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ピチャピチャ(白目)

ずっと前、親父が酔っ払っていた話。


親父は俺に酒を告げと言って、寒い親父ギャグを連発しながら酒瓶を差し出した事があった。


「父さん実は魔法使いなんだ」


小学校高学年に言うべき言葉ではない、その時の俺はサンタクロースだって信じていなかったんだぞ。


けれど親父は様々な事を話した。六道輪廻説は存在する、精霊は実際にいる、神様は存在する、そんな話。


「一度な、俺は神様をぶん殴った事があるんだよ、子供の命一つ救えないのかってな、神様怒りながら俺に電撃浴びせやがったぜケラケラ」


笑いながらそんな夢物語を俺に聞かせていた。


嘘みたいな話を、俺は歳相応に目を輝かせて聞いていたのかもしれない。


あの頃は楽しかった。


また皆と騒げたら……………。



――――何か、冷たいモノが俺の喉を通る。


それが何かしらの飲み物と分かったのは、舌が味覚がすると訴えていたからだ。


青臭くて苦くて、それでいて少しだけ甘い、なんとも複雑な味。


でも、その液体は氷の様に冷たくて、とても心地好い気分になる。


ついでに頭にもそんな冷たいものが―――。


あれ?もしかして水? だとしたら冷たいのも頷けんのだけど………


ハッ!? まさかアイアンメイデンが水責めの拷問を俺にしているのか!? おのれ、気絶している人間に何と言う仕打ち!!早く起きなければ!!


ガバッ!!と目を大きく見開かせる、アイアンメイデンがヤカンを持って俺に水を掛けてたらどうしようと思っていたが。


予想外に予想以上な事だった。


「ん、ちぅ………」


「んが、………ガボボ!!」


それは一言で片付けるのであれば、接吻である。


切腹? 腹切ってどうするんだよ、接待? 誰が何をだよ。


俺が言うのは接吻、キスだ、猛烈なキスがすごく冷たい。


と言うかだんだんと息苦しくなる、鼻にも口にも液体がドバドバ入ってくる。


とてもじゃないが息ができない。半ば押し返すように体を起こすと、キスをしていた相手が俊敏に後ろに下がる。


「な、何奴じゃ!? 早急に名前を名乗り出会え出会えー!!」


いつしか言ってみたかった時代劇の台詞を今ここで言ってしまう自分に腹が立つ、しかも台詞混ざってるし。


「あー………私、水、の、精霊、うんでぃーね。です」


………目の前に居たのは、青々しい色をした女の子。


青々しいと言っても髪や服装が青色で統一されていて、瞳は蒼く光を反射していない(つまりハイライトが無い)。


「あー………私、補給、彼方、の、魔力、回復、し、てました」


……言ってる言葉は分かるが、言ってる事が分からん。


何? 魔力を回復? お前が?


「あー………私、瓶、中、に、入、ってました、彼方、が、魔力、を、与えた、お陰、です」


――――――え? あの液体、お前だったの?


「あー………はい、魔力、回復、しようと、して、ルーンマイト、いっぱい、飲みました」


ルーンマイトを飲んだ? 『魔力上昇ドリンク』を、飲んだって事か?


「いや、だとしてもどうやって見つけたんだ? 親父が持って来た液体がお前なら分かる気もするが、ドリンクの場所、親父に聞いていたのか?」


「あー………いえ、魔力、が、高い、所、探したら。見つけました、液体、なら、どんな、の、でも、見つけられ、ます」


親父の最後の封筒に入っていた液体は、いつの間にか女の子になっていました。

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