EPISODE 76「A New Land(新たなる大地)」
風雅と同じく体に番号を刻まれた妖たちが、超常犯罪を犯している疑いがあると、同僚のアスカから宣告された。
凱はかつて共に財団から脱出した仲間を殺すことに反対したが、風雅たちに心を殺せと言われ、仕方なく飲み込むことに。
「そこで俺は事前に調査し、掴んだ情報がある。奴らの狙いは妖だけの世界を作ることだ。そのために俺たちは全力でその野望を阻止する!」
さらには彼らは強力な妖を仲間に引き入れ、弱ければ使い捨ての駒とするような情報もある。
そこでアスカはまた映像を変え、殺害現場が刺されていた赤いピンではなく、日本地図にある東京と北海道に青いピンが刺さっていた。
「これは…?」
「超常犯罪に手を染めていない「“セカンド”」の妖たちだ。正直言って残りの二人は心配いらないだろう、そんなことするはずもない人たちだからね。」
「俺たちの任務はその二人の保護というわけだな?」
風雅は得意気に指を指した。しかし、それだけでは無かった。
「もう一つ、今の特異課では人手不足だ。各地に散った妖狩を連れ戻し、備える!」
一時間後
東京に一人、北海道に一人、「“セカンド”」がいる。
そして合流していない妖狩は残り二人。
そこで特異課の面々は二手に別れる。
東京に残り、一人を保護し、もう一つの班は北海道に行き、保護する。
東京班は八雲 風雅、紅 アスカ、石動 凱の3人
北海道班は東雲 琥珀、龍我、緋月 花の3人だ。
「ちょっと待てぇぇぇ!」
「え?」
「え?じゃないよ、なんで花ちゃんが行くんだよ!」
風雅が怒るが、アスカは冷静な態度で肩に手を置き説明する。
「まぁまぁいいじゃないか、彼女が行きたいと泣きついて来たんだ。」
「それただ北海道で涼みたいだけだろ!」
「ねぇお願い風雅くん…琥珀ちゃんも龍我くんもいるから大丈夫だよぉ。ねーえー♡」
と風雅に抱きついてからのうるうるとした瞳での上目遣いをしてどうにか許しを請おうとする。
服を掴んで顔を近づけ、風雅の顔をじっと見つめる。
風雅の心臓は激しく動いて身体中に響き渡り、次第に赤く染まっていく。
耐えきれなくなった風雅はついに言い放つ。
「いいよ!」
「やったー!」
そしてその場にいた全員が思った。
(チョロい。)と。
まずは東京に行き先を定めて、東京班の三人は扉へと向かう。
その時、花が風雅を呼び止めた。
「なんかしばらく離れそうだから…はいお守り!」
花は赤いお守りを風雅に持たせたが、それだけでは無かった。
風雅にリュックを背負わせ、どんどんと物を詰め込んでいく。
「えーと3日分のお菓子と、もしもの時の入れ歯。」
「なんで入れ歯!?」
「しゃもじと、よく弾むスーパーボール!あとアヒルちゃん。で、雷牙くんと作った青いスライム!」
スライムを無理矢理リュックを詰め込み、かなりの重量になってしまった。
アスカは笑いを堪えながら風雅に声をかけた。
「愛されいるな君は。」
「愛されてんの!?ゴミ処理のいじめだろこれ!」
そして扉を開いて東京のとある病院の近くまでワープした。
リュックはバイクの上に置いている。
凱はその病院に見覚えがあるのか、たどり着いてすぐに走り出し、病院の正面まで回って見上げた。
「この病院ってまさか…!」
「あぁ、“天音さん”が入院している病院だよ。」
北海道班も現地に到着したが、転送されたのはとある山奥だった。
「んんー空気が美味しい〜!!」
花は呑気に背伸びをして、涼しい空気をその身に感じていた。
「花姉ぇの言う通りねぇ…東京と比べてこんなにも澄んでいるなんて!」
「たしかにビックリするほど澄んでるけどさぁ、見てよ二人とも。」
龍我は二人を呼んで地図を広げた。すると青いピンが刺さっているのは山ではなく、町中であった。
「え、何でぇ…。」
「ワープドアはたまに気まぐれなのよねぇ妖力濃度の高い方に吸い寄せられちゃうかr…!!」
自らの口でドアの欠点について語っていた直後、その違和感に気づいた。
「強い妖力…龍我でも花姉ぇでも、アタシでもない…じゃあ一体誰が…!!」
琥珀が不審な気配を探ろうと辺りを見渡しているその時だった。
突如地鳴りが発生し、三人は耐えきれずに地面に尻もちをついてしまう。
「何これ…!」
そして巨大な何かが真っ直ぐこちらへと向かってくるような気を感じ、琥珀は龍我と花を掴んで空へと飛び上がった。
その瞬間、三人の真下から巨大な身体と巨大な口を持った怪獣級の化物が飛び上がってきたのだ。
EPISODE 76「A New Land(新たなる大地)」完
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