10 三大魂粥術師
レミーは、満腹時のように腹をさすり、
「天国について断定は出来ないが、地獄はある。地獄に行って戻ってきたもの達が魂粥術の最高位、魂粥術師、エクトプラズマーになるからな」
「え?何で地獄に行くんですか?」
レミ―はヴぉヴぉヴぉヴぉと口から白い気体とも液体ともつかないものを浮遊させ、元に戻す。
「これが『魂粥』。魂の質量が30gやそこらじゃ、出来る事が制限される。上位の人外を打ち倒すには圧倒的に質量が足りない。そこで、魂の質量を増やすため、地獄に行き、多くの純粋な『魂殻』を自分の魂粥と混ぜ込み、自分のモノにして帰ってくる必要がある」
「地獄には『魂殻』が落ちてるんですか?」
「地獄へ落ちた魂は、『魂殻』を割って産まれ地獄の住人になる。そこで不要となった『魂殻』の欠片が落ちている、だが、時には地獄の住人と奪い合い勝ち取る必要がある。そいつらにとっても現世に逃げ出す為に必要らしいからな」
「地獄の住人と渡り合えるくらいじゃないと、地獄へ行く事は出来ないんですね」
「俺らみたいな凡才が努力だけで何とかなるもんじゃない。魂粥塾で十獄にまで上り詰め、増やした魂粥に耐えうる肉体と魂殻を作り、更に太極門を抜ける術を会得し、地獄に行く。天才がバチクソ努力してようやく行けるところだ。それに地獄だぞ。規格外の魑魅魍魎が跋扈してやがる。更に地獄で正気を保つのは難しい。下手すれば地獄の瘴気にやられ、魑魅魍魎の一部になってしまう者だっている」
「『魂殻』の収穫がなくこっちの世界に戻る事もあるんですか?」
「あぁ、少なからずいる。収穫なしの彼らも敬意をもって『万獄』と呼ばれている。再度地獄にトライする者もいるが、PTSDのような感じで、心に大きな傷を負い、それ以上を望まない者もいる。中にはせっかく『魂殻』を増やして帰ったところで、廃人になる者もいる。地獄とはそういうところなんだ」
ジンは地獄を表情で表現しながら、
「地獄に染まって戻ってきたヤツは、地獄の憎悪や絶望や残虐に魂を侵食され、エネルギーも制御しきれず暴れ狂う。上位の人外並にやっかいだという。だから魂粥術師になる儀式は、陰陽六氏それぞれにやり方はあるが、基本的には魂粥術師3人が付き添い、3日間拘束し続ける」
と、ジンは目を瞑って、拘束されるポーズをしたので、レミーに訊ねた。
「3日間で地獄から戻って来なかったらどうするんですか?」
「3日を過ぎると、地獄に魂が染まってしまうためなのか、戻ってくる可能性が1%未満となる。肉体が朽ちるまでは、高賀茂では『獄人の間』というところで厳重に隔離して、心臓が停止したら火葬される」
ジンは身を乗り出し、食い気味に、
「だが、例外もある。小野家の化主の篁様は、地獄に行ってるが、数百年同じ姿を留めている。髪も髭も伸び続けている。だから月に1回散髪しているし、月に1回射精もする。その勢いが凄まじくて発射物に射抜かれて死んだ者もいるとか。だははは。俺らが『皇の間』に関わる事はないから、確認した訳じゃねーが、ま、そんな化け物レベルの例外もいる」
ジンは抜けた筈の小野なのに、誇らしげに化主の自慢をする。
小野篁・・・、確か、小野妹子の子孫で、小野小町の祖父だったような、あの小野篁?
「小野篁って歴史上の人物じゃないですか。そんな人がまだ生きてるんですか」
「今の状態を生きてるっていうのかは分かんねーが、肉体は保ってる。現役の時は凄まじかったらしい。三大魂粥術師の中で最強だと言われてて、今は地獄で王として君臨してるなんて言われている」
「三大魂粥術師最強は聞き捨てならんな。高賀茂の初代化主、役小角様を差し置いて」
とレミーは鼻息荒く話す。
みんな自分のとこの化主大好きか!
