ピチャピチャ(ピチャピチャ)
その子は水の精霊ウンディーネであった。
魔法に疎い俺でも、流石にウンディーネは知っている。ゲームとか漫画で見た事あるし。
それはともかく、その水の精霊は、どうやら親父が用意した降霊魔術の一つであり、やはり精霊を現象現物している様だった。
ただ今回の現象現物は少しだけ違う、親父が用意したのは現象現物させる為の器と精霊のみであり、魔力によって体を製造するのは俺自身の力が必要だったらしい。
俺の力、詰まる所魔力だ。
しかしアイアンメイデンに与えた魔力によって、俺の魔力は空に近かった、だからこの水の精霊は、俺の魔力を吸い上げ、動ける程度まで体を作り、魔力が高い所へ補給しに動いたのだ。
その魔力とは、魔力上昇ドリンクである。
親父はどうやら玄関の靴箱の底に隠していたらしく、玄関を見てみると、数百本のドリンクの空が散らばっていた。
「あー………汚、して、すいません」
ウンディーネが顔を下げて謝る、いやいいさ、けど分からない事がある。
何故俺にキスをした?
思春期真っ最中の不良少年にキスだぞ? 女であれば誰にでも襲っちまう男だぜ俺は。
「あー………魔力、補給、ドリンクは、口から、補給、ので、口から、魔力を、入れました」
そう言って「迷惑、ですか?」と首をかしげる。
そう言えば体が軽い、キスされた時、魔力を注入したと言うのは本当なのだろう。
…………そのお陰で違うところも元気になりましたよ。
うん、勿論精神だよ、心が疲労してたから、これで少しはマシになった。
ん? どこが元気になったか違うことを考えてた? それは心が穢れているのです、このお話を見て一緒に穢れを落としましょう。
アッハイな人は共にこの道を歩もう、キミとは好い酒が飲めそうだ。
「あー………どう、したんですか?」
いや? なんでもないよ。
にしても、新しい奴が来たけど、分類的に言えば、これは降霊魔術の一つなのだろうか?
疑問に思うが、俺はまあいいかと投げやりになる。
だってかわいいんだもん、首かしげて「?」 浮かべてるもん。
ぼうっと見つめて、何か忘れていることに気が付く。
「――――、」
後ろを振り向けば、アイアンメイデン。




