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魂粥術師(こんしゅくじゅつし):陰陽六氏とエクトプラズマーズ  作者: 金澤 弥芳


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4/23

4 ミドりミドられ

至るところで絶賛増殖中の脳ミソ剝き出しマンが、発砲し殴り斬りつけ、緑の液体を飛び散らかしている。


ロクのいる本堂まであと10m!

有棘骨の痛みに顔を歪め不細工走りの烏崑は聞き覚えのある振動を腹に感じ、その方を振り返った。

西の鳥居の向こう。

緑色のスプラッターの中を、ブロロロロロと野獣の唸り声のようなエンジン音が地面を震わせグングン近づいてくる。

レミーの魔改造されたハーレイである。

「レミーさん!」

後ろに乗せている2人がノットラレの頭部に的確に銃をぶっ放し頭部を吹き飛ばしてゆく。

「遅くなったな!」

レミーのハーレイがスライドしながら烏崑の5m手前に停車した。

ん?ん?一瞬脳がバグる。

レミーの後ろにいるのは一つの身体に頭が二つ。

一人はかなり顔に特徴がある。

人外?

「人外じゃねぇっつーの」

双頭の個性的な方が被せるように言い放ち、革ジャンの背中の文字を親指で示す。

『人外じゃねぇ』の文字。

「僕は何も・・」

「先に言っとかねーと、通報されるし、逃げられるし、石投げられるしよ。人外でググると、何故か俺らの写真が混じってる。だからグー〇ルは大っ嫌いだ」

「は、はぁ」

「俺はジン」

「僕はマーコ」

話しながらも、ノットラレの頭をボンボン撃ち抜いていく。

双頭右側のジンと左側のマーコは対照的で、ジンはピンク髪のドレッドでツーブロック、入れ墨、ピアス、スプリットタン(蛇舌)とゴリッゴリの感じで、マーコはそのすっぴん。しっかりとした鼻筋がセクシーなイケメン。

ビフォーアフターのようになっている。

双頭はレミーさんの後部席から飛び降り、右のジンはショットガンから拳銃に切り替え、緑ゴブリンの頭部を打ち抜いている。

左のマーコはデコピンのように中指を弾くと、その先から魂粥の糸が発射され、50m先のゾンビのようなノットラレ渦中の地面に突き刺さった。

スパイダーマンのように、糸の先端に引っ張られ、到着するなり元やじ馬のノットラレ達をジンは拳銃で乱射、マーコは手から出した魂粥を鋼鉄の刀に変化させ、次々と駆逐していく。