マーコは間に入り、
「まぁまぁ、時代が違うし比べるのはやめましょーよ。ウィッ、安倍晴明も含めて陰陽六氏の化主様は突出してまーすよ」
なんだか、荒唐無稽のような話であるが、現実の出来事を照らし合わせると、すり合わせられるような気もする。奇妙な感覚だ。
「久麻野宇須神社のあの事件で、僕の友達が黒づくめに拉致されました。僕の命を引き換えにしても助け出すと決めているんですけど、奴らも魂粥術みたいのを使ってた。面の奥は皆白人の女でした。奴らについて何か知りませんか?」
「白人の女で魂粥術を使うといえば『彼女ら』しかおるまい」
レミーと双頭を頷き、声を合わせる。
「フィルス家」
烏崑も呟く。
「フィルス家・・」
マユの父親は沖縄だが、母はアイルランドとイギリス。
「彼らは皆白人なんですか?」
「世界的な組織だから人種は多様だが、主要メンバーは白人の女だ。西洋版の魂粥術師、エクトプラズマーと呼ばれている。またの名を『魔女』」
「『魔女』?」
マユは『魔女』の一味なのか?
「魔女の術も魂粥術。昔、彼らの一部が、女性を虐げる貴族の男を幾人かを殺害した事を機に、cradle of filth〈醜穢のゆりかご〉と蔑まれ、魔女狩りが行われた。彼女らには凄惨な記憶がある。その時の皮肉を込めて自らをフィルス家と名乗っている。だが、現在は人外を駆逐する世界最大の組織となっている」
「そういえば、僕の病院、単科の精神病院に准看護師として勤めているんですけど、まだ籍があるのかな?ま、いいや。そこで、街中で精神が錯乱した妊婦が警察経由で病院の外来の特殊生物妊娠疑いとして、特別保護室に連れて来られて、一時的に隔離・拘束するんですけど、確かその時、緊急車両で診察に来るのが白人の女性なんです」
レミーは髭をこすり、
「違ぇねぇ。特殊生物対策局の長は陰陽六氏を差し置いてフィルス家だ」
「フィルス家って、そんなに力があるんですか?」
「世界的な組織だからな。だからといって陰陽六氏が劣るという訳でもない。元々日本の人外を駆逐するには陰陽六氏だけで十分だった。高賀茂家、小野家、蓮寺家、海神家、安倍家、蘆屋家、それぞれ世界的にも一目置かれているくらい名が知れてる。海神家がフィルス家に魂粥術を伝授したと言われているくらいだ。だが、それぞれ独自の秘術が洩れるのを嫌ったり、術の悪用を恐れ、他と交わる事を拒んでいた」
「陰陽六氏に比べると規模は小さいが伊賀や甲賀とか、魂粥術の流れを組む忍術使いもいるが彼らがいがみ合っているのは知ってるだろ」
「漫画では」
忍術も魂粥術なのか。何となく合点がいく。
「烏崑、長野に鬼の一族が独立国家を作っているのを知っているか?」
「鬼?・・が、国家を形成しているんですか?」
「公にはなっていないが、不可侵条約を結んでいる」
「そんな、人外が国を作ってるなんて、それでいいんですか?」
「気分は悪いが、俺らのようなしもじものものに状況は分からん。何かしらの対策していることを祈るしかあるまい。まぁ、まずはフィルス家についてだ。20年前、人外が爆発的に出現した時期に、何故か強大な人外が日本に集中して出現した。六氏の魂粥術師が各地で壮絶な戦いを繰り広げている時、以前から隠れ住んでいた鬼の一族が混乱に乗じて台頭してきた。陰陽六氏はなかなか手が回らず、手負いの高賀茂家と蘆屋家の魂粥術師が鬼退治に向かったが惨殺された。緊急でフィルス家が来日し、鬼と死闘の末、多くの死者を出したが痛み分けで不可侵条約を結んだ。それが評価されて、特殊生物対策局がフィルス家を中心に組織された。政府は陰陽六氏を特殊生物対策局の実動部隊として、強引に組み込んだ。陰陽六氏は不本意であったが、今後協力が必要になる事案が想定される事から、正式にトップを決めるまでの間の暫定的なものとしてフィルス家を上席とする事に同意した」
