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妖狩:特異超常現象捜査課  作者: 定春
『女王を死守せよ。』
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EPISODE 50「宣戦布告、解放戦線」

京都の本部にて『女王の器』である花を匿うことにしたが、花は『女王』の幼体を妊娠してしまう。


同時に脱獄囚たちが己の自由を勝ち取るために、風雅たち特異課に宣戦布告を仕掛けようと動き出した。


そんなことなど露知らず、椿や鴉丸に花を任せて風雅たちは花を元気づけるために何かをプレゼントしようと計画し、本部周辺に散らばった。


風雅と凱は市街地、龍我は駅周辺、琥珀はショッピングモール内、雷牙は神社仏閣周辺といった感じだ。



          ー清水寺周辺ー


本部の近くには清水寺などの神社仏閣があり、弟以外に何かを手渡した事が無い雷牙は、不器用ながらお祈りをし、札を買って帰ろうとした時だ、


目の前に力士のような巨躯をもった男が現れた。雷牙はその男に目を向けながらも他の場所へ移ろうとするが、男はじっと雷牙を見つめる。


男は四股を踏むような動作をとり、左足を軸としながら右足を高く上げ、地面を力強く踏んだ。


雷牙含めた人間たちは男が発生させた地震にも等しい振動に耐えられず転倒してしまう。


「お前が妖狩エージェントってやつでごわすか?」


巨漢は雷牙に声を掛けた。

雷牙は「くそダリィな」と髪を掻きながら肯定する。


「で、てめぇは何だよ例の脱獄囚か…?(コイツ、リストに載ってなかったな。)新顔かよメンドクセー。」


「俺は「“潮汐うしお”」『女王の器』の居場所を吐け、そうすれば無駄な血は流さずに済むでごわす。」


「死んでも吐くかよ。」


雷牙の体に黒いモヤが掛かり、特殊防護服へと姿を変え、二刀の太刀を引き抜いた。


「まだ死にたくないだろ?早く逃げろ!」


そして人間の前にわざと雷を落とし、不器用なりにも避難勧告をした。

怯えた人間たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ去り、寺には雷牙と潮汐だけだ。


「来いよデカブツ、三枚に下ろしてやる…。妖狩エージェント:『雷獣』ゲームスタート…!」


「すぐにミンチにしてやるでごわす!」


         『雷獣』:雷牙VS潮汐



       ーショッピングモール付近ー


琥珀はモールの中で花に似合う花束とサイズを合わせた可愛い服を買った後だった。

駐車場付近を歩いていると、彼女の背後に何かを打ち付けたような轟音が聞こえた。


「私もみーつけた…殴りがいのある小娘ちゃん…♡」


琥珀が振り返った先にはピチピチのライダースーツを着たいかにもSMの女王さまという感じの女が鞭を携えて立っていた。


「うわっ、いい女…。」


「あら、敵ながら嬉しいこと言ってくれるのねぇ。ところで、『器』知らないかしら。その子がこっちに来てくれたら私とっても助かるのぉ。」


と女は琥珀をただの子供だと侮っているのか甘い声で彼女に花の居場所を聞き出そうとする。


しかしそんな簡単な誘惑に引っ掛かるほど琥珀も愚かではない。

すぐに断り、特殊防護服を身に着け戦闘態勢に入った。


「あんたみたいな怪しい奴に教えるわけないでしょ、“おばさん”。」


「…っ!!今何つったガキ!私はまだ28よ!!」


この脱獄囚の名は「“カーリー”」。鞭使いの女囚人である。

琥珀におばさん扱いされたことで武器の鞭を引っ張って激昂した。


         『猫又』:琥珀VSカーリー


龍我は駅のホームに行き、駅弁や売店でお菓子を買っていこうとしていた。


龍我も誰かにプレゼントなど上げたことがない。雷牙と同じく不器用ながらも彼女のために何かをしようとした。


お菓子と皆の分の弁当を買って、電車に乗ろうとホームへ向かった。


