第十八話 騎士達の要求
「……実行出来たら?」
なんだろう? この場面、この空気……営業してた俺から言わせれば嫌な予感しかない! だいたいこういう時って無理難題とか簡単に行かない事を言われる事が多い。まして、今いろいろ疑いをかけられてる俺だからどう考えても良い話ではないだろうな。
「あぁ……それが出来たら俺たち騎士はお前を認めよう」
アーロンはそう言うと周りを見渡す。
すると、周りの騎士達は無言で頷く。
「アーロン、いったい何を……?」
アーロンの横でファリンは不安そうな表情をしながらアーロンに問いかける。
なに? この件はファリンも知らないのか?
「ファリン様……悔しいですが、フェイトの力は本物です。その力は人類にとって希望の光になるでしょう」
「ならフェイトを受け入れてーー」
「ダメですファリン様。フェイトに何かしらの事情があったにしろそれを証明できるものはありません。状況と結果からすればフェイトは逃げた……もしくは魔族に寝返った……そう思われても仕方ありません」
「そんな事はっ!?」
「だからです! だからこそ今から言う事を実行してフェイトに無実を証明してほしいのです!」
アーロンはそう声を荒げると不安そうな表情を浮かべるファリンから視線を外し俺の方へと向き直る。
……なんだろう? 嫌な予感しかしない。これは俺のプレゼンが失敗した時に感じた空気感に似ている。
「……俺は何をすればいいんだ?」
なんとも耐えがたい空気に俺は耐えられず、結論を聞くべく言葉をかける。
なんだろう? 身動き取れなくなって自分で自分の首を絞めたような……。
「フェイト……おまえにマリアーナ城を奪還してもらおう」
「……はい?」
俺は声を若干裏返しながら営業では絶対してはいけないような返事をしてしまった。




