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第1章 Eの章 Eの真実 第8話 【転職先で】
数年後、Eは転職していた。
新しい職場で、後輩がミスをして落ち込んでいるのを見かけた。
Eは、迷わず声をかけた。
「大丈夫?」
それは、かつての自分にはできなかった行動だった。
後輩が顔を上げる。目が潤んでいる。
「先輩……すみません」
Eは言う。
「ミスくらい、誰にでもあるよ。よかったら、一緒に見ようか?」
その時、Eは思った。
(あの時、純さんが教えてくれたんだ。「正しいと思うことをしていい」って。たとえ、それが完全な真実じゃなくても——)
(そして、私はその一歩を踏み出した。あの一枚のメモが、私を変えた。)




