あの……私、しばらく距離を置こうと思う」


沈黙。


何秒か、わからない。

長くもあり、短くもあった。


「……そう」


「私も、加害者になるのが怖いんだ。ごめん」


「うん。わかった」


電話が切れた。

沙織はスマホを握りしめたまま、しばらく動けなかった。そして、気づいた。

私は、また逃げた。

でも、その「逃げ」も、私の選択だ。

私は、純から逃げることを、選んだ。

その自覚が、胸の奥を満たした。

苦しいのに、どこか充足していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