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妖狩:特異超常現象捜査課  作者: 定春
『女王を死守せよ。』
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EPISODE 53「龍撃砲」

『玄武』こと凱は『死神』の手により孤島監獄にいる『怠惰スロウス』の元に転送された。


そしてその圧倒的力量により凱は苦戦を強いられていた。

すでに体はボロボロだが、疲労までは「“不死アンデッド”」までは治らない。


大剣を床に突き刺して息を上げていた。なにしろ『怠惰』に一歩も近づけていないのだ。

いくら攻撃を仕掛けようとも何かの力に弾かれ、刃が本体に届かなかった。


「ちょいちょいどしたのー。さっきから僕に届いてないじゃないのさw」


「うっせぇ!てめぇ正々堂々戦えよ!」


「…僕そういう言葉嫌いなんだよね。」


怪訝な表情を浮かべたと同時に凱の腹に大きな風穴が空き、壁に激突した。

本人は不死身の為、すぐに風穴は塞がり出血も消えた。


「そっか、君不死身だったかぁ…めんどくさ。『死神』さんとんでもない奴を僕に当ててくれたね…!」


『怠惰』を掲げる彼にとって殺せない不死身の男など面倒くさいことこの上ない。

そして作り笑顔を浮かべながら頭を掻きむしる。


笑いながらも地団駄を踏んだり苛つきを隠せていないようだ。


「面倒くさいけど…全力で行こうかな!」


『怠惰』の体から緑と紫が混じったオーラが立ち昇り、ついに見えない何かが具現化し始めた。



          ー駅周辺の街中ー



『青龍』こと龍我は謎の糸目の男・“ロン”に勝負を挑まれ、戦闘狂である龍我はすぐに構えた。


しかしこのロンという男は他の脱獄囚とは違って『器』である花には興味がなく、ただ強者と戦いたいという一存で脱獄したのだ。


「私は中国で数多の強者と戦ってきた…だが君のように強さに貪欲な目をもった奴は初めてだ…。少年、何故強さに拘る。」


「俺は誰よりも強くなりたいんだ…これ以上妖の犠牲を増やさないために…だからアンタを倒して、さらに強くなる!!」


「…良いだ!」


ロンは一歩駆け出しただけで龍我の目の前に現れ、強烈な蹴りを繰り出す。


咄嗟に反応することが出来た龍我は左腕で受け止めるものの、その衝撃は腕だけで殺せるものではなく、直後にアスファルトに亀裂が入った。


ロンは両手を後ろに組みながら足蹴りだけで龍我を翻弄する。

龍我も対抗するため術式「“流転”」を使用し、両手両足に水を纏ってロンに攻撃を仕掛ける。


しかし、ロンは軽々と回避し、顔面に蹴りを浴びせる。

倒れたことも利用し、足払いをするが、それも飛び越えられる。

戦闘経験の差が龍我を追い詰める。


「まだだ、まだ本気ではないだろう妖狩エージェント:『青龍』よ。」


「あんただって全然本気じゃないくせに…もっとだ、もっと全力出そうぜ!」


ボロボロにされても龍我は興奮冷めやらず、笑って耐える。

その言葉を真に受けたロンは体から妖力の赤いオーラが立ち昇る、まるで天に昇る龍のようだ。


ロンは片脚を上げると体から立ち昇っていた妖力は全てその脚に集中していく。

何かに気づいた龍我はすぐ青色の妖力を全身に纏った。

その直後、最初に駅で放ったあの技を放とうとしていた。


          「“龍撃砲ドラゴンズ・キャノン”っ!!!」


キックを繰り出した右足から赤い龍が飛び出して龍我に直撃。そのまま空へと舞い上がり、先にあるビルの屋上へと衝突した。


幸い龍我は全身に水と妖力をコーティングしていた。おかげで重症は免れた。

赤い龍に乗ってロンも倒れた龍我の元へと上がってきた。


         ー「“龍撃砲ドラゴンズ・キャノン”」ー

ロンの術式。足先から自身の式神である『赤龍』を発射し、相手を吹き飛ばす。


「まさか私の技を耐えるとはな…瞬時に対応したのか。もう終わりか『青龍』。」


「終わるわけねぇだろ…オレの本気はここからだ!!『青龍』、“武装”!」


この武装は液状になった5体の『青龍』がミニ龍となり身体に装備される。

普段はワイヤーや戦闘を補助する役割に徹するが龍我はさらに発展させ、四肢に武装したミニ龍たちを直接体に装着し、防具の役割を与えた。


しかし胴体の「オコリンボ」だけは何の職も与えられず少し落ち込んでいた。


「いくぞお前たち。」『ミー!』


「そう来るか…いいぞ少年!」


ロンは再び足先から「“龍撃砲”」を放つが、二度も受けた龍我は体を捻って回避し、ロンの胴体に拳を命中させる事が出来た。


四肢は武装により強化され、攻撃が当たる度に水しぶきが弾け飛び、ロンの体は後退する。


「先程までとは威力が段違いだ…。」


得意の拳法を駆使した戦闘スタイルで蹴り、掌底、発勁が連続でロンを襲い、ついに膝を崩すことに成功した。


龍我はすかさず飛び上がり、右足にミニ龍たちを集めた飛び蹴りを発動する。

ロンも負けじと右足から『赤龍』を出し、二匹の龍が上空で衝突する。


パワーは互角だったが、ミニ龍たちが火事場の馬鹿力を発揮したことにより水流による推進力でパワーが上乗せされ、ビルを突き抜け、二人は一階まで落下する。


直下掘りでぶち抜かれたビルは曇天をみることができ、遅れてさっきの水流が雨としてビル内に振り注ぐ。


二人はそのまま駆け出し、拳と足をぶつける。水しぶきが弾け、龍我はそれを利用して弾丸としてロンに発射するが全て足だけで弾いて急接近を仕掛ける。


そこで活躍するは胴体の「オコリンボ」。彼は龍我を後ろに引っ張ってロンの踵落としを回避した。


そこから一気に踏み込んでロンの体に発勁で繰り出す必殺技「“流転”」を両手で放ち、ロンを吹き飛ばした。



「どうしたおっさん、もう終わりか?」


瓦礫の下敷きになったロンは足だけで瓦礫の山から生還し、平然と立ち上がる。


「なるほど…良いぞ『青龍』!それだ、そのけんが私の求めていた至高の領域に近い!!」


体を震わせた後、両手を広げ、天を仰いで笑い声を上げた。

するとロンの頬や額の近くに痣が出現し、糸目だった瞳が開眼した。


「これこそ血湧き肉躍る戦い…私を倒し最強へと近づくか、君を倒し私が最強へと至るのか今一度競おうじゃないか!!」


「やっと本気でやってくれんのか…オレは絶対あんたを倒して最強に近づいてやる!!」


              EPISODE 53「龍撃砲」完

           次回 第54話

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