EPISODE 75「Numbers(番号たち)」
ニューヨークから帰還した妖狩:『朱雀』こと紅 アスカが風雅と合流したことでさらに戦力が増した特異課であった。
「アスカくーん久しぶりー。」
龍我はゆるゆるな表情でアスカと再会し、凱はいきなり二人の背後から忍び寄り、肩を組んで再会を喜んだ。
「ちょ、」
「何をする!」
「いやー、一次はどうなるかと思ったが元のアスカに戻って良かったぜ!」
『離れろ!』
凱の顔面に二人の肘鉄が炸裂、凱は鼻血を出しながら倒れた。
「お前らのその雰囲気久々だな。」
風雅は居間でコーヒーを嗜みながら三人の寸劇を見守っていた。
元々リーダー気質のあったアスカはデイブレイク後の東京で毎日喧嘩をしている凱と龍我を止めていたが、次第に自分も怒って喧嘩に参加するという光景を幾度となく見てきた。
「久々だけどまたやかましくなったわね。」
琥珀は風雅の真似をしているのか、コーヒー牛乳をかっこよく飲み干した。
「とりあえず、俺が君の家に来た理由は団欒ではない。風雅、君に相談したいことがあったからだ。」
アスカは風雅を連れて作戦室まで招き入れ、円卓に座らせる。
起き上がった凱や龍我もそれぞれの数字が刻まれた円卓に座り、アスカの話を聞くことに。
雷牙と花は買い出し中なので不在である。
アスカは「3」の席に座り、彼らの目の前にあるモニターにとある映像を映し出した。
日本地図の映像でそれぞれの場所にピンが刺されており、ピンを拡大すると凄惨な現場がモノクロ映像で映し出された。
「これは…!」
「特異課にいる番号付きの妖…「ナンバーズ」と呼ばれている。だが今回は消息を絶っていた10〜20番までの「セカンドナンバーズ」が超常犯罪を犯していることを突き止めた。それが今映っている映像だ。」
特異課所属のナンバーズは勾留中のシンを入れて0〜9番、そしてセカンドナンバーズは椿医師だけである。
現在超常犯罪に手を染めている疑いがあるセカンドナンバーズは前回のNo.16ことクロ。
そしてモノクロ映像に映っている殺害現場はそれぞれ違う手口で行われており、斬首された死体、石のように固まってしまった死体等々の映像が映し出されていた。
「クロも言っていたが、どうやら奴を始めとしたセカンドたちは最近術式に覚醒したらしい。」
「で、俺たちは何をすればいいんだ…まさかそいつら殺せってか…!」
「凱、人を一人殺した時点で彼らはすでに人であることを捨てたんだ…ここは心を鬼にしたまえ!」
凱の言い分も分かる。
かつての非道な人体実験を共に乗り越え、鴉丸と共に命からがら脱出した間柄の仲間とも呼ぶべき者たちを情を殺して倒すしかない。
「凱、アスカの言う通りだ…俺たちは妖狩、実際俺がクロと戦った時、あいつは楽しそうに人を殺していたぜ…!」
「そうか…。」
身を乗り出していた凱だったが、風雅の言葉を聞き入れ、再び椅子に座り込んだ。
そして新たな勢力が動き出そうとしていた。
日本某所にあるとある建物では数人の若者たちが集まっていた。
部屋は豪盛だが暗く、姿を確認することは難しいが7人いるようだ。雷鳴が光ることでその姿を一瞬だけ確認することが出来た。
その内の一人である金髪ロングの青年が口を開いた。
「おいおいクロはどこだよ、今日は全員で集まるって言ったよなぁ!」
その隣にいたメガネを掛けた青年は金髪の青年が垂れた文句に答えた。
「何だ知らなかったのか、クロなら昨日死んだぞ。妖狩に倒されたそうだ。」
メガネの方は仲間が死んだと言うのに冷静で、無機質な声色をしていた。
「まぁ良いじゃねぇか…今後の作戦に響くわけでもねぇしよぉ…。」
その男の声は七人の内の誰の声でも無かった。
雷鳴が再び部屋を照らすと、玉座のような椅子に座る人物の姿が見えたのだ。
全身にボロボロの包帯を巻き、頭部からは赤い髪の毛がはみ出しており、目には瞼などなく眼球だけが飛び出していた。
そして男は七人の部下に宣言する。
「これからは財団HANDも、妖狩も関係ねぇ、これからは強き妖のみがこの地球を統治する…これからは我々「“倶利伽羅”」の時代なのだ!!」
EPISODE 75「Numbers(番号たち)」完
次回 第76話




