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第34話 話し合い

 宣誓式が終わり、第一試合の準備が始まると、ジョン・マクノエンは、三港会サイガンフのヒゼンとスベル・マーシュとの講和会談に臨んでいた。


 「お待たせいたしました。では、試合が始まる前に話し合いを始めましょう」


 ジョンが席に着くと、真っ先に動いたのはスベルであった。


 スベルは、三港会側の講和条件を記した用紙をジョン側の代表団に渡して行ったのである。


 「こちらが、当方側から出す講和条件です」


 「見せてもらうよ」


 三港会からの講和条件は、3つであった。

 

 1)先の桟橋にて破壊した品物の賠償をして貰い、ジョンファミリーからの誠意を確認する。


 2)ジョンファミリーは、以後三港会の傘下となり、マルサラを含む内陸側の縄張りでの事業を行い。その収益の40%を三港会に納めるものとする。


 3)マルサラには新たな港代を置くため、ジョンファミリーは、その下に付くために、本部上納とは別に20%をマルサラ港代に納めることとする。

 

 「……これを飲めというのですかな?三港会は、私たちを馬鹿にしてるのか!」


 ジョンの横で座っていたボブスが、机を叩きながら声を荒げると、横に居たクラレット・シュナウも不満気な顔で相手側に視線を向けた。


 「一番最初の要件は分かる。こちら側が詫びの話を持ってきた地点でそちらへの示しとなるだろう。だが、後の二つはどうだ!一方的に搾取しようとしているだけではないか」


 「本当よ!あんまりにも酷い条件だわ」


 クラレットとボブスが不満をぶちまける中、ジョンは講和条件眺めていた。


 「ジョンさんは、どうですか?あなたが決定すれば、彼らの戯言はどうとでもなるよな」


 ヒゼンが講和条件の紙を叩きながらジョンからの答えを催促していた。

 横に居たスベルもジョンからの回答を待っているのか、不敵に笑いながら彼のサインを待っていた。


 「……ここには、ジョウノ市長から会う様に言われたから、この話をしている。だから、彼のメンツを潰さない様にしたいと思っている」


 「そうだろ。だったら、さっさとサインしないかね」


 「だからと言って、うちの者たちが路頭に迷わせるようなことは出来ないし、する気もない」


 「はぁ?」


 苛立ち口調でスベルがジョンに恫喝的口調をぶつける。


 「この条件を飲む事は出来ませんな」


 「何だと!」

 

 ジョンが三港会の講和条件を投げ返したのを見てスベルが声を荒げる。


 「この条件を飲まないということは、三港会と本気で殺り合うという事になりますよ。その覚悟はあるのですか?」


 「それも考えておりません」


 「……?どういう事だ」


 ジョンが指を鳴らすと、若い衆が数樽転がして持ってきた。


 「噂のエールか。これでチャラにしろと?」

 

 「この程度で済まそうとは思っていませんよ」


 ジョンは、一枚の紙をヒゼンに手渡す。


 「これは、専売権か?」


 「ええ。マルサラ以外の各諸島への専売権です」


 ジョンが手渡したのは、ラガービールの「優先卸先」と書かれた書類である。


 「現在。このラガービールは、我らジョンファミリーの蒸留所でしか作っておりません。これは、極めて温度管理などが難しく、かなりの人件費が必要となるものです。ですから、傘下入りして高い上納金を払うとならば、これを維持できなくなってしまいます」


 「だったら、その施設を三港会直轄の施設とすればよかろう」


 ヒゼンがそう言うとジョンが困ったような顔を見せる。


 「内陸にあるエルフの国へ、出稼ぎに来てくれると?それに、物流網の整備なども一からとなってしまいますよ」


 「おまえ!傘下入りするのだから、それの管理くらい、しっかりしないか」


 「生憎、うちは少人数ですからね。。そんなに大きくもない稼ぎのために、働いてくれる者も減るでしょう」


 「舐めた事を言いやがって!」


 煽られて苛立つスベルの横で睨み付けていたヒゼンは、ふてぶてしいジョンの顔を眺めながら、口を開いた。


 「ジョンさん。あなたは、変わった武器をお持ちでしたね。それを一部流してくれませんか?」

 

 「なるほどね。あんたの狙いは、それってわけか?」


 「俺じゃない。総代の考えだ」


 「お宅のトップか?」


 ジョンが少し困った顔をしたのをヒゼンの方に視線を向けていた。


 「……分かりました。そちらの条件を聞きましょう」


 「では、こちらを見てください」


 ヒゼンは、自身が持っていた和解案をスベルを含めて手渡されていた。


 「これは……どういう事だ?ヒゼン!」


 ヒゼンが提示した和解案は、先ほどのよりも大分温和なものであった。


 1)ジョンファミリーは、桟橋で入手したものについて、当方への返却を求める。しかし、既に現金化している場合は、半分をこちらに渡す事とする。


 2)ジョンファミリーと当方の仲介地としてマルサラを中立地区とする。


 3)以後、当方とジョンファミリーは同盟関係となる。


 「この条件に専売権を加える。それで、問題ないだろう」


 ヒゼンは、ジョンに視線を送った。


 ジョンは、手前に座る二人を見た後にヒゼンへと視線を戻してから、笑みを浮かべた。


 「交渉成立だ」


 「よかった。あなたと殺り合うのは、避けたかったからな」


 ジョンとヒゼンは、互いに和解案の示された用紙にサインした。


≪現在のジョンが所持している物一覧≫

 財布 チップ10枚

 倉庫 --

 所持 拳銃 M1905 1丁 コルト・ニューポケット1丁 モーゼルC96 1丁 S&WM10 2丁

    短機関銃 トンプソン・サブマシンガン 4丁

    その他 ライカ1カメラ 2台 火炎瓶 半ダース

    弾薬 38口径 200発 32口径コルト 25発 7.63×25㎜マウザー弾 15発 .45ACP弾30発弾倉6本

 

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