モーターヘッドの六氏関連はレミーさんだけかと思ったが、まだいたのか。

ある意味同士撃ちとなっているモーターヘッドの面々にレミーは鼻息をフカし、仲間達を救出にハーレーで向かう。

ブロロロン。

「貴様ら、とにかく身を守れ、歯を食いしばって、クソミドリを身体の穴に入れんじゃねぇ。無事なヤツは一人残らず救いだす。それまでは何としても自分を守るんじゃー」

レミーは巨大なヌンチャク型斧をブン回し、ノットラレの胴を真っ二つに斬り裂いていく。

「ウォー、ベティー」

レミ―は涙をほとばしらせ、向かってくるベティーを正面にブレーキをかけ、「何て事だ」瞬時にベティーを上から真っ二つに斬りつける。

身体の正中に充填されていた緑ゴブリン10匹も真っ二つになっていく。

そしてベティーの内臓がばらけないように、別れた身体を一つにして、はだけた胸に着ていた革ジャンをかけ、抱きしめる。

抱き離し、むせび泣きながら、露出した脳を、バンダナで覆い隠す。

「こんな姿に・・・」

握ったベティーの指には『LEMMY』と、1本ずつ彫られている。

「ウォー、一匹残らず、チタタプにしてやる。クソミドリ」

レミーは襲い掛かるノットラレの鼻穴に逆ピースした指先を突っ込むと、緑ゴブリンがオモチャの黒ひげ危機一髪のように跳びあがる。

地面に落ちた緑ゴブリン踏みつけ、つま先でにじり潰すと、ハーレイにまたがり、無事なメンバーを次々引っ掴み、烏崑の足元辺りに投げつける。

「本堂へ突っ込んでくれ!」

「分かりました」

烏崑は頭上に次々と降ってくるゴツいモーターヘッド達をで片手で受け止め、本堂へ促す。


「やるじゃん」

双頭のマーコが刀で血しぶきをあげながら遠くの烏崑に声をかけ、白い歯を見せる。

双頭右のジンも、

「あのガキ、普通じゃねーな」

と、目を細めるが、レミーの後方のノットラレを指さし、

「おっさん、後ろ!」


暴れ馬のようなハーレイを操っているレミーの後方から相撲取りのようなノットラレ2体が異様な跳躍で、次々と覆いかぶさり、横倒しになり、ヌンチャク型斧を取り落とした。

しかしレミーはなんとか左足を残し踏ん張りその場にとどまる。

バイクは横転しながらスピンし転がっていく。

レミーは襲い掛かる巨体のノットラレ2体の顔面をぶち抜き、頭部を掴み、間髪おかずに地面に叩き潰す。

「ウォー」

完全に振り切れている。

レミーはヌンチャク斧を手に、無事な団員を救出しながら付近のノットラレを肉片にしていくが、目の端に入ったのは15m先、ノットラレが顎を外し、団員に噛みつこうとしている。

間に合わないか。

レミーの拳から魂粥(こんしゅく)が伸び、先端が拳のような形になり切れず、無骨な岩状となり、引きちぎれ、そのノットラレの顔面を粉砕したまま飛んで行く。

双頭左のマーコは、

「あー、やっちゃった」

レミーは身体からシューと蒸気を出しながら、膝をつく。

「どうした?」

と双頭右のジン。

「レミーさん、魂粥ちぎっちゃったよ」

「あーあ、張り切り過ぎて出オチじゃねーか。魂粥の使い方がもったいねーんだよ。魂粥量多いのに、勢いに任せるから、あんなことになる」

「ジンも同じタイプじゃん」

「うっせー」

レミーはそれでもようやっと立ち上がり、ふらつきながら、付近のノットラレをすべて駆逐し、最後の団員一人を烏崑にぶん投げると、白目を剥き力尽き、バッタンと倒れた。

烏崑はレミーの投げた最後の団員を受け取ると、本堂へ誘導した。


「おっさん」

双頭は果てしないやじ馬ノットラレとの戦闘から一旦脱し、レミーの方へ駆けだした。

双頭は靴裏に魂粥をまとわせ、アイススケートのように地面を滑りノットラレを避け、レミーの横に止まる。

「おい、おっさん」

双頭右のジンがレミーの脇腹を蹴る。

「ジン」

双頭左のマーコは制し、

「魂尽きたかな」

「魂粥をあんだけちぎると、魂が霧散すんだろ」

「多分ね。魂粥術の禁忌だっつーのに」

マーコの左半身がレミーの襟首を引っ掴み、烏崑にぶん投げる。

「このおっさんもお願い」

烏崑はレミーを何とかキャッチすると、ひと際巨体であるため、激痛が走る。

「おっも・・」

ゆっくりと本殿に寝かせ、一人扉を出て後ろでに閉めた。

本殿をノットラレから守らなくては。

烏崑は扉を背にレミーの装備していた銃を構える。


ノットラレは、街の住人も取り込んでいるのか北鳥居向こうの階段にもワラワラと登ってきている。

双頭に向かってくる一団の中にひと際体デカいノットラレがいる。優に2mはあろうか。

双頭左のマーコは目を細める。

「あいつ、国分じゃない?」

「誰それ?」

「同じ身体なのにこうも知識が違うかね。僕らと一緒の、小野家にいたブンブン丸でしょ」

「あぁ、何か聞いた事あるかも」

「一時期話題になってだでしょ。ジンとも話したことなかったっけ?」

ジンは全くピンときていない。キョトンとしている。

「んで、何そのブンブン丸って」

「迷惑系ユーチューバーならぬ、迷惑系チーゴナーだよ。早くに伍獄まで行ったけど、伸び悩んで、闇落ちしたんだよ。小野家を抜けて異能を悪用して犯罪者になったヤツ、薬中でボロボロになったとか」