「暫定的って言っても、20年もフィルス家が統括しているんですか?」
「烏崑も分かっている通り、人外の出現は後を絶たず、人外同士の交配もあって、一部ではネズミ算式に増えている。とにかく数が増えている。数を潰すのには世界のエクトプラズマーを派遣できるフィルス家は唯一の個を持っていると言える。それに癖強の陰陽六氏に序列がつくはずがなく、苦々しくもあえてフィルス家を上に乗っけてるのかもしれん」
「戦力を割かれてなければ、陰陽六氏が鬼を駆逐出来ていた可能性もあるんですか?」
「もちろん。独立国家など作らせず、殲滅していた可能性もある。タイミング的にフィルス家と鬼が通じてたんじゃないかなんていう穿った見方をするヤツもいるくらいだ」
「日本での地位を築く為に?」
「一部の考えだが、魂粥術は日本が祖なのだから、他国が上に立つのをよく思わないのも分からんでもない」
「魂粥術は日本が祖なんですね」
「あぁ、海神家がいっちゃん始めらしい。だが、フィルス家はよくやってくれてると思うぜ。多分あんなバラバラの陰陽六氏だけじゃあ人外の出現が多すぎて把握出来ず、被害は今より多かっただろう。全国的なモニターの設置に迅速に予算を割かせたし、各国での種々の人外の習性や弱点、対策など膨大なデータを共有させてくれる。フィルス家は人外出現情報をリアルタイムで反映してくれるのに対し、陰陽六氏は人外の情報を少なからず隠蔽している」
「でも、何でロクを拉致したんだろう。結果子宮筋腫だったけど、人外を宿した疑いが一瞬あった。でも、打ち明けたのは僕だけだし、腹が膨れたのを知ってるのだって、診察したドクターと看護師くらいだし」
「その子、ホントに子宮筋腫だったのか?」
「え?どういう事ですか?」
「多分残念だが、友達は人外を宿していた。確かな事は分からんが、フィルス家は被害を最小限にするために、変態後の人外でなく、変態前の人外を処分する努力をしている。ほぼ全国の産婦人科の情報を吸い上げていると思う。そしてその産婦人科からフィルス家に通報なり、ハッキングがあった」
「そんな・・、じゃあ、なんで子宮筋腫なんて嘘をつくんですか?」
レミーが言葉を選んでいる隙にジンが答える。
「そんな事知ったら凄まじい動揺で精神がぶっ壊れる。したらいつもと違ぇ行動とるし、とっつかまえにくくなんじゃねーの?」
レミーはジンの考察が終わるなり口を開く。
「と言うより、その場で妊婦をとらえて、どうにかしてしまうのは世論が許さない。特殊生物対策局の活動にも支障が出る。だから、証拠を残さず拉致をする必要があった。だからこその黒づくめなのだろう」
「じゃあ、ロクは」
レミーは目を伏せ、烏崑の目を見据える。
「今、生きている可能性は少ないと思う」
「そんな筈ない。絶対に生きてる。だって・・・」
「友達は変態して死ぬ。だけじゃなく多くの人を殺す。フィルス家は、死ぬよりも辛い事を未然に防いでくれた。そうは思えないか?」
「いや、そんな事ない。ぜってぇありえねー、そんなの。ふざけんじゃねーよ。だって、どこかで生きてる気がする。っざけんなよ!」
烏崑は自身の膝を叩き、やり場のない憤りに打ち震える。
