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妖狩:特異超常現象捜査課  作者: 定春
『女王を死守せよ。』
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EPISODE 51「雷神円舞」

『女王の器』こと花を攫い、自由の身になろうと妖狩エージェントたちに襲い掛かる脱獄囚たち。


それぞれの場所で彼らを追い詰め、激闘が始まったのだった。


清水寺周辺の神社仏閣で花への見舞いの品を探していた妖狩エージェント:『雷獣』こと雷牙は力士のような巨躯を持つ潮汐うしおという男と対峙する。


潮汐は四股を踏んで地面を揺らす。さすがの雷牙も耐えきることは難しく、尻もちをついてしまう。


「どすこい!」


尻もちをついた雷牙に向けて潮汐は張り手を放つ。

何かを感じ取ったのか、すぐに回避した。


案の定、さっきまで雷牙が回避した地面には正方形の窪みが出来た。

間髪入れずに潮汐は張り手を繰り出す。


壁にも正方形の窪みが出来た。

雷牙は本能的な勘だけで回避するが、直後にその場所には正方形の窪みが出来る。


「どうなってやがる…術式が分からん…。」


雷牙は双剣を構えて潮汐の体を切りつける。しかし刃は皮膚に通らず、服だけが切れたのだ。


(コイツ固い…。いや、柔らか過ぎて刃が通らないのか!)


ならばと落下と同時に宙蹴りを繰り出して潮汐に物理ダメージを与えたが、本人は全く意に介さず、その場から1ミリも動かなかった。


その隙を突かれ、雷牙は足を掴まれ、左右交互に地面に叩き付けられた。

そして吹き飛ばされ、とある寺の屋根瓦に落下。


雷牙が潮汐の足元を見ると、双剣を見つけた。叩き付けられた時に手放してしまったらしい。


地上に下りて、神速の力で一瞬で回収しようと走り出すが、潮汐は雷よりも速い張り手を繰り出し、雷牙は吹き飛ばされ、寺院を貫通した。


寺院には正方形の穴が空き、雷牙の体の上には寺院の木材やらが積み重なり、頭部からは出血している。


「今食らってやっと掴めた…アイツの術式は「空気を塊にして打ち出す」術式…!」


彼を吹き飛ばしたのは空気の壁だった。

しかも無味無臭の透明。潮汐が張り手をした瞬間を見計らって立ち向かうしかない。


「ダルい能力だぜ…!」


再度雷牙は術式「“神鳴”」を使用し、双剣回収へと向かう。

潮汐の術式が当たらぬように雷の軌跡を描くが如く技でジグザグに移動する。


「“迅雷”!」


「いくら早かろうと無駄でごわす!」


連続張り手で正方形に圧縮した空気を打ち出す。しかしジグザクに動いて不規則な動きをとることで不可視の塊を回避し、足元の双剣を回収することが出来た。


「“迅雷”!!」


双剣に雷を流し、さらにジグザグに動いて死角から斬り上げ、潮汐の右腕をズタズタにした。

潮汐はやっと痛みを感じて声を上げて右腕を押さえた。


反撃はまだまだ続く、雷を纏った脚で潮汐の横腹を蹴り、壁にぶつけた。


「おいデカブツ…自分の命が惜しかったら見逃してやるよ。豚箱行きで済むぞ。」


「俺はもうあんな所に戻りたくないでごわす!『器』さえ財団に届ければ自由になれるんだ!」


「お前らの自由はダメな自由なんだよ、罪を犯したクズ野郎が、幸せになれると思うなよ!!」



「このわからずやぁぁ!!」


潮汐の体から青色のオーラが湧き出し、一気に力が弾け飛ぶ。


「『鯨神』“武装”っ!!」


潮汐の服が弾け、皮膚は鯨の特徴を帯びた皮膚に変化。

腰には豪華な回しを巻き、その戦闘力は格段に上昇していると予想される。


一度声を上げるだけで広範囲の衝撃波を放ち、周りのオブジェや石垣などを一瞬にして破壊した。


雷牙は双剣を地面に突き立て、飛ばされることなく耐えるが、腕の関節や腹から鮮血が噴き出した。


そして雷牙は双剣をわざと手放した。同時に彼の周囲にはスパークが発生し、体は金色のオーラに包まれる。


「そうかそうか、そんなに相撲がとりたいか…だったらお望み通りしてやるよ!“武装”!!」


『雷獣』の力を使い両足にアンクレットを武装し、妖力を極限まで解き放つ。


頭部には黄金の角が開き、足元に雷で円を作った。


「この円に入った瞬間、お前を殺す。」


「やって見ろでごわす!お前より強いのはこの俺でごわすー!!!!」


“武装”によって巨大になった掌で雷牙を押し潰そうとした。

雷牙が忠告した“円”に入ってしまった。そして勝利は確定する。


「はぁぁ…!」と息を吐いたその直後である。潮汐の顔に電撃を纏った重い蹴りを食らわせ、さらに瞬間移動して足にもう一発当て、さらに腕、腹にも強烈なキックを浴びせる。


武装効果は“電気ショック”。いくら斬撃を弾く肌といっても内側からの電気攻撃は通らないはずがない。


壁を蹴り、寺院を足場にして雷牙は上空へと舞い上がる。

潮汐は電撃によってボロボロになり、目も塞がれて雷牙が何処に居るのかも分からない。


「どこだ!何処にいったでごわすかぁぁぁ!!!」


「上だよバーカ。」



         「“神速・神鳴”っ!!!」



技を決めたビジョンが映し出された後、上空からの神速の踵落としが潮汐の脳天にヒット。

さらにその直後に強力な落雷が潮汐の体を飲み込み、全身が黒く焼け焦げた。


黒い灰となって崩れていく潮汐を背にし、雷牙は“武装”を解除した。


「ゲームセット、クジラの丸焼きの完成だ…。」



          残る脱獄囚は三人。



              EPISODE 51「雷神円舞」完

           次回 第52話

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