「小野家はあんなの放置したままにしてんのか」

「化主が不在だから、色々ずさんなとこがある」

「まぁ、俺らもどっちかっていうと処分対象だから、ずさんで助かったところは多いにあるな」

「うん。あ、目が合っちゃった。あいつが来るまであと30秒ってとこかな」

「おうよ、ゴブリンにノットラレるようじゃ大した事ねー」

「でも、氣ぃ抜くとやられるから。乗っ取られると能力が数段階引き上げられる。あの幼児見てみて」

緑の脳を剥きだしにした2歳くらいの幼児が、力石(ちからいし)を持ち上げて、サッカーのスローインのようにして双頭兄弟にぶん投げる。

「わぁ」

ジンは左のマーコに隠れるように反転し、マーコが咄嗟に左手で弾き落とす。

「というわけ」

「チビ助であれじゃ、確かにやべーな」

言い切らないうちに、ブンブン丸はあっという間に、双頭の間合いに入り、拳を振り下ろし、ジンが蹴り返そうと打ち込むが硬く、反動で地面に背中を打ち付ける。

「ぐはぁ、こんななのに、魂氣回せてる!」

ブンブン丸がジンの顔面に再び拳を打ち下ろしたところ、マーコが身をひるがえし、光る左足でブンブン丸の顔面右側面をとらえる。

ブンブン丸は、左足を踏ん張り、こらえるが、両目からドロとした緑色の液体が流れる。

にもかかわらず、見えていおるのかいないのか、回転の速い張り手を双頭に繰り出す。

双頭は避けながら、マーコが口を開く。

「今思い出したけど、最近小野家が迷惑系チーゴナーを取り締まる正式な組織を作ったっとかって言ってたな」

「なんだ、どっちにしろ、コイツは処分される身だった訳だ」

「そう、小野家が迷惑系をダントツ排出してるからね。他の陰陽から圧があったのかもね」

「ってか何でおんなじ身体なのに、こんなに知識が違げんだよ」

「ジンの興味が偏りすぎてるからでしょっと」

マーコの左手から繰り出した魂粥製の拳は魂粥製のバネで繋がっている。

グーニーズのデータが発明したパンチベルトのようである。

発射するとブンブン丸の鳩尾に直撃する。

一瞬ブンブン丸は魂粥の拳を掴みかけるもすり抜ける。

ブンブン丸は緑色の吐しゃ物をばら撒きながら、ゴロゴロと後方に転がっていった。

「なんだよ、そのだっせービヨンビヨンパンチ。恥っずい」

「かっこいいじゃんか。チーゴナーになれないヤツに言われたくないね」

「美的センスの話をしてんだ」

ブンブン丸はゴボボボと緑色の液体を吐き出しながら、本殿の鈴緒に摑まり立ち上がった。

ジンは近づく別のノットラレに発砲しながら、

「ブンブン丸は優等生に任せる」

ブンブン丸は片手で軽々賽銭箱振り回し、双頭は跳び退いた。

マーコが再び、魂粥バネパンチを発射すると、ブンブン丸は賽銭箱で防ぎ、底がぶち破れ穴が開いた。

そのままブンブン丸が賽銭箱を振り下ろす。

小銭や札が降り注ぐとジンは、

「わーい。万札ジャンジャンバリバリ」

と、拳銃を落とし、札に手を伸ばしたところ、ブンブン丸の左拳がジンの右わき腹にめり込む。

ゴフゥッ。

双頭の両足が浮き上がる。マーコが咄嗟に左手から魂粥製の刀を形作り、完成していないまま、ブンブン丸の首を切り落とした。

着地した双頭の口元から血が伝う。

マーコが魂粥製の電流ムチをブンブン丸に突き刺した。

ビリリリリリ。

首元から焦げた緑ゴブリンが数匹出てきて力尽きた。

大物はやったが、周囲はノットラレだらけとなっている。

「渋谷の交差点より凄い」

「ノットラレがいくらでも涌いてきやがる。このままじゃジリ貧だぞ」

カチ、カチ・・。ジンが拾った拳銃は弾切れとなっている。

「ジンは魂粥で固まって、防御に徹しててくれ。あとは僕が何とか耐える。もうすぐ蓮寺さんとこが来るから、それまでの辛抱だ」

「お前も固まってりゃいいじゃん」

「このうじゃうじゃの中に元チーゴナーが混じってなけりゃ、あと50人くらいは殺れる」

「おう、じゃ、冬眠するとするか。お前もその方が動きやすいんだろ」

「悪いね」

「おう、じゃ、遠慮なく。魂粥はちぎるなよ」

とジンが目を瞑ると右半身は白く固まった。

マーコは魂粥製のムチを、円状に振り回し、ノットラレの肉片を削っていく。



蓮寺の慶と黒づくめABは本体の月面人外と戦っていた。

この人外は6mは優にあり、建物のようにデカい。

慶は白紫(はくし)色の気体をまとい、白紫の魂粥刀を構え斬りかかっているが、刃が通らない。

月面人外は全身のクレーターのような肛門穴を、ゆっくりと膨隆させている。

慶は、無数の肛門部から次々と噴射される緑ゴブリンを斬りつけ絶命させ、肛門部の開いた隙に、魂粥をまとった(こぶし)をねじ込ませようと試みるが、どの穴が開くか規則性はなく、開肛時間が短い為、すんでのところで穴が閉じ全て失敗に終わる。体力がすり減っていくばかりであった。