レミーは頷き、ニコリとする。
「じゃあ、生きてるかもしれん」
「え?」
「その感覚はバカにできない。少し試してみるか」
深夜1時。
烏崑はこの時間なら大丈夫だろうと病室を抜け出し2階へ降りた。
常夜灯と非常灯が静かに灯る廊下を歩き、分娩室へと通じる自動ドアの前で立ち止まる。
透明なドアの先には助産師や看護師がちらほら行きかうのが見えた。
左手奥に見える分娩室のドアが開き、新生児を乗せたコットを押した志摩看護師が出てきた。
新生児室へ連れていくのだろう。
こちらへ向かってくる。
烏崑は仕方なく病室へ戻った。
念のため、潤子が隠れていないかベッド下を覗いたが、姿は見えない。
アリスの名を出したのが効いたのか、新しい獲物が出来たのか、何にせよ胸をなでおろす。
僕は今一人肝試しをしている。
『霊』が見えたら、ロクが生きてると感じる僕の感覚に信憑性が出てくるらしい。
だけど、厳密には今から見えるかもしれないものは『霊』とは少し違う。
レミーさんが説明してくれた、『霊』の正体は小難しかったけど、チャクラというパワーワードが出てきて、重症の厨二病患者の僕を前のめりにさせた。
ある程度理解したつもりではいるが、完全に腑に落ちておらず、反芻してみる。
レミーが『霊』について説明を始めようとした段で、双頭兄弟に人外出現の報告が入り、ジンは「面倒くせーな」とウォッカの瓶をかっさらい出動した。
「マーコさん、あんな酩酊状態で大丈夫ですか?」
「ガハハハハ。ヤツは頼りなさそうに見えるが、ポテンシャルはかなりのモンだからな。心配いらんだろ。ちょっとゴチャついたが、話の続きだ」
レミーはベッドに座り直し、目を瞑り、口から白いモヤを放出し、ゆっくり見開き、その『魂粥』なのか『魂氣』なのか分からない白モヤで人を形作った。
「これも『霊』の一種だ」
「はぁ」
『霊』っちゃあ『霊』っぽい。烏崑は曖昧な返事をする。
「魂粥塾では『霊』の事を氣功の『氣』と記憶の『憶』で『氣億』と呼んだりしているが、今は耳馴染みのいい『霊』と呼ぶ事にしておく」
レミーは烏崑の頷きを確かめ、話をつづけた。
「人は胎児のある段階で、下腹部の丹田に球体の『魂殻』が出現する。そしてあの世から太極門を通って胎児の『魂殻』に魂が宿る。そして『魂殻』と同義の第二チャクラから魂粥製のスシュムナー菅が背骨に沿って生え、第一から第七のチャクラが輪状に作られる」
レミーは白モヤ人形の関連部位を光らせ、スシュムナー菅と、チャクラを視覚化していく。
ゴツい癖に器用だ。
「そして、会陰部から頭頂部まで、第一から第七チャクラのそれぞれから『魂氣』が放出され、3年で体内に充満し完全濃度となる。人によってバラつきがあり、遅いと10年以上かかる。七つのチャクラはそれぞれ役割が違うが第六チャクラの役割の一つに、体外の『魂氣』を感知するというものがある。第六チャクラは松果体と連動している。烏崑は看護師だから松果体は分かるな?」
准看だが、訂正するのは野暮だ。
「松果体は脳の中央やや後面にあって、メラトニンを分泌するところですよね」
「その通り。魚類や両生類、ニワトリなどは光を感知している。ヤツメウナギは紫外線と可視光の比率を検出するらしい。だから『第三の眼』と呼ばれていたりもする。そしてその松果体は『霊』を感知する事が出来る」
「目に見えないものを見る器官という事ですか?」
