第18話 武器屋のボニー
鈴の音と共に、店内へ一人の中年男性が入ってきた。
「いらっしゃいませ。おお、予定通りの来店ですね」
「前の取引が予定通り終わりましたので。そちらが、今回の取引相手でしょうか?」
「こちらが、ご依頼人のMr.ジョンであります」
中年男性がリッチに尋ねると、彼はジョン・マクノエンを紹介した。
「初めまして、Mr.ジョン。私はボニーといいます」
「おう。あんたがこの手の物を売ってくれる商売人かい。よろしく頼むよ」
ジョンが指で引き金を引く真似をして見せると、ボニーはこくりと頷いた。
「Mr.ジョンに気に入っていただける商品があるかは分かりませんが、品揃えはそれなりにございますよ」
ボニーはそう言って、持っていたスーツケースを開いた。
ケースの中には、そのサイズに見合わないほどの銃火器やガジェットが整然と並べられていた。
「こいつはすごいな。小口径の拳銃程度かと思ったが、バラしたショットガンまであるじゃないか」
「ここに入りきらないものでも、私の車にはさらに大きな武器を積んでいます。何なりとお申し付けください」
《武器屋・ボニーについて》
リッチの店に現れる「スピーキーズ」の一人。
1920~30年代の銃火器や近接武器、軽爆発物を取り扱っている。
スーツケース:拳銃、分解された小口径のショットガンやライフル、アタッチメント、弾薬、片手用の近接武器など。
ロールス・ロイス・ファントムI:ライフル等の両手持ち火器、軽機関銃、爆発物、およびメンテナンス道具一式。
※商品は民間払い下げ品や軍からの横流し品。大砲や重機関銃などの重火器は通常扱っておらず、入手には多額の資金と時間が必要。
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ジョンは、ボニーが広げたスーツケースを眺めながら、手持ちのチップと相談し始めた。
「お使いの銃は、.38口径ですか?」
懐から覗くM1905を見て、ボニーが尋ねた。
「目がいいな。こいつは俺のお守りでよ。大事な品なんだ」
ジョンが拳銃を取り出して見せると、ボニーはまじまじと観察した。
「しっかり手入れされているようですね。ですが、こちらに来てからは油を差せていないようだ」
「ガンオイルを入手するタイミングがなくてね。ついでに見てくれないか」
「いいでしょう。軽く手入れさせていただきます。私が整備ている間に、商品をご覧ください。気になるものがあれば、好きに手に取っていただいて構いません」
ボニーに促され、ジョンは並べられた品定めを始める。
「こいつと、こいつだな」
ジョンは一丁のリボルバーと弾薬、そして両刃ナイフを数本選んだ。
「ボニーさんよ。これでいくらになる?」
「チップ3枚になります。……おや、ニューポケットですか。取り回しのいいモデルですから、小柄な方でも使いやすいですよ」
「そうなのか。なら、もう一丁選ばせてくれ」
ジョンは手前にあったオートマチック拳銃を指差した。
「モーゼルC96ですか。大型ですから、隠し持つには向きませんよ」
「構わない。こいつは『制圧用』だからな」
ジョンの答えに納得したボニーは、拡張マガジンを差し出した。
「それならば、これを付けましょう。装弾数が倍になります」
「そいつはありがたい。セッティングを頼むよ」
「承知しました。合わせてチップ6枚になります。弾薬も込めておきましょう」
「ちょうどあるな。これで頼む」
ジョンがチップを差し出すと、ボニーはそれを鮮やかに受け取った。
「これで、今度の『説得』には十分だろう」
ジョンが店を出るのを、リッチとボニーが微笑みながら見送った。
戻ってきたジョンを、ガティールとボブスが待っていた。
「オカえりなさい」
「おう。いい物を持って帰ってきたぜ」
ジョンはそう言って、ガティールにモーゼルC96を手渡した。
「これハ?」
「俺が使っているやつの、でけぇ版だ。外で試してみろ」
「ソウですか? なら……」
ガティールは少し戸惑いながらも外へ向かい、ジョンもニヤけながらその後を追った。
その様子を眺めながら、ボブスもジョンが持ち帰った新しい武器に興味を示していた。
ジョンは近くにあった薪を数本並べた。
「試しにこれを撃ってみろ。上にある照星で目標を狙って、引き金を引くんだ」
「えっと……コウか?」
ガティールがおぼつかない手つきで引き金を引くと、不意に放たれた銃弾が明後日の方向へ飛んでいく。
「お、おい! 危ねぇじゃねえか、しっかり狙え!」
「すまナイ。中々難シイな」
こうして二人は、ジョンが持ち込んだ「新しいおもちゃ」の練習を続けた。
≪現在のジョンが所持している物一覧≫
財布 チップ0枚
倉庫 なし
所持 拳銃 M1905 1丁 コルト・ニューポケット1丁 モーゼルC96 1丁
弾薬 38口径 40発 32口径コルト 25発 7.63×25㎜マウザー弾 40発
両刃ナイフ 4本




