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妖狩:特異超常現象捜査課  作者: 定春
『無敵のジャンパーを仕留めろ。』
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EPISODE 39「『死神』再臨」

「はいはーい、こちら花ちゃんでーす!妖狩エージェント:『青龍』さんこと龍我くんが日本に帰ってきて特異課は少しだけ人手が増えました。でも…。」


とある昼下がり、花は龍我と凱が口喧嘩しているのを見かけた。

凱は龍我に対してとある物のの責任を追求していた。


「お前俺が取っておいたプリン食っただろ!」


「うん食べたよ。名前書いてないキミが悪いんだろ?」


「書きましたー!指で擦って消した跡があったぞ?!」

「オレに奪われたキミが悪いんだよ。バッカじゃないの?」


と余裕の表情を見せ、凱の神経をさらに逆撫でさせる。


「もうキレた、今日こそてめぇぶっ殺す!」

「オレもいつかキミを殺したいと思ってたんだ…いい機会だ思う存分殺り合おうぜ!」



           「やかましい!」



睨み合う二人の頭に風雅の鉄拳制裁がお見舞いした。案外凱の頭は硬かったようで、殴った後に風雅の拳は赤く腫れた。


「ったく、最近騒がしいんだよてめぇら…いい歳こいてガキみてぇな喧嘩してんじゃねぇよ…いてて。」


「止めるな兄弟、俺はこいつを一発殴らねぇと気が済まねぇ!」


「止めるわい!」


その時、龍我のケータイにメールが届いた。


「あっミッションだ…行かないと。行ってきます先輩!」


「あっ待て!ってもういない…。」


龍我は頭にたんこぶを作りながらもすでにミッションへと向かってしまい、凱はその隙に風雅から逃げようとしたが、すぐに捕まった。


「罰として夕飯の買い出し行ってこい…!」


「えっ、何で俺が…!」

「いいから行ってこいや。」


「もー何であの二人あんな仲悪いの?」


と喧嘩をずっと聞いていた花が訪ねる。


「デイブレイクの時に生き残った子供たちで色んな物資を漁ってる時に誰がリーダーになるか論争とかで揉めたとか揉めてないとか…本当のことはあいつらしか分からんよ。」


子供の頃よりも喧嘩のレベルが上がっていることに嘆かざるをえない風雅だった。


           ー街中ー


龍我がワープしたのはとある都内の街中。

扉を開けた瞬間に彼の目の前で成人男性が空から落ちてきた。


さすがの龍我も驚いてしまい一瞬固まったが、遺体を確認した。


「どこだ…どこから降ってきた…?」


恐る恐る近づいて遺体を確認した。体を強く打ち、右手がありえない方向に曲がってしまっていた。


どこから落ちてきたのか上を向いて確認するとビルだらけであったが、ビルの谷間を高速で跳んで移動している不審な人影を発見した。


龍我は遺体に手を合わせた後、ビルの外壁をアスレチックのように登って屋上へ到着。

人影を追う。


人影に徐々に近づいてきた。

龍我は水を操る術式で水の弾丸を作り出し、人影に向けて発射。


今のところ一発も当たっていないが、走る人影の注意を逸らすことはできた。

人影は止まり、近づいていくとその正体が判明した。


バッタだ。特異課からは『ホッパー』と名付けられた。

龍我は一目で只者ではないと感じたのか、先程よりもスピードを上げて妖に急接近を仕掛ける。


一発の蹴りが『ホッパー』の顔に命中し、ビルの屋上へと叩き落とす。


「キミか、高所から人間を落下させていた犯人は…!」


「そうだ。だが殺して回っていたのはお前をおびき出すための口実にすぎない。」


龍我は『ホッパー』が付けている腕章を見て、険しい顔色を浮かべた。


「お前…財団関係者か!」