黒づくめABは茶々を棺桶に押し込めた時点で既に限界を越えており、時折り刀を杖のようにつき、肩で息をしており、慶に守られているような状態である。

月面人外の肛門の一つから発射した緑ゴブリンが慶の刀をすり抜け、軌道の先には黒づくめA。

黒づくめAは着弾する寸前に緑ゴブリン手刀で叩き落とし、黒づくめBが魂粥から弓矢を形成し射抜く。

魂粥矢の矢筈(やはず)は人差し指、中指から魂粥糸で繋がっており、打ち抜くと引き戻され、再利用される仕組みである。

黒づくめBは、

「マー様を捕らえた段階でゲージが1%もないのに、こんな仕事まで。ここはどんだけブラック企業なんですか。フフ」

黒づくめAの露出した左目が黒づくめを見やり、

「だね。膝が笑ってる。ケケケケケケ」

「笑い声が不気味ですよ」

「疲れてるんだもん」

「私もチンポジを直す力も残ってないです」

「チンポないでしょ」

「そうでした」

黒づくめAはフードの中でククと笑う。


慶は人外の弱い部分を探してアキレス腱を狙うが弾かれる。

「ここもカッタィ・・、それなら」

と、10本の指から魂粥糸を発射し、肛門様10カ所に接着させた。

開肛と同時に魂粥糸を滑り込ませ、内側から搔きまわしたい。

しかし、月面人外の動きは激しく、魂粥糸は何度も千切れる。

慶の息が更に荒くなる。

魂粥が千切れると体力は激しく消耗するのである。

「(魂粥の)残量がかなりギリですね。回復に回したいところですが」


慶と黒づくめABは緑ゴブリンと本体の攻撃をかわすのに精いっぱいで、反撃のアイディアが浮かばない。

黒づくめAが跳びあがり頭部を魂粥刀で斬りつけるも、ガチンと音が響くのみである。

「クソッ、カッタい。こいつを足止めして応援を待つしかないのか」

慶はちぎれた魂粥糸を再生させながら、黒づくめAに、

「蓮寺のマー様達の多くは樹海に行かれてて、多分多摩地区にマー様はいらっしゃらない」

「状況はウチも同じだ。黒竜の巣がデカいらしい。」

「黒竜の幼体1匹で歌舞伎町が半壊したというのに。あんなのがウジャウジャいると?」

「あぁ、全国に散らばると収拾がつかなくなるからな、六氏とウチのマー様には招集がかかっているはず」

「歌舞伎町の黒竜といえば、安倍氏が関連しているという噂があるけど」

「十中八九間違いないだろう」

「何故調査しないのですか?あなた方は何故か安倍には甘いのではと不満が上がってる」

「陰陽六氏それぞれ後ろ暗いところはあるだろう。踏み込み過ぎると、白が黒としてパタパタ裏返る可能性を孕んでいる」

黒づくめAのエメラルドグリーンの瞳が鋭くなり、

「蓮寺!袖に気を付けろ!」

と、慶の袖に噛みついている複数の緑ゴブリンを指摘する。

「キモっち悪い」

慶は払いのけようにも、魂粥糸をしかけており、両手が塞がっている。

黒づくめAは慶の正面に移動し白金(はくきん)の炎で慎重に焼く。

「変に破裂させると硫酸みたいなものが飛び散る」

と、慶の焼けた袖を引きちぎると二の腕が露出する。顔に似合わず逞しい。

