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【連載】Dark × Marriage[ダーク×マリッジ]〜死せる花嫁と漆黒の護衛騎士〜  作者: シロヅキカスム
▼ショートカット/シナリオ版 

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シナリオ #07

 殺されたフィオナ・ベルベット嬢は、亡者となって蘇っていました。


 己の容姿の変貌に、フィオナはショックのあまり鏡を叩き落とします。


 その破片が彼女の肌を傷つけたときです。

 皮膚の赤い傷跡が、みるみるうちに修復されてしまいました。


 ますます人間離れした怪奇を前に、フィオナはひときわ大きな鏡の破片を握りしめると、それを何度も己の首筋へと突き立てました。


 何度も、何度も──そのたびに、傷は卑しく閉じていきます。


「し、死ねない……」


 神の摂理に反して蘇っただけではありません。その体は二度と死の眠りにつけないよう、呪いをかけられてしまったのです。


 いったい、どうしてこんなことに……。

 呆然とする令嬢に、従者ディオスの淡々とした声が突き刺さります。


「私があなたを亡者として呼び起こしました」


 従者の意味不明な陳述に、フィオナはさらに混乱し、憤りを超えてその場に泣き崩れてしまいました。


 生き返ったところで、この身は腐った死人(しびと)。

 もう、愛しい人のもとへ帰ることも叶わないのです。


 フィオナはおおいに嘆きました。

 自分はただ、幸せになりたかっただけなのに。

 それだけを願って、白嶺の華になることを目指したのに……こんな顛末(てんまつ)はあんまりではないか。


 床に打ち伏す令嬢。そのうずくまった背に、またしてもディオスの声が突き刺さりました。


「メッキは剥がれた。いまのおまえに振り向く者はいない──」


「!」


 淡白な物言いこそ変わりませんが、先ほどとは打って変わって、その口からつむがれたのは残酷な罵倒でした。

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