『ホッパー』はクラウチングスタートの構えをとり、バネのような足の筋肉を伸び縮みさせて龍我に突進、そのまま強力な脚力で回し蹴りを繰り出す。


龍我は腕を盾にして重い蹴りを受け止めるも、威力を殺しきれず、後ろへと下がってしまう。

だがそんな攻撃も彼にとっては“栄養”となる。


「重い…これだよコレ!いいね、もっとオレと戦おうぜ!?」


「不気味な奴だ!」


龍我は得意のカンフーで『ホッパー』と互角で渡り合っている。

『ホッパー』の一撃が重いなら龍我も攻撃を重くし、動きが速いならそれに合わせることができた。


「“流転”っ!」


必殺技が炸裂。『ホッパー』は胸を抑えて苦しむが、自慢の脚力を使って垂直へ跳ぶ。

龍我も追いつこうと高く跳び上がった。


しかし上を向いた瞬間、太陽光で視界を潰されて、それと同時に『ホッパー』はかかと落としで龍我を地面まで叩き落とした。


落下の衝撃で道路にヒビが入り、龍我は仰向けで倒れた。


「財団に逆らう者には死あるのみ…。」


と言いながら、屋上から龍我を見下す。

肝心の龍我は身動きをあえて取らず、ずっと『ホッパー』を下から見つめていた。




           ー商店街ー


罰として夕飯のお使いを任された凱は買い物かご片手に商店街を歩く。


「えーと…牛乳とジャガイモと、ニンジンか。大体八百屋行けばほとんど揃うじゃねぇか!なんだずいぶんと簡単な罰だなぁ。」


と意気揚々と語っていたが、出かける前の重大なことを思い出した。


         「金は自分で出せよ。」


凱の所持金は全額で約5400円。心もとない。

妖狩エージェントならばミッション一つ遂行するだけでかなりの給料が入るが、何処に大金を溶かしているかというと…


魚、肉、野菜、スイーツのグルメづくし、マンガなど自分の好きな物に注ぎ込んでいるのだ。

そのせいで所持金は不足し、過去に取り逃した囚人を倒すだけではそんなに金は入らない。


「くっ…カシラはつれぇぜ…!」


なんやかんやありながらも、はじめてのおつかいを終えた凱は帰路につく。


商店街を出ようとした時、白い和服を着た男が凱の前に現れた。


「貴様…妖狩エージェントだな。」


「あ?誰だてめぇ。」


彼の前に現れたのは掟を破った妖を処刑する『死神』だった。

今のところ『死神』に目を付けられた妖狩エージェントは風雅のみだ。


「お前さん…もしかして兄弟が言ってた『死神』さんってやつかい?」


「話が早くて助かる…俺は『死神』…掟を破りし妖を断罪する者だ。」


『死神』は妖刀である「月闇ツクヨミ」を鞘から抜き、凱に刃を向ける。


凱は待ってましたと言わんばかりにニヤけ、特殊防護服を着装。

背負った大剣を引き抜き、『死神』の顔へ刃を向ける。


「やっぱ俺は戦闘こっちの方がしっくりくるっ!!で、何でお前さんはこんなところに?」


「無駄話はいい…俺はただ“女王の器”を回収しに来ただけだ…!」


「うつわ?何言っt…」


間髪入れずに『死神』は刺突攻撃で凱に攻撃を仕掛けるが軽々と回避し、背後に回って大剣の峰で『死神』の頭を殴打した。


その際、『死神』の長髪がなびき、制服の背後に描かれたマークを凱は目撃した。


「…!、菱形の中に手をつなぐマーク…お前財団HANDのメンバーかっ!!」


「俺は…財団HANDが生み出した処刑人『死神』…それ以上でもそれ以下でもない…!」


『死神』から禍々しいオーラが噴き出し、商店街全体が揺れ始める。


「何が『死神』だよ…俺は不死アンデッドだぜっ!?」


            EPISODE 39「『死神』再臨」完

            次回 第40話

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