第十六話 呼び出し
「よし、おおかた片付いたか」
俺は統制もなくなって散り散りになっている魔物を殲滅しながら砦の方へ向かっている。
一時期はどうなるかと思ったけど、俺の思い付きの作戦もうまくいったしな。
あれでうまくいかなかったらそれこそみんなに顔向けできないところだった。
それにしても、あの数の魔物がいるなんてな。
人間側の勢力に比べて魔族側の勢力が大きいのだろう。
しかも、あれで全勢力でないんだもんな。
これは思ってたよりも厳しい状況かもしれない。
人間同士で歪みあってる場合じゃないと思うけど、なんともできないし……。
「ん? あれは……」
砦の方から土煙が上がってこっちに向かってくる。
たぶん砦に立て籠もっていた騎士達だと思うけど……。
俺がそんな事を思っていると土煙は段々と近づいてくる。
まさか、魔族とかいうオチはないよね?
「フェイト……」
もちろん魔族なんてオチはなかった。
まぁ、分かっていた事だけど。
俺の前に現れたのはアーロンとその部下と思わしき騎士達だった。
心なしか怒っているように見えなくもない。
表情が険しい。
確かに魔物を取り逃がしてそっちに危害が加わりそうだったけど……俺は一人だよ? 魔法使いだって万能じゃないよ?
「一緒に砦までご同行願おう」
「えっ? あっ、はい」
俺はあまりの空気にその言葉しか出ずにアーロンに従う事にした。
なんか俺いつもアウェー感たっぷりだ。




