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第26話 犯人捜し

 ジョン・マクノエンは、ガティールとマントが襲撃されたことを受け、全員をクラレット・シュナウの店に集めていた。


 「何とも悲惨なことになりましたな。街道にて襲撃してきた奴らは、一体誰なのでしょう?」


 ボブスが何とも言えない表情を浮かべながら、周囲の者たちに視線をやる。


 新参者たちは不安そうにうつむいており、悔しさを滲ませているのは、同行していたマントと古参のキャッシー、そしてソウル・レコードだった。


 「一体どこのどいつが、こんな真似をしやがったんだ!」


 ソウルが怒りに任せて机を叩くと、隣にいたラピドゥスに制される。


 「ここで怒っても仕方ないでしょ。それに、腹を立てているのは貴方だけじゃないわ」


 ラピドゥスになだめられたソウルは、隣で震えているキャッシーの姿を見て、少し冷静さを取り戻した。


 「皆の怒りはよくわかった。今回の一件は、我らに対する宣戦布告だ。絶対に許すわけにはいかない」


 ジョンが集まった者たちに向かって静かに怒りを口にすると、一同は黙って聞き入った。


 「まずは、相手の所在を突き止めねばならん。頼めるか、ボブス」


 「承知しました」


 指名されたボブスは立ち上がり、コルクを削って作った駒を地図の上に並べ始めた。


 「まずは、襲撃のあった街道へと続く町から調査を始める。そこは、キャッシーとソウルに頼むぞ」


 「わかりました」


 「承知した」


 二人が立ち上がると、ジョンが歩み寄った。


 「これを持っていけ。役に立つはずだ」


 ジョンは、二挺のリボルバーと、レンズの付いた箱のような物を取り出した。


 「何ですか、この箱は?」


 「こいつは『カメラ』という代物だ。ここの覗き窓から狙いを定めてボタンを押す。そうすることで、見ている光景をそのまま写し取ることができるんだ」


 「そんなことができるのか?」


 「ああ。現像はこちらでするから、そのまま持って帰ってきてくれ」


 「了解しました」


 ジョンはカメラをソウルに手渡した。


 「それと、こいつは護身用だ。S&W M10という銃だよ」


 「これは、ガティールさんが使っていた物と同じですね」


 「ああ、基本は同じだ」


 二人が渡されたリボルバーを舐めるように見つめる傍らで、ボブスが話を続けた。


 「次は実動部隊の編成ですが、儂が若い衆を鍛えていこうと思っています。そのためには、こいつが必要なのですが……」


 ボブスはキャッシーたちが持つ銃を指差し、ジョンに視線を向ける。


 「安心しろ。もっといい物を手配してある」


 ジョンがそう言うと、油紙に包まれた大きな物体を取り出した。


 「何ですか? この異様にデカい物は」


 「とっておきの一品さ」


 ジョンが油紙を剥がすと、重厚な黒塗りの銃身と、松脂まつやにで磨き上げられた艶やかなグリップが姿を現した。


 アメリカ・マフィアの相棒、トンプソンだ。


 「こいつはまた……凄まじい代物ですな」


 「俺が昔愛用していた逸品だよ。その拳銃よりも弾をばらまけるから、敵のねぐらを潰すのに丁度いい」


「なるほど。少し見せてもらっても?」


 ボブスは手に取った短機関銃をいじりながら、ニヤリと笑って銃口をジョンに向けた。


 「……言っておくが、俺を殺したいなら、黙って引き金を引くもんだぜ」


 「……ふ、ハハハハ!」


 ボブスは銃を下ろし、豪快に笑いながら両手を上げた。


 「失礼した。お前さんがしぼんでいないかと思ってな。それより、この扱いは若い衆にどう説明すればいい?」


 「貸してみろ」


 ジョンはトンプソンを手に取ると、油紙の中から黒い棒状の部品マガジンを取り出した。


 「これを取り付けて、横のレバーを引く。これで弾が装填され、撃てるようになる」


 ジョンはトンプソンを携えて外へ出ると、庭にある草束へ銃口を向けた。


 「威力を見せてやろう」


 ジョンが構えて引き金を引くと、「ドドド」という激しい発射音と共に、草束が無数の銃弾に叩き伏せられていった。


 「一度引き金を引けば、瞬時に無数の弾丸を撃ち出せるんだ」


 ジョンが振り返ると、凄まじい音と閃光に驚いた一同は、腰を抜かして座り込んでいた。


 「何とも恐ろしい音ですね。こんなものを、ジョンさんは事もなげに扱うなんて」


 「さほど重くないからな。あとは、いかに反動を抑えるかだ」


 驚いてへたり込むクラレットに、ジョンは不敵な笑みを浮かべて手を差し伸べた。


 「ボブス。この扱いを、選抜した若い衆に叩き込んでやってくれ」


 「かしこまりました。私も含め、完璧に使いこなしてみせましょう」


 ボブスの答えを聞き、ジョンは満足げにトンプソンを手渡した。


 「それと、こいつも車に乗せておくか」


 ジョンは、空瓶の束を持っていった。


 「なんで、空瓶を持って行くの?」


 「こいつは、秘密兵器さ。当日の楽しみにしといてくれ」


 クラレットの質問に不敵な笑みを浮かべるジョンが軽口で返す。


 「さあ――反撃の準備だ」


≪現在のジョンが所持している物一覧≫

 財布 チップ10枚

 倉庫 --

 所持 拳銃 M1905 1丁 コルト・ニューポケット1丁 モーゼルC96 1丁 S&WM10 2丁

    短機関銃 トンプソン・サブマシンガン 4丁

    その他 ライカ1カメラ 2台 空瓶 1ダート

    弾薬 38口径 240発 32口径コルト 25発 7.63×25㎜マウザー弾 15発 .45ACP弾30発弾倉12本

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