「うむ。だが、体内の『魂氣』が完全濃度だと、第六チャクラ、松果体に霧がかかっているようで何も見えない。逆に子供は何もないところに向かって何か話しかけるなど、『霊』が見えやすいのは、松果体周辺の『魂氣』がまだ薄く、剥き出しの松果体が外部の『魂氣』を感知しやすい状態となっているからだ」
「塾生は『魂氣』をコントロールするから、みんな『霊』が見えるんですか?」
「必ずしもそうではない。松果体周辺の『魂氣』を晴らす事は出来るが、感度は産まれ持っての質だから、何も感じないヤツもいる。それに『魂氣』を晴らす事は、急所を剥きだしにするようなもんで、かなり慎重だ」
「滅多にチンコを丸出しにしないのと同じですね」
レミーはスルーして話を続ける。
「一般のヤツが『霊』を感知したり干渉出来るようになるには、いくつかのパターンがあるが、そのうちの一つが臨死だ」
「死を間近に感じた人が、霊感を覚醒するという話は聞いた事があります」
「うむ。カラクリはこうだ。死ぬと完全濃度の『魂氣』が『魂殻』に収束する。という事は必然的に松果体が露出する。その後息を吹き返し完全濃度に戻っても、松果体の露出を経験したヤツは、外部に特殊な『魂氣』を感じると、オートマティックに松果体周辺の『魂氣』が晴れる傾向がある。他者の『氣憶』を、質はどうであれ、チューニングできるようになる場合がある。だから、臨死を経験した烏崑が、友達のエネルギーや『氣憶』をうっすらとチューニングして感じているのであれば、友達が生きている信憑性に繋がってくる。だから『霊』体験できそうな場所に行ってみてはどうかと思ったんだが」
お墓とかに行かされるんだろうか。
「・・・はぁ・・。『霊』って、その場に残る『魂氣』、いわゆる残存思念という考え方であってますか?」
「整理すると、『霊』には2種類あって、一つ目は、体外に放出された『魂氣』や『魂粥』の残存物。時に生き霊も含む。もう一つは、死んで『魂殻』に『魂氣』が収束して、『魂粥』と一体化して、『魂』が太極門を抜ける時、怨念が強すぎて死を抗い、門を拒絶した魂」
レミーが形作った、白モヤ人形の丹田に太極門が出現して、魂を吸いこもうとするが、魂は抗い、怨霊の形となって逃げ出す。
怨霊は烏崑の首を絞めようと腕を伸ばした。
レミーはニヤとして、
「遅かれ早かれそれらはいずれ霧散する。だが、『魂粥』は万能物質に成りえると言ったな。『霊』は、その魂に魂粥量や思念が多ければ多いほど、そいつの記憶を有し、物質にも干渉する事が出来、意思を介在する事が出来る。悪霊の類だ。だが、今回烏崑に体験してもらいたいのは安全な前者の方。分娩室に行ってみるだけだ」
と、レミーは美味しそうに怨霊を吸い込み、チャプチャプと口を鳴らす。
「ぶ、分娩室・・ですか?」
「うむ。出産の時は、凄まじいエネルギー、『魂氣』の放出がある。赤ちゃんサイドからも『魂氣』の放出が凄まじい。出産があった日にその場所に行くと、妊婦の出産を追体験する事がある』
分娩室か。
ほっと一息つき、眉間の皺が緩んだ。
僕に霊感が覚醒したからといって、ロクが生きている事が確信に変わる訳ではないだろう。
でも、言語化出来ない、ロクが生きていると感じるこの感覚を肯定してくれる材料に成りえるなら、それが蹴り出す大地となってくれ筈だ。
深夜2時。
烏崑は再び、透明な自動ドアの前で様子をうかがう。
分娩室の電気は消えていた。
烏崑は勝手知ったる事務から拝借してきたカードキーと懐中電灯をリュックから取り出し、カードキーをかざすと、ブウンと小さなモーター音とともに自動ドアが開いた。