民間人たちは特に気にしていなかったが、向かいのホームでは一目で只者ではないと思わせる中華服を着た糸目の男が立っていた。


龍我はその男を視界に入れた瞬間に謎の緊張感が走った。

見つめていると、男は真っ赤なオーラを放出し足を前に出した。


龍我は咄嗟に「みんな逃げて!」と叫んだ。


その声を上げたと同時に突如赤い龍が出現し、龍我目掛けて一直線に飛んできた。

間一髪腕でガードしたがその威力は凄まじく、龍我はホームの壁を突き破って外に放り出された。


男のものと見られる攻撃により駅は半壊し、少ないが重軽傷者を出してしまった。


龍我は腕に軽い傷が出来たが無事に着地した。無事じゃなかったのはせっかく買ったお土産だ。


「やってくれたね…あんた誰?新しい脱獄囚か、花ちゃんは絶対渡さないからな!」


「俺は他の奴らとは違う…『女王の器』になど興味はない。俺が興味あるのは強者との戦いのみ…ぜひ手合わせ願おう。」


なんて強引な奴だろうと思ったが、龍我はもとより戦闘狂。

不敵な笑みを浮かべ、男に対して構えをとる。


「いいぜ、そんなに楽しみたいなら精一杯楽しもうぜっ!!?」


「なんという力に飢えた目…お前のような戦士は30年ぶりだ。」


謎の男・「“ロン”」は龍のような形をした赤いオーラを龍我は同じく龍の形をした蒼いオーラを放出した。


          『青龍』:龍我VSロン



市街地では風雅と凱が色々な店を回ってプレゼントを探していた。


「なー凱、女の子には何あげれば良いんだ?とりあえず…この狐のぬいぐるみしか見つけられなくて…。」


「俺に聞くな兄弟。自分で言うのもなんだが、俺の方がよっぽど変だぞ?骨董屋で見つけたとある部族の置物だ!」


「そういうのは特異課の呪具保管庫にプレゼントする代物だろうが。なんかこう女の子らしいってや…っ!?」


この時二人は感じた。光も何も届かない深海のような強大な妖力を。


二人の背後には『死神』が立っていた。

すぐに応戦しようと振り返った矢先、凱の足元に刃が突き付けられていた。


「お前には良いステージを用意したぞ…『玄武』。存分に楽しんでこい。」


凱の足元は黒く代わり、その中に沈んでいってしまった。


彼がたどり着いたのは四方八方が血で塗りたくられたとある監獄。

目の前にはソファに座る緑髪の男がくつろいでいた。


「やぁ久しぶり〜凱くん。」


「てめぇ、『怠惰』か…!」

「えー覚えててくれたの、嬉しい〜!!」


とわざとらしそうな演技をした後に凱は特殊防護服を着装し、大剣を引き抜いた。


「忘れようたって忘れられるもんかよそのふざけた面…今度こそてめぇをぶった斬る!今日がてめぇと俺の、一世一代の大祭りだぁぁぁぁぁ!!」


         『玄武』:凱VS『怠惰スロウス



一人残された風雅は凱の後を追おうと穴に手を伸ばすが閉じてしまった。

そして『死神』を睨む。


「そこどけ大先輩…仲間のとこに連れていきやがれ…!」


『死神』はただ無言で妖刀を抜く。


「脱獄囚を手招きしてたのはお前のせいか、じゃあ兄貴たちの所にも…おい、どけよ。どけ…!」


彼が何故焦るのか、それはリストに載っていない脱獄囚のレベルが何一つ分からないからだ。

先程感じた強大な妖力は他の場所で戦闘し始めた脱獄囚の妖力が固まったものだ。


風雅は怒り、翠緑色のオーラを放出、突風が巻き起こる。

『死神』も赤黒い稲妻を光らせながら黒いオーラを放つ。


      「そこをどけぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


        『神狼』:風雅VS『死神』


         EPISODE 50「宣戦布告、解放戦線」完

          次回 第52話

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