緑ゴブリンを全て焼き尽くしてしまいたいが、月面人外はその隙を与えてくれない。2mはある月面人外の手の平が振り下ろされ、2人は後方に跳び退く。

黒づくめBが跳びあがり、月面人外の首元を魂粥刀で斬りつけると、20センチ程度スパッと切り込みが入る。

「首行けるかも」

月面人外が慶に拳を振り下ろし、高く跳び退いた慶の着地点に黒づくめAがローリングソバットで、慶の足裏を弾き上げた。

飛び上がった慶は魂粥糸を手元に戻し、ジュクジュクと刀を形成し、イビツな斬馬刀となり、モノノケの首元の一部、1m程度ぶった斬る。

するとその切断面からブゥワッと緑ゴブリンが溢れ、あっという間に慶は緑ゴブリンに覆われ、地面に背中が叩きつけられた。

瞬時に全身から光を放ち、緑ゴブリンに身体を食い破られないよう硬質化する。

だが、緑ゴブリンは慶の口から鼻から服や下着の中へも身体をねじ込み、カジカジと噛み続ける。


月面人外は斬りつけられた断面を、内側の緑ゴブリン達が自身を溶かし、緑の粘着物質にして塞ぐ。

月面人外は後方にふらつきながら咳き込むように全身の肛門部が開閉する。

「ラナ、穴に炎を!」

ラナと呼ばれた黒づくめBはすかさず肛門に拳をねじ込み、拳に灯した炎の火力を急激に上げると、人外の中で爆発音がし、全身の肛門部から煙が上がり、中にいた緑ゴブリンの肉塊をププププと吐き出すと同時に緑の吐しゃ物を噴射させる。

ラナの右手首より先はなく、骨が露出している。

ラナは口からジュクジュクと粥状のエクトプラズム(魂粥)を出し右手首を止血した。

顔を歪め、

「チッ、ダメか・・」

「いったん距離をとれ」

黒づくめAが声を荒げる。

人外は緩慢な動きから一転、狂ったように緑色の煙を全ての穴から吐き出しながら、身体をフル活用し、力強い打撃を繰り出す。

ラナは必死に避けるが、何度か打撃を食らい、遠のく意識を必死に踏ん張り、後方にステップを踏んでいる。

緑ゴブリンは先ほどより慶の口の中に奥深く潜り込み、腹部が出血し、食い破られかけていた。

慶の身体を保護している魂粥が弱まっている。

と、口の防御がやぶられ、数匹潜り込んでいった。

黒づくめAは、意識のない慶の胸元を引っ掴み、人外の攻撃を避けながら緑ゴブリン引き剥がしていくが、「しちめんどい」と慶の衣類を全て剥がしていく。

緑ゴブリンは慶の穴という穴に潜り込もうとしている。

黒づくめAは緑ゴブリンを引きずり出し、白金(はくきん)の炎で燃やし、自身の仮面をずらし、慶に接吻するようにして食道に潜り込んだ緑ゴブリンを吸い込み、ゴリぐちゅゴギと咀嚼し噛みつき、噛みつき、噛みつき、緑の汁を垂らしながらゴリぐちゅゴギャと咀嚼し、噛みつき嚥下し、噛みつき咀嚼し、最後の一匹を呑み込み口を閉じるとモゴモゴさせ透明の袋を嘔吐した。

黒づくめAはグッチョングッチョンの緑ゴブリンの肉塊の入った袋を縛り、投げ捨て小さくゲップをした。


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